バルジェラ一行、魔境調査
ノアールを小屋において、魔境の奥を進む公爵令嬢一行。
運のいい事に、数匹の魔物には遭遇したが、複数で1匹づつ相手してなんとか討伐していた。
「はぁはぁ、さすが魔境の魔物ね。 なかなか強くってよ! 負傷者は?」
「軽い傷ですので、ポーションで回復しました。」
「そう、ならいいわ。 で、例の物は?」
「まだです。たぶん奥かと」というエリッサと騎士達の会話だ。
「エリッサお嬢様、その例の物というのは?」と訪ねるエイラ。
「あなた知らないのね。 この地は昔魔王領があったのよ。 今でも多くの鉱石が眠る地。 そして、魔鉱石があるといわれてるのよ。」
「え!あの貴重な魔鉱石がですか!」
「そうよ。 魔鉱石が手に入れば私の剣が作れますの。 そのためよ、行くわよ」とズンズン進んでいく。
「ザイ、魔境に魔鉱石のあるって知ってた?」
「いや知らない。 ノアールは確か深部までいってるがあいつ目が見えないからわからないんだと思う。」
「そうよね。」
「だが、もう引き戻したほうがいい。 この先は、魔物が強くなる。」
「聞いてくれるかしら」とため息つきながら一行の後をおう、エイラとザイだった。
それから3KM付近になる。 魔物に遭遇し、数名の負傷者が更に出てしまった。
「これ以上奥は危険です。 負傷者もおりますから、今日は戻りましょう」というザイに、「まだ目的のものが見つかってないのよ。 まだ進むわよ。 あなた、ここで負傷者と待ってなさい」とエイラにいうのだった。
「わかりました。」と返事をしつつ、「エイラ」というザイの言葉に、「ええ、わかってるわ。」と返すのだった。
◇◇◇
Side:エイラ
エリッサの命令で仕方なく、負傷し動けないバルジェラの私兵2名と一緒にいるエイラ。
心の中では、さらに奥へ進んでいるザイを心配している。
「すまなかった。 お嬢様のわがままで残らせてしまって」というのは、20代前半の足に深傷をおった私兵だった。
「いえ別にそれはいいです。 ただ、ここもいつまでも安全ではないです。」
「我々は魔境を甘くみたようだ」とため息交じりにいうのは、腹部に傷をおった同じく20代前半の私兵だ。
「ええ、その通りです。 まだ今の所、命があるので良いかと。 先に進んだ方の命の保証はありません。」 本当に、魔境の怖さを知らないって改めて気づかされるわ。
「どういことだ?」
「はぁー、ノアールが3KM以内なら大丈夫だと。 つまり、それを超えたらザイだって命の危険があるという意味なんです!」 私はちょっと語尾を張り上げて言った。 彼らのわがままに付き合う此方の身にもなってほしい。
「何! 君達夫婦はイーストエンドのランクSの冒険者だと。 君達の同行があれば命は大丈夫だと。」
「何言ってるんですか。 あなた達のお嬢様がノアールを置いて行くからですよ。 ノアールがいなきゃ、私たちだって魔境の奥にはいけません。 といっても、5KM圏内が限界ですけど。 ノアールがいればあなた達も今怪我することもなかったのに。」と、私はイラつきながらいった。
本当に、何もわかってない。
「そんな、あの欠陥品に何ができるというのだ。」
「二度とノアールを欠陥品と言わないでください! あと、悪霊がでたら私はあなた達を置いて転移しますから」
「あはは、悪霊なんて単なる昔話しだろ。」って言うのは腹を怪我しているほう。
もう、何なのかしら。
「はぁー、無知すぎます。 イーストエンドじゃ常識なのに。 2年前に、イーストエンドの冒険者16名が魔境の調査にいったのはご存知ですか?」
「ああ、確か2名しか生還しなかったと聞く。」
「ええ、その時の生還者が私とザイ。 魔物に襲われたのもありますが、悪霊に襲われたんですよ。 私は転移ができるのでザイを置いて救助要請に。 ザイも死を覚悟した時、ノアールが悪霊を討伐したんですよ。 信じないかもしれませんが、ノアールはザイの命の恩人です。」
「またまた、あんな少年が戦えるのか。 冗談はよせ」って腹を怪我しているほうがいう。
「どう思うかは自由ですがね。」 付き合ってられないわ。
そんな会話をしてたら、1KM先ぐらいで、魔法がはなたれた音が聞こえた。
ザイ、大丈夫かしら。