クラス合同訓練 中編
師範代のヨウに呼ばれて、仕方なく向かっている。
その間の俺とヴォルの念話。
ヴォル:「今の指導って、兄貴が隊員達にやらせた日課っすよね。 その前に、身体強化なしでの10Kmの障害物コースを30周後にやらせてたやつの後っすよね。 その後、動ける奴だけ兄貴との手合わせしたよね。」
俺:「ああ、でも結局俺と手合わせまで来れたのって、珍獣組とデッドだけだったな。」
ヴォル:「今の人間ならあの障害物コースで脱落っすよ。」
俺:「そうか? ウルカは出来なかったけど、他の奴らはトリス含めて障害物と紙までは行ってたが。」
ヴォル:「じゃないと、兄貴のとこに来る任務こなせないっすからね。」
(まぁ不穏分子の暗殺、小国との戦争やらスタンビートの対応だ。 ったく、俺ら先行で行かされてたし、魔族、鬼族、吸血鬼族とも戦ったしな。 馬車馬のように働いてたわ。 ウルカは連れてけねぇーから、たまにオークの集落とかゴブリンの集落討伐にだけ同行させた。)
≪ほう、前世のお前は優しいかったのか?≫
(ちげーよ。 ウルカが高位貴族で討伐で勝手に死んだら後々面倒になるからだよ。 そのくせ、討伐行かせないと周りから苦情がくるから仕方なくだよ。 本当足手纏いの迷惑女だったよ。 近衛に戻れって言っても頑固に居続けるしな。 その上、俺らが賭博とか娼婦街いったの知るとすんげー文句いうから何度腹蹴りくわわしたことか。 勘違い女で、師匠の指導とかいって喜ぶからさらに厄介で、トリスに押し付けた)
そんな話ししながら、そのヨウのところに来た。 ってさっき話してた女もいる。
「君達、今日が初めてだから、ナタリー嬢の剣技を参考にみてほしい。 彼女は門下生でかつ優秀だから。」というヨウ。
「俺は構わないっすけど、兄貴は視力障害っすよ。 聞いてないんっすか?」ってヴォル。
「え! なんで、そんな者がAグループにいるんですの!」って女のほうが叫んだ。 意味わからん。
「お嬢、落ち着いてください。 今、担任がくるんで。」ってヨウだ。
「ええ、ヨウそうして。 タダでさえ合同で、剣技に劣る冒険科の生徒がいるのは仕方ないとは言え、その中で優秀な生徒があつまるグループによりによって欠陥品がいるなんて何を冒険科は考えてるのかしら」っていってる。
本当、プライドの高い女は面倒。 やや薄い紫の色だ。
(不味そうな魂だな。 歪みはないけどな。)
≪自分の力量に過信してるが、己のより上がいる事を知っているが許せないって感じだな。 食っても腹の足しにはならない魂だ。≫
「ノアールとヴォルが何かしましたか?」ってマークの声だ。
何かやらかすの前提でマークが聞いている。 ふむ、解せぬ。
「マーク先生、キンバリー嬢に見本を見せようとしたら、あのギブソン君が視覚障害だと。 なぜ故、グループAに振り分けられている理由をしりたいのですが?」
「そうですわ、Sクラスで剣術トップの私のグループになぜ目見はいいですがなぜ欠陥品がいるんですの!」っていう。
その目見が良いとかいらなくねぇー。
「ノアールとヴォル、いやギブソンとバハムートなんですが、この2人ギルドランクAなんですよ。 ギブソンは障害ありますが、それを補うほどに身体能力に優れていて冒険科の実技は2人とも卒業単位取得済みなんで、合同は必然的にAになるんですよ。」
「なるほどそういうことで。 さすがイーストエンド出身ですな。」
「何、納得しているのよ。 ヨウ。 私は許せなくってよ。 あなたも私の実力ならランクAは取れるって。 お父様が盗賊試験受けさせてくれずランクCに留まってるのに。 私がこの欠陥品に劣るというの!」
「お嬢、そういう意味では無くって、彼らに実力があるからAだっていうことです。」
「欠陥品、あなたの実力を私みずからみてあげるわ。 見せなさい! って言っても双方利益がないとつまらないわ。 そうね、私が勝つけど、勝った場合はあなたとバハムートは一生私の言いなりね。」
すんげー面倒。
「キンバリー嬢、ガーネット辺境伯から彼らを使役するような好意は違反されてます。 勧誘、従者、指名任務にいたる全てです。」
「え! あ、でも決闘であればそれは学園のルールとしては無効よね。 では決闘します。」