ノーミスの宿
今、俺は宿屋の部屋で物凄く機嫌が悪い。
「お客様、その、あのですね、こうなった以上、ふつつかな娘ですがよろしくお願いします。」って宿の店主がいう。 意味がわからん。
「はぁー、お前馬鹿か。 人が風呂に入ろうとした所を勝手に部屋に入ってきて風呂場にきたんだぞ。 この宿は、客のプライバシーってのがねぇーのかよ。 鍵かけてんのに、開けといてそれこそ不法侵入だろ。 なにか、この宿は勝手に客の荷物とかまで盗んでんのかよ!」
「いえ、そのような事はなく、ただ娘はギブソン様が視覚障害と聞き心配になったまでの行動です。 ただ、そうは言ってもうら若き乙女の肌に触れたわけですから、責任を取っていただかないと。」とぬけしゃあしゃあと言ってきた。
「はぁー、さわるかよ。 こっちは、靴はいたまま蹴り飛ばしただけだ! 逆にお前らが責任とれよ! もういいわ。 こんな宿いれるか!」って叫んで、さっさと宿を出た。 なんか喚いてたけど、無視だ無視。
そしたら、ちょうどザガリーが来た。 騒ぎを聞いて、宿の定員がザガリーに連絡したみたいだ。
なんだこの町、変だし、腐ってるだろ。
「ノアール、なんか大変だったみたいだな。」って、笑いながら言われた。
「ああ、人が楽しみにしてた入浴に邪魔が入って蹴り飛ばしてドア粉砕したらよ、店主が責任とれとかいいやがんの」
「あー、あそこの娘、面食いでしかも金持ちに集るからな。 お前、支払いギルドカード使ったろ、それで余計にだな。 まぁ寒空だ、別の宿を案内する」って言われて案内してもらった。
料金も安めで、風呂もついてた。 しかも、中年夫婦が経営してるらしい。
視覚障害あるけど、普通の生活出来るから心配しなくていいってザガリーが言って納得してもらった。
もう、なんだかな。 散々な1日だって思いつつ入浴。
サタンが実体化してくれて思いっきり飽きるまで抱いた。
(森の中が平和だな)
≪ノアール、それもありかもな≫
って会話した。