ゴブリン盗伐
Side:ザック
ノアールにゴブリンの集落討伐に行かせた。 コボルトの盗伐結果をみて行けると踏んだが、教師としては失格だな。 ノアールは、12歳、しかも障害がある。
行けっていったら喜んで真正面から行きやがった。
おいって声かけようとしたら両手に2本の剣、いやありゃ刀だ。 流れるように素早く、軽い身のこなしであいつが通り過ぎたあとは、ゴブリンの緑色の血吹雪だ。 俺は武者震いとともにゾクゾクとワクワクがとまらねぇ。
◇◇◇
「ザック、終わったぞ」って俺が声かけた。
沈黙?
「…悪い、お前の剣技に見惚れちまった。」
ふーん。
「魔石も回収したけど、これでいいか?」って聞いた。
「ああ、ちょっと見せてくれ」って言われて小袋を渡した。
「この大きさって、ゴブリンキングじゃねぇーかよ。 お前たおしたのかよ」
「ザック、何言ってんだ? 俺以外だれが倒すんだよ。 それに武器大振りだったから余裕だったぞ」
「あはは、ノアール、お前、俺の想像遥かに超えてたわ。 お前の武器って刀だろ。 古文書でみたことあってな。 もしかしてお前の剣技の流儀って、ウルハ水流儀か?
「はぁーあ、なんだその流儀名。 俺の剣術は自己流だぞ!」
「あー、まだ話してなかったな。この国の初代国王トリス様の師匠の流派の名前だ。 その師匠って方は、不名誉な死だったがトリス様含め彼を師事した弟子が師匠の流儀を極めようとしたが無理だったと。 その師匠の愛刀が剣でなく刀だったって言われててな。 たまたまお前の持つ武器が刀ってのに似ててな。 ついつい興奮しちまった。 もはや廃れた流儀だしな。」ってガハハて笑っていた。
(トリス、何してんだよ。 お前を弟子にした事ねぇーし。 片手剣、両刃剣、バスタソード、レイピアとかが一般的な武器で、俺の剣術使えるわけないだろ。 遊んで真似してたのはみてたけどよ。)
≪ははは、ウルハってのはお前の前世の名字か?≫
(ああ、そうだよ。 まじ驚いたわ。 勝手に流派つくるんじゃねぇー)