歴史博物館 中編
まさかの犬鷲が、剥製になって歴史博物館に展示されていた。
心の中では驚いているが、マリーの護衛だし表情は変えてない。
ルイスの説明は続く。
「ただしくは、団長に従った聖獣だったそうです。 処刑後、許せなかったんでしょう勇者に報復に来ましたが捕らえられたのちこのように。」
「なんか今まで私の思っていた勇者様一行のイメージが崩れていきますわ。」
「歴史は残念ながら勝ったほうに、よくかかれます。 勇者ユウト様も賢王である事を努力しました。 奴隷制度をなくしたり、教会に孤児院を設立したり、当時は識字率が低かったのを改善するため平民でも受けれるよう学園を義務制度にしたりですね。 冒険者ギルドという中立組織も作ったのはユウト様であるのは間違いないです。 魔道具開発等も尽力したのも事実です。」
「そうなんですのね。」
「はい、ただマアト様の神罰なのか、ユウト様のお子様の何名かは黒髪・黒目だったようです。
そして、当時はその子供達は赤子の時に処分されたとか。 ユウト様には死産と報告されたようです。 晩年その事実をしったユウト様は、黒髪は悪魔の象徴ではないとして処刑しないように命令したようです。 事実、現在もリラ王女様のように黒髪の子はうまれてます。 一説によると、召喚前のユウト様は黒髪だったが膨大な魔力により髪色がブロンドへ瞳の色も碧眼に変わったと。 リラ王女様は、王族にしては魔力量が少ないので、これもまだ研究中です。」
「では、黒髪の子供はみな魔力量が少ないということでしょうか?」
「いえ、王家のみです。 いまだに、差別はされてますが、迫害対象には徐々になくなってます。 これもマーガレット王妃様のお力もあります。」
「マーガレットも頑張ってるんですね。」
「はい、一度擦り込まれてしまった考えを正すには時間がかかります。」
「それでルイス様が先ほどおっしゃった歴史の事実を知ったときにはもう遅かったという意味がわかります。」
「ガーネット辺境伯夫人様は、聡明な方ですね。」
「こちらが、ユウト様が開発した魔道具です。」
「冷蔵庫、扇風機、オーブン、外灯、ランプ、水洗トイレ、ポットもなんですね」
「ええ、今や我々の生活に欠かせないものばかりです。 そしてこちらが聖剣です。 100%純度のオリハルコンです。 溶解技術もユウト様と当時鍛治師とともに開発したようです。」
「やはり、100%純度が高いと違いますね。 宝石もついて聖剣という名にふさわしいですわ」
聖剣って、あのキラキラ宝石ついて、カッコだけのやつ。 確か、ユウトは、あんまり討伐時に使っていたのをみた事がないから何のための武器だって思ってたなってことを思い出していた。