別れ
もう俺死ぬな。
なんか花畑、懐かしい満月草の匂いだ。 今日は満月か。
「ノアール、気づいたか?」
「ぐはぁ、サタンか。 よくあの爆発から、はぁはぁ抜けたな」
「われの事は、ルシファー。 ルーシって呼べと約束したではないか」
そうだった。 イーストエンドで、女バージョンのサタンとセックスしたあとのんびり初めてベットで長く語ったな。 サタンの別名はルシファーで堕天使だった。 父である神と喧嘩して負けたルシファーは、サタンとして地獄の神として魔神になった。 元は女神だった。 サタンでベースは男にさせられて、俺とセックスする時に本来の女体になれたらしい。 俺としても2度とケツほられるの勘弁だって拷問の時の話したな。 お互いに笑った。 ルシファーだけど愛称でルーシって呼んでほしいって言ってたな。
「ごぼ、はぁはぁ、ルーシ」もう精一杯だ。
「ノアールの最終奥義は命を削るんだな」
「ああ、せ、生命力をつかう。 もうわかってる」
自動回復も意味がない。 せめて最後にルーシの顔見たかった。
「ノアール」
呼ぶ声で目を開いた、おぼろげに見える。 臭覚も視覚も戻ったのか。
必死で腕上げてルーシの顔に触れた。
「想像以上にいい女だな」って言って俺の意識は闇に沈んだ。
結局、今世も俺は長生きできなかったな。