学園の入学試験へ 前編
試験当日の朝、馬車で30分かかるらしく、走っていこうとしたがマリーが会場まで行くってことで、俺、ヴォル、フィル、マリーで馬車で出発した。
「ノアール、ヴォル、最下位のクラスでもいいのよ。 無理だけはしないでね」っていうマリー。
「マリー様、俺はノアールが何かやらかさないかのほうが心配ですが」って突っ込むフィル。
「そ、そうね。 ノアール、いい、学園では殺してはだめよ。 骨折までよ」って言われた。 マリー、結構逞しい。
「マリー様、それもですが、ノアール、女子には手をだしたらだめだよ」っていうフィル。
「えーっと、なんか俺、危険人物扱い?」って聞いたら、「ある意味そうっすよ」っていうヴォル。 いやいやお前もだろうが。
「その前に俺 攻撃されたら、女も男も区別できないんだが」
「あ、そうよね。 ヴォル、それはあなたがしっかり言ってあげてね。」
「はいっす。」って元気に返事するヴォルだ。
そんな会話をしつつ馬車到着。 学園についたらしい。
冒険科は、ネイスやキャサリンが通っていた学科とは違くて、同じ敷地だけど別棟らしい。 末端貴族の長男以外や平民が多いとの事だ。
馬車降りてもマリーとフィルはついてくるっていうか、俺の手を握るマリー。
受付にきたみたいだ。
「ガーネット辺境伯様のご子息であれば受付は、ここではなく、貴族専用です。」って女性の声。
「違うのよ、旦那様が成人になるまで後継人してた、ノアール・ギブソンと友人のヴォル・バハムートが冒険科の試験を受けるので付き添いにきましたの。」というマリー。
「はい、受験票を」って言われた。 あれ、持ってないぞ。 マリーが持ってたみたいで確認してた。
「ノアール・ギブソン君は、372番で、ヴォル・バハムート君が373番です。 午前が筆記で、午後に実技で魔力検査、魔法テスト、最後が剣術です。 午前の試験会場はここです。」って地図さしてるよ。
「ノアールは、視覚障害があるので筆記は読み聞かせてでおこなう事になってますよ」ってマリーが強めの口調。
「あ、す、すみません。 ここの1階の生徒指導室です」ってまた地図で説明。
「はぁー、目の見えない子に地図みせても意味ないでしょう。 ヴォル、場所はわかったかしら?」
「うん、わかったっす。 兄貴部屋に連れてから、俺は俺の場所に向かうっす。 試験終わったら兄貴むかえにいくっす」って返事だ。
「ヴォルが賢くてよかったわ。 フィル」っていうマリー。
「ノアール、ヴォル、料理長が昼食にってお弁当作ってくれたんだ。 お昼にたべなね。」ってバスケットを渡してくれた。
「ノアール、ヴォル、これで当分お別れですわ。 私は、もうすぐイーストエンドへ帰ります。 学園の休みの時は、絶対にもどってくるのよ。」って言われて抱きしめられた。 大丈夫だって、毎晩もどってるし。
「うん、マリー、イーストエンドのほうが楽だからもどるよ。」っていったら、離れてくれた。
「試験がんばってね♪」って言われてようやく解放だ。
筆記会場に向かいながら、「マリーさん、兄貴のこと好きっすよね。」っていうヴォル。 「なんだろうな。 過保護だよな。」って苦笑いした。
◇◇◇
ヴォルに部屋につれてかれ、俺1人だけの筆記会場。
座ってペンだけだしておく。
≪まともに試験受けさせてくれるといいな≫
(はは、無理じゃねー)
って入ってきた人間の色は嫌味なやつが持つ色だ。
「お待たせ、君が欠陥品だね。 いくらガーネット辺境伯がっていってもね視覚障害の子を入れるって。」って男がいいながら、解答用紙を渡された。
「試験時間は他と同じね。で解答用紙は白紙だから試験科目書いて、問題の番号記入後回答かいてね。」って言われて始まった。
絶対他と同じ時間じゃねぇーだろってつっこみをいれたいくらい、回答を書く時間の間が短い。 数学いや算数はわざと数字を間違っていい、訂正がはいる。
歴史もおんなじだ。 魔法学も演唱魔法を全文書かせるが、書く時間が短い。 最後の理論だけ長いくらいだ。
しかーし、ありがとう俺の前前世よ。 問題の傾向と対策ってやつで全部回答かいた。 あとは、こいつの言った問題があっているかの違いだ。
んで、時間だっていわれて回収されて男は教室から出て行った。 1時間半ぐらいで5科目だぞ。 んでやっぱり、ヴォルがこない。 それから、1時間ぐらいサタンと喋っていたらようやくヴォルの気配。
「兄貴、1人っすか?」
「ああ、1時間前に試験官のやつが回答もってさっていった。」
「え! 試験3時間で、終わった人から退席だったんすよ。 俺、ちょっと早めに終わって兄貴を待ってようと思ってきたんすよ。 午後の試験会場ききました?」
「いや、それも聞いてねぇー」
「人間って奴は。 まぁ俺、聞いたんで、とりあえず飯食いましょう。」
「ああ、あんま人間こない所いこう」
って言って、建屋から離れた所で食べた。
なんでって、一服したいし、料理長のご飯を面倒な人間に邪魔されたくないからな。
≪ノアール、本当に人間不信だな≫
(ああ、完全には人間は信用しないな)