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3幕 ブレイズライダー2.5 ファースト・チェンジ(11)

「それがわかった所で、オニを倒せると思わない事です! オニは、進化し続けるのですから!」


 アブソーバーは身体中から機械人形の腕を生やし、銃に変形させると俺たち目掛けて一斉に発砲。

 俺とストームガールは、即座に超能力で光弾を防ぐ。


「その程度の弾幕、避けるまでもない!」


 一人だけ前に飛び出していた桃太郎さんもまた、目にも止まらぬ速さで刀を振るい、迫る光弾を弾き飛ばした。

 そして、桃太郎さんはそのままアブソーバーへと肉薄し、刀を振り上げる。


「その程度! 今のオニにとっては容易に躱せます!」


 痛みに呻きながらもアブソーバーは飛び退くと、近くに倒れていた鬼たちを吸収。

 更に巨大になっていった。


「うーん、アタシの超能力は殆ど通用しないみたいだし、どうしようか? なにか策はある?」


 俺と一緒に様子を伺っていたストームガールが呟く。

 妙に弱気な台詞ではあるが、その口振りは戦う気満々。

 流石は、スーパーヒーローと言ったところか。


「いつまでも見てるだけって訳にはいかない。迷ってるのなら、俺の策に乗れ」


「いいよ。それで、作戦の内容は?」


 ……自分から提案しといて何だが、二つ返事で了承されるのは予想外だな。

 まあ、話が早いのは助かる。


「俺が一撃で勝負を決めるから、桃太郎さんと一緒に戦って隙を作ってくれ。合図を出したらサポートを頼む!」


「サポートするのはいいけど、合図って――あっ!? 待ちなよ!」


 ストームガールに作戦を伝えて駆け出し、桃太郎さんと睨み合っていたアブソーバーへと殴りかかる。

 何度か炎を宿した拳で殴りつけ、アブソーバーの表皮に火傷を負わせるが、奴は怯む素振りすら見せずに俺の腕を掴みとった。


「捕まえましたよ! このまま引き裂いて――ぐあっ!?」


「拙者の弟子に手出しするというのなら、覚悟は出来ているな!」


 すかさず助けに入っってくれた桃太郎さんにより、腕を切り落とされたアブソーバーは痛みに呻く。


「大丈夫か、ブレイズライダー? 少し休んでいても構わんぞ」


「馬鹿な事を言うな。まだやれる」


 アブソーバーの腕に掴まれたまま地面に落ちた後、何とか立ち上がる。


「それなら、アタシについてきて! 三人でアイツを倒すよ!」


 俺と桃太郎さんの脇をストームガールが飛翔しながら通り過ぎ、俺達も後を追うようにアブソーバーの元へと走り出した。

 ストームガールの風を纏った四肢と桃太郎さんの振るう刀によりアブソーバーの身体は切り裂かれ、俺の炎で火傷を負わせる。


「お、おのれ……もっと、もっと力を!」


 俺達三人の猛攻を受けてなお立ち続けるアブソーバーは、周囲に倒れる鬼達を吸収して身体の傷を癒し、更に巨大になろうとする。

 しかし、受けたダメージが大きいのか傷が完全に癒えるまでに僅かばかりの時間を要するみたいだ。


「させるかよ! これでとどめだ!」


 生じた隙は逃さない。

 俺は地を蹴り跳躍し、右足をアブソーバー目掛けて突き出すと、その先端に炎を宿す。


「行くぞ、ストームガール!」


「了解! 酔わないように、注意してね!」


 飛び蹴りを放った俺の身体をストームガールの風が包み、高速で回転しながらアブソーバーへと突撃する。


「その程度の攻撃、受け止めて――ぐっ!?」


 傷の癒えたアブソーバーが俺を受け止めるべく備えようとするが、その途中で片膝を地面につく。


「そうはさせん。我が弟子の一撃、その身で受け止めろ」


 桃太郎さんによって脚の健を斬られてバランスを崩したアブソーバー。

 その心臓目掛けて、ストームガールの手で威力を増した俺の飛び蹴りが炸裂した。


「グオォォォ!? こ、この程度、私の力で吸収してみせます!」


 悪足掻きのつもりなのか、それともこの土壇場でなお諦めていないのか。

 身に纏っていた風や炎が、アブソーバーによって吸収されていくのを感じとる。


「ハアァァァ!!」


 しかし、アブソーバーが吸収できるのは超能力によって生じた風や炎だけで、回転する蹴りの勢いまでは吸収しきていない。

 気力を振り絞って足先に再び炎を宿すと、そのまま奴の身体を貫いた。


「くっ……」


 ……今までの戦いで俺の負ったダメージは、想像していたよりも大きかったらしい。

 何とか地面に着地する事はできたが、無茶な飛び蹴りも相まってかフラついてしまい、その場に片膝をついてしまう。


「……どうやら貴方は限界のようですね。今とどめを刺して――ゴフッ!?」


 胸を貫かれてなお立っていたアブソーバーがこちらに手を伸ばそうとするが、突然動きを止めて口から血を吐き出しながら膝をつく。


「確かに俺も無茶したけど、限界を迎えたのはお前が先だったみたいだな」


 何とか立ち上がって、アブソーバーへと振り向く。

 奴の胸の辺りにあいた穴からは俺の超能力によって炎が噴き出し、その身体を維持する事ができずに崩壊しかけていた。

「ど、どうやら……お、オニの負けみたいですね。し、しかし、オニの意思は必ずや……な、仲間達が受け継ぎ……世界を、ノワールガイストの手中に収めるでしょう!」


 自らの死期を悟ったアブソーバーが、最後の力を振り絞って立ち上がると天を仰ぎながら叫ぶ。


「残念だけど、それは俺が……いや、俺達ヒーロー達が阻止する」


 アブソーバーにそう告げると、奴に背を向けて歩き出す。


「……ノワールガイストに、栄光あれェェェ!」


 アブソーバーが絶叫した後、背後で大きな爆発音が鳴り響いた。

次の話のエピローグで今作は完結になります

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