魔境の調査依頼
俺も13歳になり数ヶ月経過したある日。
ちなみに、13歳になったとき、ベルグとマリー、ザックそして屋敷の人達が祝ってくれた。
ベルグからは、短剣と剥ぎ取り用のナイフ、マリーからはマフラー、ザックからは外装とブーツをもらった。
今日はベルグも休みだ。
毎日活動する俺を見てマリーが、休息日も必要って事でベルグの休みの日は俺も休みになった。 夜はサタンの食事で、魔境にいくけどな。
3人で庭園でピクニックってことで昼食たべている。
料理長の腕はいいみたいだ。 味覚カムバックだよ。
魔境で悪霊に出くわすが、俺の奪われた感覚をもった奴には遭遇していない。
「旦那様、王都からの使者です」ってマーカスが走ってきた。慌てている模様。
なんかベルグが手紙をよみ「応接へ通しとけ。 あと、ノアールもきてくれ」って言われた。
応接にベルグといく。
あの時の人間かって思った。
「フィリップ団長にグリフ騎士、待たせたな。」っていうベルグ。
「ガーネット伯爵にノアール君、お久しぶりです」って挨拶するフィリップだ。
「して、王家の使者がバルジェラ公爵家の者とはどういうことかね」っていうベルグ。
「先のバルジェラ公爵家の対応につき再度お詫びします。 この度、王家より王都の騎士、魔法剣士総勢15名が魔境の調査、今回は魔鉱石の調査に向かうとのこと。 バルジェラ公爵には案内役として私とグリフが向かいます。
ガーネット伯爵家からも可能であれば案内にを出すようにという命がでております。 それで、ご協力をいただきたく、本来であれば王家の使者ですが私の方で代理でやってきております。」
「王家も、魔境の恐ろしさがわからぬようだな。 わざわざ死地へ赴くとは。」
「王都のギルドも苦言をし、王都のギルドは冒険者の派遣を今回拒否しました。それ故、ギルドへの依頼ではなく、今回、このように王命が出た状態です。 私もグリフも逆らうことは出来ず、こうしてガーネット伯爵様へご協力を考えております。」
「フィリップ殿は、ノアールを連れて行きたいということだな。」
「ええ、彼ほど魔境に詳しくものはおりません。」
「ふん、よく言うわ。 ザイとエイラが生きていれば、ノアールの同行を許したが、イーストエンドで、ノアールを知りかつ魔境へ入れる者はおらん。」
「ザイ殿とエイラ殿の死は私も聞き、彼らほどの強者がウルフの森で魔物に殺されるとは今でも信じられません。」
ベルグがワナワナ震えているようだ。
「どう話しを聞いたか知らんが、ザイとエイラは猛毒で殺されたんだ!
あまりに不審な死で、バルジェラ公爵、ギルド全てに報告した! 毒の種類も鑑定してだ。 しかしイースト王国で原生していない種類、ドウクツキで、サウス帝国でも滅多に生息していない!」と怒鳴った。
「まさか!」と驚くフィリップ。
「なんだ?」って、ベルグはもの凄く不機嫌だ。
「いえ、我が主を疑う発言になりますが、公爵家には当主に直々に仕える影がいると噂で聞いております。 その者達の何名かがサウス帝国からの亡命者とも。」
「フィリップ団長、その話は他家には秘密だろ。」ってグリフがいう。
「グリフ、いくら秘密でも、ザイ殿、エイラ殿に我々は多大な恩があり、ガーネット伯爵様にいたってはあの時我々の失態を目につぶっていただいておる。 それにノアール君にとっても家族を失ったのも同じ。 憶測であっても知る必要がある。」
「それ伝えたら、フィリップ団長も命の危機に。」
「何を今更。 魔境に行かないと行けない我々は、既に死ににいくのも同じ。 公爵様からの命を聞き、我らは既に捨て駒だ。 なんせ、工程に魔境での夜営があるんだからな。」
「フィリップ殿、公爵様の影について良く話してくれた。 まず礼をいう。 暴くのは無理だろうが、我々も警戒しよう。 それより、魔境で夜営とは?」
「はい、今までの魔境の調査報告は全て日帰り。 故に、まだ3KM圏内のみです。 その範囲では魔鉱石は見つかっておらず、今回は北東へむかい奥地を目指すという工程。 といっても奥地までどの程度はなれているか不明ですが、約1週間の滞在となっています。」
「はぁー、なぁノアール、呆れてすぎて、わしは何もいえないが」って、ベルグが言う。
「俺もそう思う。 ザイの戦闘能力で行けて5KM圏内だった。 それも日中でだ。 夜は、更に魔物が活性化するから強くなるし、それに火をおこせば格好のいい餌食だ。 数十匹単位で襲われる。 初日で全滅だ。」って言っておいた。 魔境っていうのをやっぱりわかってないんだな。
「ま、まさか、そんな事に! ちなみにノアール君は、どう魔境で生活をしてたんだい?」
「今思うと多分夜活動して日中寝ていた思う。 休む時は、だいたい木の上か洞窟とか。 魔物がきたらすぐ戦えるようにしてた。 それに、3KM圏内超えると日中でも魔物の格が数段階あがる。
ザイが持っていたような武器に魔法のせて戦うしかないけど、ザイが2頭倒せば武器が使えないっていってた。 都度エイラに身体強化の付与してもらってだ。 エイラがいってたけど、攻撃魔法とか弾くみたいだ。」
実際、幼少期、休む時はサタンに結界はってもらってたし、俺も魔法が使えるようになってからは侵入禁止の結界はってやすんでたけどな。 俺がどう生活していたかは、いちいち教える情報でもない。
「ザイ殿の戦闘能力をもってしてもそうだったとは。 つまり、我々の戦闘能力では、3KM圏内が限界で3KMを超える事ができないという事か。。 グリフ、我々に出来ることは初日で撤退を余儀なくするしか生き残る道はないようだ。」
「ああ、そうだな。」と返すグリフ。 彼らの声は意気消沈しているようだった。
「ガーネット伯爵にノアール君、今日はわざわざ時間を割いていただきありがとうございます。 二度とお会いすることはないですが、もし生還しましたらまたご挨拶に。」
「ああ、検討をいのる。 来週からだったな、魔境にいくのは?」
「はい、その通りです。」
「わしはギルドマスターとしてギルドにいるとしよう。 救助要請であればギルドは協力しなきゃいけないからな。」
「そのお言葉だけで、感謝いたします。」といって礼をして応接室をでていった。
◇◇◇
俺とベルグは特に彼らを送りだす事なく応接室にいる。
「可哀想な青年だな。 ノアール、出来るなら彼だけでも助けたい。 来週から小屋で待機しておいてくれないか?」
「うん、わかった。」
(人間も難儀だな。 魔境の魔物を倒せる武器が魔鉱石から作る魔武器だけなのに、魔境以外の採掘場は枯渇。 唯一ある場所が魔境の奥地だ。 あとは、ミスリル100%製か、オリハルコン製でもなんとかなるなぁ。 まぁ、サタンにとっての食事もあるし、王都の騎士達がどれほどか楽しみだね。)
≪ククク、楽しみだ。≫