初めてのクラスへ 後編
Side:マーク
俺は、Gクラスの担任になった。
Gクラスの生徒は、だいたい2極化する。 個性が強い生徒か、遜色もない普通の生徒だ。
今年は、13人が新入生で、留年生は学園を退学した。
自己紹介を聞きながら、文字の読み書きができない生徒、ロビンがこのクラスではある意味実技ではうくかもしれないなって思っていた。 そして最後、後ろに座っている生徒2人だ。 1人は長い黒髪を1つにまとめていて、目はやや釣り目だが大きく瞳の色は金色で、容姿は整いすぎているし、肌はシミのない白。 平民らしくない容姿だ。 こりゃ、容姿だけでモテるな。 もう一人は、暗めの銀髪に大きなクリッとした目に瞳の色は黒で、かっこかわいい系の容姿。 こいつも、モテるだろうなって思ってた。
自己紹介で2人の名は、ノアール・ギブソンにヴォル・バハムートとわかった。 俺のもつリストにも彼らの名は書いてあるが、試験結果はいっさい書いてない。 しかも、2人ともイーストエンド出身という。
イーストエンドと言えば、猛者ばかりで、冒険科でGクラスに配属になるのはおかしい。
俺は、2人の試験結果が記載されてないのは、たまに試験日に到着出来ない事があって記載なしって場合がある。 それなのに、試験を受けたといっている。 しかも、ギブソンは、視覚等の障害もあるという。 だから、Gクラスなのか? にしても、気になる。
俺は午前が終わり次第、急いで冒険科の職員室に戻って、科長室に来た。
「マーク先生、どうしたんだ」
「ギブソンとバハムートのクラス分けの試験結果を聞きにきました。」
「当該生徒が文句でも?」
「いえ、イーストエンド出身者であるがゆえに、疑問に。」
「いくらイーストエンドの冒険者に高ランク冒険者が多いと言っても、全てではないのですよ。 しかもギブソンは欠陥品です。」
「では、科長は彼らの成績をご存知で?」
「私は知りません。 ただ学園長の指示で彼らを飼い殺しにしろと。」
「どう言う意味ですか?」
「万が一、彼らがいい成績でも常に最下位にしろという意味です。」
「はぁー、成績を不正しろってことですか。 教育現場で! 何考えてるんですか!」
俺は、科長の言っている意味がわからなかった。 しかも、ギブソンを欠陥品と教育者が差別する事にも嫌気がさす。 なんで、俺は怒鳴って問い詰めた。 科長の顔色は悪い。
「そんな事私だってしたくないです。 しがない男爵家の当主が、公爵家の命令に逆らえるわけないでしょう。 私が知っているのはこれだけです。 ただ、エドモンド公爵様は、ガーネット辺境伯様を良く思ってないので、イーストエンド出身の彼らへの嫌がらせでしょう。 私の立場も理解しください」
ったく、何考えてるんだ。 お貴族様はよ。
「わかりましたとは言えませんが、俺は正当に評価するとだけいいます」
って言って、科長室を出て行った。
成人まもない平民に、なんでわざわざ嫌がらせすんだよって腹が立った。