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夜の魔族

 とはいえ外は真っ暗闇で何が行われているのか俺に見えるはずはなかった。ただ、ドンッ、ブヒー、ドンッと音がしてテンカがおー、と歓声をあげてたのでヴァンパイアがなんかやっていたのがわかった。音が静まってしばらくするとヴァンパイアがギガントイノシシを引きずって帰ってきた。

「どうだったかしら?」

ヴァンパイアは褒めて欲しそうに尋ねる。

「ごめん。俺暗くて何も見えないんだわ。」

「じゃあ、なんでそこに立ってるのよ。危ないじゃない。あんた狙い放題よ。」

ヴァンパイアがキレた。うん、そりゃそうだ。

「目をこらせば何か見えるかなと思ったけど無理だったわ。テンカどうだった?」

見えてるはずのテンカに話を振る。

「寝てるギガントイノシシに近づいてドンバンドンって感じだったコン。」

テンカに聞いた俺が悪かった。とりあえず手際が良さそうなのはわかったので荷車ゴーレムを呼び出すことにする。

「いちいち、狩った獲物を運ぶのは大変だろ。狩りが終わったらこれでこっちに合図を出してくれ。」

そう言ってヴァンパイアに小型のライトを渡す。

「これを2回点滅させてくれればゴーレムに回収に行かせる。そっちの方が効率的だろ?」

「ありがと。気が利くじゃない。」

そう言ってヴァンパイアは夜の狩りに戻っていった。その後、ヴァンパイアの手際がよすぎてゴーレム1体では回収が間に合わなくなり、急いで2体目を準備しなきゃいけななくなった。そして、しれっとジャイアントイノシシも狩っていたことには驚いた。それにしてもイノシシ多過ぎね?なんで、昼にあれだけ狩ったのに夜にこんなにいるんだよ。



それからしばらくして、アンデッドたちが侵攻してくる時間が近づいたのでヴァンパイアを呼び戻して会議室に向かう。それからしばらくしてアンデッドたちがダンジョンに侵入。今日の編成はスケルトン9体にゾンビ4体。しかし、アイアンゴーレム3体の前にあえなく沈黙。堅くてダメージが通らなかったらしい。

「なるほどね。こいつらに与えられた指示は2つ。1つはここの近くまでポイントを指定してそこまで移動すること。2つ目はこのダンジョンに突撃して中の魔物を倒すこと。おそらくこちらの戦力を探ってるんじゃないかしら。たぶん、ちょっとずつ数を増やしてこちらの戦力が頭打ちになるのを待ってるのよ。」

「わかるのか?」

ヴァンパイアが自信満々に答えるので聞いてみる。

「アンデッドの動きが単調すぎる。近くから指示を出してるのならもうちょいマシになるはずよ。そして、何らかの手段でその様子を監視してる。あたしを出さなかったのは正解ね。存在がバレずに済んだわ。」

やはり、アンデッドの専門家がいるとわかることが多い。

「マスター、サーチのスクロールはある?昨日外に出したのならテンカたちの存在はバレてる。明日はダンジョンの外で彼女にサーチのスクロールを使わせましょ。そうすれば、隠れて監視してる存在は見つかるはずよ。」

さすがヴァンパイア、よく頭が回る。

「わかった。明日の方針はそれで行こう。」

俺はサーチのスクロールを机の上に出して置く。これで明日には何かつかめるかもしれない。

「それじゃ、マスター。おやすみ。」

そう言ってヴァンパイアはダンジョンの外に向かおうとする。

「君は寝ないのか?」

ヴァンパイアに問いかける。

「何言ってんの?あたしは夜の魔族なのよ。夜に活動して昼に寝る。あんたは無理しないで寝なさい。心配しなくてもみんな寝ちゃったから無理はしないわ。」

既にテンカたちも寝てしまっているため起きているのは俺たちだけだ。

「わかったよ。明日からは少し考えないとな。」

ヴァンパイア一人では寂しそうだ。誰かを夜に回さないといけないと考える。

「あんた、優しいのね。」

ヴァンパイアはそう言って夜の森に出て行った。


 日が明けて翌朝、俺が起きたときにはヴァンパイアはもう寝ていた。俺は夜のことをメイたちに話した。

「なるほど。ヴァンパイアは夜の見張りも兼ねてたのかもしれない。」

メイが話を聞いてそう言う。襲撃が1日1回とは限らないし何かあった時に誰も起きてないのはまずいと判断したのかもしれない。

「朝起きたらわたしのデスクにこれがおいてあった。」

メイが続ける。メイが見せたのは明け方に取ったのだろう写真。それと一緒に『何の足跡だと思う?』というメモがおいてあったらしい。そういえば昨日、会議室の壁にマップ代わりに貼りだしてあるダンジョン周辺の航空写真を見てその撮り方を聞いてきた。きっと、ドローンを操作して撮ってくれたのだろう。

「三本指の足跡ですか。」

こいつが監視していた魔物だろう。ヴァンパイアはきっと手がかりを探すために森に出て行ったのだろう。何が無理はしないだよ。思いっきり索敵してるじゃないか。確認したら夜においたサーチのスクロールも消えていたので使ったのだろう。昨日、話を振ったのも俺にサーチのスクロールを出させるためだったのかもしれない。

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