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【不遇転生】魔神と俺~人生ハードモードだけどせめて平均寿命まで生きたい~  作者: 八木恵
1章:幼少から少年期(魔境での生活)
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ザイとエイラ

それから1か月後、ノアールの住む小屋のドアが叩かれる。

(ザイとエイラじゃない。 マスターだ。)


「ノアール、わしだギルドマスターのベルグだ。 お主がザイかエイラしか家にいれないのは知ってる。 だが、ザイとエイラについての話だ、頼むから開けてくれ」

と何度も叩く。


ザイとエイラの事? まだ武器屋連れて行ってもらってないや。

仕方なくドアを開けた。


「ノアール、ありがとうな」と言ってベルグが中にはいる。

「紅茶のむ?」と聞いたら、「そういえばザイが声が出るようになったといったな。 紅茶をいただくよ。 発音はまだ辿々しいとはきいたが」といいながらダイニングに座るベルグだ。 声色で驚いたみたいだ。


俺は紅茶をいれながら、「発音、エイラが教えてくれた。 毎日、練習してる。」といい、カップに注いで渡す。


「そうか。いただこう。」といい紅茶をのむマスターのベルグ。「美味しいぞ」と言ってくれた。

「ザイ、武器屋連れて行ってくれる、約束した。 でも来ない。 忙しい?」

≪ノアール、何で片言なんだよ≫

(発音ままならねぇーやつが、急にベラベラ喋ったらおかしいだろ。 演技だよ!)


「ああ、その件だが、先週ウルフの森の討伐任務に行ったっきり戻ってこなくてな、捜索に行ったところ2人の死亡が確定した。 遺体は、ウルフに食い散らかせて酷く損傷しておったが、死亡原因は何者かによって猛毒をもられたようだ。 なんせ、彼ら遺体を食ったウルフまで周りで死んでいた。 と言うのもわしも捜索にいったからな」ベルグの声色は悲しげだ。


(ザイとエイラが殺されたってことかよ。 あいつら白くてザイは大きかったのに。 白は俺に害さない色だ。 一回も色は変わらなかった。 サタンも彼らの魂は、淀みがないって捕食対象外だって)

≪正しいは、純度のいい魂は、魔神にとって害になんだ。 そういう魂を食っちまうとここの神に俺がいる事がバレるからだ≫


「なんで、ザイとエイラ 死んだ? 殺された?」

「ノアール、落ち着け。 魔力放出するな」


無意識に魔力放出したらしい。 自身の感情を抑えた。

「まだ調査中だ。 が、この前の魔境の調査が関わっているかもしれん。 わしの憶測だ。 わしがここに来たのは、ザイとエイラの遺言を伝えるためだ。」


「遺言?」


「ああ、冒険者は死と隣り合わせだ。 もしもの場合、遺産相続として遺言状を残す決まりだ。 ザイとエイラには子供がいなかった。 もし両者に何かあった場合、彼らの全財産をノアールに譲ると書いてあった。 ノアールが未成年、つまり15歳未満の場合わしが後継人となり可能な限り教育を受けさせてほしいと。」


「教育?」


「ああ、ノアールの将来を案じていた。 ノアールは魔境の事は詳しいが、この国のこと、他国、歴史や地理など知らない。 だから教えてほしいと。 それに、ノアールの秀でた戦闘力が国や貴族達に良いように利用されないようにだ。」


あーそ言えば、前世も結局王族やら貴族にいいように嵌められたんだったな。 ザイとエイラはそこまで考えてたのか。 無知ほど愚かなりだったな。


「うん、俺 学ぶ。」と承諾した。 目が見えないんじゃ本を読むことすらできないから諦めてたしな。


「そうか。 イーストエンドのわしの家に一時くらさないか? 既に家族にも言ってあるし、家庭教師も準備してある。 さすがに非戦闘の家庭教師がここに来るのは無理なんだ。」


まぁあそうなるよな。

「うん、わかった」と承諾した。


「ここを片付けて、さっそくむかおう。 で、その前に、ザイから魔鉱石の話はきいたか?」


魔鉱石って、魔力流すと自分の武器になる鉱物だよな。 んなもん、前世の時は簡単に手に入ったし、次元ボックスにも当時のがはいっている。 魔境の奥にもゴロゴロあったな。 ミスリルやオリハルコンは奥地の洞窟で見つけたから採取しちまったけど。 ミスリルやオリハルコンに比べて希少価値のない鉱物のはずなんだが。。


「聞いてない。 なんで?」

「そうか。 ノアールは目が見えないからな、聞かなかったのかもしれん。 魔境の調査にきた一行の本当の目的は、貴重となっている魔鉱石の採取だったようだ。 魔境のみ存在しているかもしれないという話だ。」


(おーい、この世界では魔鉱石て貴重なのかよ。 俺の愛刀、魔鉱石から作ったんだが。)

≪ほう、だからお主のは剣ではなく刀だったんだな。≫

(ああ、前世でも俺だけだったよ、刀になったのは。 しっくりきたから良かったけどな。 今となっちゃそれ以前の前世さんが扱ってたのが刀だったからそれひきずったんだろうな)


「うん、俺、わからない。」

誤魔化しておこう。 そのほうが安全だ。


「そうか。 では、支度してむかおう」って事で服とかだけ次元ボックスに入れた。 

小屋は結界はっておいた。 ザイとエイラが作ってくれた小屋だしな。

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