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【不遇転生】魔神と俺~人生ハードモードだけどせめて平均寿命まで生きたい~  作者: 八木恵
2章:少年期(イーストエンドでの生活)
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魔境の森に戻る前に、お買い物

ザックと街で買い物。 王都の調査団がくるから、小屋滞在中の食料と水分の確保だ。

俺の街に行った時の楽しみの1つである武器・防具屋にもよってもらっている。


「ザックにノアール、またきたのかよ」っていうのは店主のドット。

「いいだろ、新人冒険者の装備一式はここで用意させてんだからよ」っていうザック。

「そりゃ贔屓にしてもらってるが、ノアールは買わないのによく来るよな。」って文句言われた。

買う物はないが、ここも俺の勉強時間だ。


「銃は気になるのか?」

「うん、使う用途があんま俺にはわからないけどな。」

「これも迷い人の開発したものだ。 魔力込めてトリガーを引くと魔弾がでる。 遠距離には、スコープ付きのライフルだ。 今、イースト王国は戦火じゃねぇーが、戦争時には有効だな。」

そうだろうな、と思いつつ何気に片手剣をもった。

「いつも思うけど、武器はみんな同じ形だな。」

「ああ、製鉄技術が発達して、量産型の剣はみな鋼鉄に付与魔法がついているのが多いな。 これも迷い人が技術伝授したんだ。 だが、ザイみたいな魔法剣士だと、特注で鍛治屋につくらせるけどな。」


なるほどな。 製鉄技術も迷い人なのか。 だから、みな同じ形してるんだなって、俺は片手剣をもちながら考えていた。


「おい、ドット。 ノアールにザイの武器に使ってたインゴット触らせてやれ」

「ザック、いくらお前の頼みでも故人であっても上客だったザイの武器は俺は二度と作らないんだよ」

「ノアールはザイの養子だ。 武器じゃなくて、インゴット。 素材だよ、素材。 ちょうどいいからノアールに鉱物を教えるためだ」っていうザック。

「そういう事か。 なら、ちょっと待ってろ」っていうトッド。


木箱を何段か重ねて持ってきたトッドだ。

「ノアール、こっちこい」って呼ばれてカウンターまでいく。


トッドが、俺の手の平に鉱物をのせてくれる。

「これが鋼な」、「でこれが鉄」って感じだ。

「魔法剣士の多くの武器につかうのがミスリルだ」ってのせた。

うん?、純度が悪いな。


「この店には置いてないが、他にオリハルコンっていう鉱物もある。」

「ザイの武器はミスリル30%、鋼40%、鉄20%とチタン10%だな。」

「おいおい、ミスリル30%ってあいつ何考えてたんだ。」って驚くザック。


「だから上客なんだよ。 ノアール、いいか通常の魔法剣士のミスリルの量はだいたい5%から多くて15%だ。 ミスリルが高価ってのもあるが、ミスリルを扱うのに高度な魔力操作が求められるからだ。 武器のミスリル量が多くて魔力操作が下手だと、武器をあつかうとき暴馬になっちまう。 

 ザイは高度な魔力操作で、暴馬を扱ってたわけだ。 俺としても魔境へ行くたびに剣折ってくるから、オリハルコンさえ手にはいれば強度は増すし威力もあがんだがな。 オリハルコンは、手に入れたくても手にはいんないしよ。」って、トッドが説明してくれる。


「ノアール、オリハルコンっていう鉱物は、貴重で今や王家御用達の鍛治屋でしか扱えないんだ。 溶解にまぁ10億度の熱が必要ってのもあんがな。 だいたいが王家の献上品だ。 

 サウス帝国には、純度100%のオリハルコン製の大剣、聖剣が今もあって勇者ユウト様の剣だそうだ。 ウェスト国には、純度100%ミスリルのバスターソードがあってこれはタイガ様の剣だったと。」って、ザックが補足してくれた。


「それだと、そのタイガ様は物凄い暴馬を使ってたのか?」


「ノアール、いい所をついた。 今、市場に出回るミスリルは、純正のミスリルじゃないんだ。 他が混じってるんだが、いくら溶解してもミスリルに付着した不純物がとれねぇー。 そいつのお陰で暴馬になっちまう。 俺も鍛治師だ、しかも魔境に近い土地だからなせめても不純物をとるよう暇があれば研究中だ。」ってまたミスリルを俺の手にのせた。


「こっちが市場で出回ってるやつだ」

おいおい、さっきより粗悪だ。


「うん、さっきより質が悪い」って言ったら、

ドットがガシガシ俺の頭撫でながら「ノアール、よくわかったな。 感が鋭いって聞いてたけどな。 今の所の俺の成果だ。」っていう。


「見た目じゃわかんねぇがな」というザック。

「職人しかわかんねぇーよ。 純度100%のミスリルをみれば改善できんだがな」


実際、俺の次元ボックスには、純度100%のミスリルにオリハルコンが入ってるが、出所を言ったら俺に害はあっても利にはならない。 結構俺って人手なしか。 まぁ今までの経験で人を信用しないだけだ。


「最近、ギルドで魔境の調査いかねぇーよな。」と愚痴っぽくいうトッド。

「ザイとエイラが亡くなって、その前も結構な高ランクの冒険者が死んじまったからよ、高位冒険者が育ってねぇーんだ。 マスターも駆け出しのAランクには無理だってな。 なんで、当分、育つまで素材は降りてこないよ」

「はぁー、そうか。 魔境の魔物の皮は防具には最高級なんだがな。 ここの在庫もあとわずかで、特注でしか捌けないんだよ。」


「魔境の魔物の皮って防具につかうのか?」って俺が聞いてみた。 知らなかったからだ。

「ああ、ザイとエイラが、ときより討伐しておろしてたんだ。 その前は半年に一度、魔物の調査隊が行ってたからな。 その時に討伐した魔物の皮を卸してもらって、防具の素材にしてたんだよ」と説明するザック。

「なら、俺もってるけど。」って、俺の次元ボックスには大量にあるから言った。

「なに! 売ってくれ!」っていうトッド。

「ザイとエイラにもらったものか?」っていうザック。 あっそうだった。 俺が魔境の森で暮らしているのは秘密だった。


「うん、けど俺いらないし、ベルグに言えばいいのか?」

「そ、そうだな。 トッド、マスターに言っておくから後日この店に卸してもらうように手配するでいいか?」

「ああ、かまわねぇー。 てかマジ頼む」というトッドだった。


その後、店を出てマスター室にいるベルグ会って、次元ボックスから、魔境入口付近の魔物10頭分の毛皮をだした。

ベルグとザックが呆れてるが、いやいやもっとあるし、肉は食料だからとってある。 

あとはベルグにトッドの店に卸してもらう手筈をお願いして、俺はその日から魔境の小屋へ向かうことにした。


(にしても、現状の鉱物事情がわかって良かったな。)

≪それよりも、勇者どもは魔鉱石から武器を作らなかったのか?≫

(あの時代、貴族どもは魔鉱石から作るけど、貴重な鉱物から武器を作るってのも流行だったんだ。 防具もそうだがな。 魔鉱石から作った武器は、壊れるか持ち主が死亡すると消えちまうから、なんていうのステータスだったり遺品として残したんじゃねぇーの。 俺の場合、刀を作れる鍛冶師がいねぇーしな。)

≪なるほど、そういう事か。 ちなみに、ノアールの愛刀は何代目だ?≫

(武器を壊すのは己の実力が乏しいって前々の前世でいわれていてな、なんかそれを引きづったのか、魔鉱石の刀は初代のままだ。 だから愛刀なんだよ)

≪そのくせ、大量に魔鉱石やら鉱物集めてるよな。≫

(ほら、魔境にいったけど、結局鉱物ありませんでしたっていうの面白くねぇ? だいたい目につくやつ回収済みだしな。)

≪かはは、面白いな≫

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