王都から来た魔境の調査隊 中編
Side:???
僕は王都の名門の学園を首席で卒業した。 兄が家督をつぐから、王家の15歳の第一王子の近衛兵になるべく軍士官学校へ経てようやく魔法騎士団の精鋭部隊副隊長にまでなった。 若き天才魔法剣士ってよばれるほどだ。
王命で僕たちは、今、王都精鋭をあつめた騎士、魔法剣士で魔境の森にきた。 王子の成人の儀に合わせて魔鉱石の採取だ。 それも全て、バルジェラ公爵が前回の依頼を失敗したからだ。 まぁ、あの時いった女は、剣術は学園で10位だった。 魔法剣士大会、普通は高位貴族は出場しないのが暗黙の了解なのだがあの女は出場して準優勝だったと鼻高々になって言っていた。
今、僕たちがこんな辺境まできてるのも、もう一度いう、全てあの女とバルジェラ公爵の失敗のせいだ。
過去、冒険者たちが3KM圏内以上を進んだ事ないという事で、今回は夜営も含め僕の上官がスケジュールを組んだ。 僕は侯爵家の次男、いくら副隊長といっても権限はほとんどなく、上官の言われた命に従うだけだ。
魔境の森の入口にある小屋で、案内人のバルジェラ公爵の私兵2人が馬からおりて少年と会話している。 案内人、時間の無駄だ。 なのに、あの2人は馬を少年にあずけた。
「もう一度いいます。 この先は危険です。 馬も通る事ができません。 なので馬は、ここに置いて徒歩で行くべきです。」ってバルジェラの奴がいう。
なるべく早く目的地にいって、任務を達成したいんだ。 馬鹿なことを。 やっぱり上官が拒否した。
魔境の森に入って1KMほど先に進んだ所で馬が暴れだした。 仲間たちは落馬したり、荷馬車の馬は、かって出口に向かって走りだした。 僕はかろうじて落馬を回避。
そして怪我のない仲間達は、バルジェラ公爵の私兵と共に奥へすすんでいる。
「おい待てよ!」って自分の場所をみたら窪地にいる。 這い上がろうとしても、頭上に魔物がいる。
体勢が悪くて、腰に下げていた剣が抜けない。
あー、もう終わったと思ったら、女神の助けか魔物が黒い炎で討伐された。
誰か知らないが”あー助かった”と思って、見上げたら小屋にいた少年が僕を覗き込んでいる。
「あー、助かったよ。 礼をする」って言ったら、僕が視野に入ってないのか、目線があわない。 なのに、僕は少年の金色の瞳にすいこまれた。
そ、そして、彼の剣が僕の胸につきささった。
「な、なんで」
「お前らが馬からおりなかったからだ。 たく、魔物に馬が喰われちまっただろ」
意味がわからない。 そのまま僕は、血をはいた。 意識が暗くなる、僕は、殺された。
≪お前内面よどみすぎだ。 いただきます。≫
◇◇◇
Side:ノアール
1KM過ぎたところで魔物遭遇で、馬は逃げまとい、負傷したものの動けるものはフィリップ達と合流して奥にいったようだ。
俺は、負傷して転がっているやつを殺しつつ魔物もころす。
馬だけは逃すが、何頭かは魔物の餌食に。。 ちっって舌打ちした。
「来たくない所に来させられて、今、楽にするな」って馬を殺した。 馬の魂は、サタンも食べない。
人間がまだ窪地にいる。 窪地の周りには魔物がいるから、殺ころして、サタンが魂をたべてる。
(サタン、こいつ内部が黒いけど、食べるのか?)
≪食わせろ≫っていうから心臓さして魔神の炎でもやす。
たまにサタンから返事がない。
(サタン、あんまり悪食もよくないかと)
≪ああ、さっきの人間、表は優秀で裏では醜悪でな。 まぁまずいが、ちっと表面を舐めてた。≫
(それは、わかるが、まぁ食べたくない魂は食うな)
≪それは、ノアールが無駄な殺生をしたくないからか?≫
(何を言ってんだサタン。 俺はもともと殺しばかりの人生がほとんどだ。 無抵抗な奴にって思うが、魔境じゃ食うか喰われるかだろ。 だったら殺すのも無駄な苦痛がないほうがいいだろ。 俺はお前が無理して不味い魂食う必要ねぇーっていってんだ)
≪あっははは、俺がノアールを見誤ったな。 それはない、俺も選んでたべるから案ずるな。≫
ああそいかい。




