王都への道のり 後編
王都への旅路は、それなりに今のところ順調。
途中、オークの集落発見して潰したり、ジャイアントタイガーとかビックベアとかもだ。 もちろん夜中に悪霊もくる。 残念ながら俺の感覚を奪ったやつではない。
「あと2時間ほどで最後の町、エイダです。 商人の街とも言われていて様々な物資が1度ここに集約されます。 闘技場や賭博もあったり表裏一体ですね。」というフィル。
「ザックが前に言っていたみたいに人身売買もあったり、盗賊が多いっていうのがこのエリアか?」って俺が聞いた。
「ああそうだ」ってザックがいう。
前世の時も奴隷制度はあった。 だいたい犯罪奴隷、捕虜した魔族、鬼族、吸血鬼族だった。
召喚されたユウトは、元いた世界で奴隷制度はなく反対してたな。 前世の俺はスラム出身だ。 奴隷は貴族だけ買える制度だから見向きもしなかった。 魔王領に入って真実を知るまでは、無知って怖いっておもったな。
サウス帝国は奴隷制度を廃止している。 イースト王国もそうだ。 とは言え、犯罪者は無償労働か剣闘士で娯楽のため闘技場で戦っているらしい。 女は娼婦行き。 その中には、圧政している領で税金はらえず子供を売ったり、盗賊達に捕まったやつが人身売買で売られているのもいるらしい。
そんな事考えてたら、4KM先でなにやら人間達が争っている。
「ザック、フィル、この先で人間達が20人ぐらい戦ってる。」
その周りにも10人ほどが1KMの範囲で包囲してるいるけど。
「盗賊が襲ってるのかもしれないですね。」っていうフィル。
「ノアール、区別できるか?」って聞かれた。
色があんま違いない。
「無理、全滅ならできるけど」
「そうか、目視できないと無理だな。 フィル」っていうとフィルが馬を走らせた。
「あれは、エイダス公爵の馬車です。」ってフィルがいう。
「ノアール、硬い鎧きている奴以外が盗賊だ。 区別できるか?」
「うん、この位置なら」
「よし、行ってこい。 俺らも後で合流する」
って言われて、飛び出してそいつら15人ほど殺して、周りにいたやつも殺しておいた。 魔弾が降ってきたけど、かわす。 これが銃の使い方か。
≪銃の乱射を意図もせんとはな≫
(俺の前世の中で対人戦ばっかりしてたっていっただろ。 その時も銃はあったし、魔弾ではないが鉛が弾だったんだよ。 魔力なら検知は楽だ。 鉛だとさすがに見えない俺はギリギリまでわかんねぇーと思う。)
≪なるほどな、俺も人間の魂食って気分がいい。≫
んで、ザックの所に戻った。
「ノアール、お前どこ行ってた?」
「うん? ここの周辺にも10人ぐらい人間がいたから殺してきた」
「そうかってお前外装ボロボロだぞ!」
「銃乱射してたからかも。 俺には当たってない」っていう間に、ザックが俺の身体みている。 痛覚ないから、傷ついてもわからん。 って自動回復するから問題ない。
「怪我はないみたいだな。 外装だけ着替えろ」ってザックに言われて着替えておいた。
なんか、残ってた人間と話していたフィルが戻ってきた。
「あの馬車に乗っていたのは、エイダス公爵令嬢のジェシカ様だ。俺たちと同様で王都に向かう途中だったようだ。 ただ、護衛騎士が半分以上盗賊にやられたようだ。 馬車の中にジェシカ様とおつきの侍女、のこりは護衛の3人だ。 一旦エイダの街に戻る事を提案したが、俺たちに護衛を依頼してきた。」
それ面倒じゃねぇー。 皆いい色してないし。
「フィル、それは無理だ。 ノアールの様子がおかしい。 行きがかりで助けたが、ノアールが盗賊と騎士の判別ができなかったほどだ。 ノアールがそこまで警戒心もっている人間の護衛なんてむりだな。」っていうザック。
そしたら馬車から人間が降りてきた。
なんだこいつの色。
≪ノアール、あれは悪魔と取引した人間の魂の色だ。 っていっても下級悪魔だな。≫
(へー、この国にもいるんだな。)って考えながらザックが俺をザックの後ろに隠してる。
≪ザック、魅了耐性を付与しとけ≫ってサタンがいう。 とりあえず言われた通りにしたけど何が起きてるんだ。