魔王に会いに来た 後編
エルフの星見の手紙を読んでいる魔王。
俺、ノアールは、言いたい事も言ったし、聞きたい事も聞いたから、せっかくだから魔族領を旅するかなど考えていた。
「ノアール様、元の大陸にお戻りしたほうがよいかもしれません。 かの大陸がアンデットに支配される可能性があるそうですが、星見でもその先の未来はわからないと。」っていう魔王。
「どういう意味だ?」
「エルフの星見は、複数の先の未来を見ます。 かの大陸にアンデットが増えている現状が見え、その先の未来としてノアール様が戻られる事でこの世界がアンデットに支配されなくなるかもしれないし、されるかも知れない。 ただ、鍵がノアール様としか言えずで、過去このような星見の連絡はありませんでした。
ちなみに、今回、皆様の来訪については、古代種の竜に乗った人間と人化した聖獣が来るが一切手出しせず丁重にお迎えする様にと日時が記載されて、その者達の質問には嘘偽りなく答えることとなっておりましたわ。 そして今回、ノアールが鍵と。」
「ってことは、星見はノアールっていうのが人間かっていうのもわからないって事だったってことか?」
「ええ、そうです。」
(俺の今世スローライフには、インズと正面からぶつかれってことか?)
≪そうみたいだな。≫
「仕方ない。 戻るか」
「兄貴、俺も行くっす」
「ノアールの兄貴、俺も行くぜ」
こいつら巻き込みたく無かったが、先にわかった見たいだ。
「グリ、ヴォル、行くぞ。 じゃぁまた遊びくるかもな」
って言って、俺とグリは人化を解いたヴォルに乗った。
◇◇◇
ノアール達がさった魔王城。
「ノアール様、ヴォル様、グリ様、この世界を」という魔王。
「魔王様、ノアール様はいったい何者で?」って聞いたのは、我の側近。
「我でもわからぬ。 だが、人外を超えた強さを持つ者だ。」としか言えない。 一目見て心底惚れたが呆気なく振られたし。 竜王でさえ従う人間。 しかも呪われている。 転生者に初めて会ったがそれ故になのか、我には何もできず見送るだけね。 ノアール様たちの無事を祈るしかないわ。