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プロローグ

新学期の初日、高校に向かっていたら突然声が聞こえた。

『ようやく繋がった。僕に残された時間は残りわずかだから手短に話すよ。僕たちの世界は滅亡の危機に陥ってしまっていてね。このままいけば近い将来、滅びてしまうだろう。君には世界の抑止力になってもらいたいんだ。』

こいつは何を言っているんだ?

『もう時間がないみたいだね。君には書庫を預けるから困ったら本に頼るといい。僕たちの世界を頼んだよ。』

言葉が途切れると同時に視界が真っ白に染まり、気がつくと森の中に立っていた。

「ここはどこだ?」

俺は辺りを見渡す。すぐ近くに岩肌がそびえ立ってる崖が見えるがそれ以外は木々が生い茂ってる森の中だ。

とりあえず、進もうと思ったら足下で何かにつまずいた。足下を見ると辞書くらいの厚さの本があった。本を拾うとそこには

『上宮創太の書』

と書かれていた。

「俺の本?」

気になったのでちょうど崖の近くにあった座りやすそうな岩に腰掛けて本を開いてみる。最初のページには

『名前:上宮創太 

ジョブスキル:<魔導書庫Lv1>, <ダンジョンマスターLv1>, <ライブラリアンLv1>, <魔導書作家Lv1>』

と書いてあった。俺はいつダンジョンマスターになったんだ?魔導書庫はもはやジョブじゃないし司書にも作家にもなった記憶は無い。とはいえ妙な声が聞こえたと思ったらどこかに飛ばされたわけだし、何かの才能に目覚めてたとしてもどこかに急に飛ばされるよりは現実的だろう。悩んでいても仕方ないので次のページに移る。

『ジョブスキルとは:ジョブスキルとは、魔物を倒したり、物を製造するなどの経験で進化していくスキルのことでジョブレベルを上げていくことで新たな能力に目覚める。ジョブレベルの上限は10である。』

経験を積んでジョブレベルをあげろってことか。たぶん、ゲームで言うところの経験値を稼ぐってことだろう。

『スキル:常時または受動的に発動する能力のこと。』

『魔法:能動的に発動する能力のこと。魔力を消費して発動する。』

これは自分で発動するのが魔法でそれ以外がスキルって認識でいいんだろうか?

魔法やスキルにはレベルは無いらしい。

『<魔導書庫>

知識を異空間のライブラリに蓄える能力

Lv1:<ライブラリアン>〔スクロールストック10〕〔魔力量アップ小〕』

これが謎の声が言っていた書庫のようだ。この本も書庫の能力なのだろう。

『<ライブラリアン>

書庫を管理・発展させるための能力

Lv1:<魔導書作家>{スキャン}

{スキャン}:対象の能力を見ることができる魔法。対象に信頼されるとより詳細な能力を見ることができる。』

相手の能力を確かめる魔法か。対象によって効果に差が生まれるようだ。情報を得ることは大事なのでこの魔法は重宝しそうだ。

『<魔導書作家>

スクロール(魔法の効果を封じ込めた使い捨ての巻物)魔導書(使用者のライブラリに魔法を追加{覚えられる魔法上限10}し能力を失う本)を作成またはそれを補助する能力

Lv1:{魔導書作成(初級スクロール)}

{魔導書作成}:自分のライブラリにある魔法から条件にあった魔法をその魔法を発動するために必要な魔力のスクロールなら倍、魔導書なら三倍の魔力を消費することでスクロール、魔導書を作成する魔法。作成する魔法によって制作時間が異なる。』

魔導書を作る能力もあるようだ。これで味方を強化しろということかな。最初は初級スクロールだけだけどレベルアップで使えるストックが増えるのだろう。

『<ダンジョンマスター>

ダンジョンを作るのをサポートする能力

Lv1:〔ダンジョン制作権限〕{召喚}

〔ダンジョン制作権限〕:ダンジョンコアを設置、維持する権限を付与するスキル ダンジョンコアに触れるとダンジョンマスターの資格を得る

{召喚}:魔物を召喚するための魔法。触媒を用意することで対象を限定することができる。また、縁を結んだ最上位種の下等種は指定して召喚することができる。』

世界の抑止力になれって言ってたけどダンジョンを作る側なのね。俺、人類の敵じゃん。

次のページをめくると何も書いて無かったので今得られる情報はこれですべてらしい。


さて、これからどうしようかと考えてると吹いている風がさっきより冷たくなっていることに気がついた。空を見上げるとどんよりとしている。

「これ、一雨来そうだな。」

天気が悪くなることを察した俺は雨宿りの方法を考える。木の下は雷が鳴るとアウトだからできれば屋根の下に入りたいけどザッと見渡す限り洞窟とか無かったし安全に雨をしのげる場所は無さそうだ。

「ダンジョン作っちゃうか。」

本当はここがどういう場所か確認してから作りたかったけど雨宿りして探索してたらあっという間に成果も得られず夜になりそうだ。

それなら今作ってもたいした違いはあるまい。

「ダンジョン作成」

俺は腰掛けていた脇の崖の岩肌に向けて唱えた。そうすると、壁に空洞ができて、一番奥に水晶のようなものが置かれている。あれがダンジョンコアだろうか。

空洞に入った俺はもう一度、『上宮創太の書』を見てみる。

『ダンジョン:魔物の巣窟 ダンジョンコアを破壊されるとすべての活動が止まる』

ダンジョンの項目が追加されていた。そういえば、ダンジョンコアに触れるとダンジョンマスターの権限が得られるんだっけ?

水晶に触れると水晶が答えるように一瞬光った。そして、部屋の見取り図がタッチパネルのように現れた。

『部屋追加(設可残1)』というところをタッチしたら『洞窟』と『石レンガ』と選択画面が出てきたので『石レンガ』を押してみる。

そうするとパワポのテキストボックスのようなものが表示された。それを指を使ってサイズ調節と位置を調整する。楕円形の洞窟の奥に配置して決定ボタンを押すとタッチパネルが消えてゴゴゴと音がして奥にもう一部屋できた。

「面白いな。」

もう一度、水晶に触るとやはりタッチパネルが出てくる。自分がいる洞窟エリアをタッチすると『部屋のサイズ、エリアを変更しますか?』という質問と『はい』『いいえ』の項目が出てくる。『はい』を押したら『中に生物が存在するため変更できません』と出てきた。

そりゃ、そうだ。水晶とスクールバッグを持って奥の部屋に移動。そこでもう一度『はい』のボタンを押して石レンガの奥の部屋より狭いサイズにしてレイアウトを終了。

もう一度轟音が響いて部屋の配置(仮)が完了した。外を見るとちょうど雨が降り出したところでだいぶ強く降っていた。これでしばらくは外に出れなくなったと。


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