エイダの街へ 前編
午後と金曜が暇になった俺とヴォル、そして飯ぐらいのグリだ。
2時間だけだが人化できるようにになれるなら稼げってことで、グリにもイーストエンドのギルドでカード作った。 ザックに言ったら、どうせお前の知り合いに普通はいないって言われて、グリのギルドカードもランクAだ。
そんな簡単に決めていいのかって突っ込みたいが、まぁグリが地道にランク上げとかしなさそうなのでザックのいうままで何も文句はいわなかった。 逆に感謝かもな。
というわけで、俺たちはイーストエンドで討伐にいったり、魔境にいったり、盗賊狩りしたりしている。
グリは賭博も好き。
そういやエイダの街に賭博があるのを思い出し、今世初の賭博場っていってもカジノなのだが行く事になった。
≪ほう、これが賭け事か≫ってサタンも乗り気。
「ヴォル、グリ、あんまり派手に勝つなよ。 悪目立ちするな」
「ノアールの兄貴、それあんたっしょ。」ってグリに突っ込まれた。
「ヴォルは、初めてだな。 ダイズかルーレットか、またはスロットだな。 損するようにできてるから、ちゃんと使う金だけは考えろよ」
「了解っす。」
グリはスロットへ行き、俺はダイズのとこへ行く。
昔ならスロットで稼いでからだけど、見えんから仕方ない。 ようは、偶数か奇数は当たれば倍、または出た数字で倍率があがる。
ちゃんとしたカジノは、客にサイコロ触らせる。 イカサマしてないかの確認のためだ。 カジノ側も交換されないように、見張ってる。
ヴォルは見学なのか俺についてきてる。
ころころザル壺でサイコロを転がして反転させる。 丁半の賭博だ。
「ベットの時間です」ってディーラーがいう。 今思うと、地球文化と混ざってるよな。
「偶数で」って金貨5枚かけた。
他にも数名って、午後にきてるから人は少ないけどな、かけている。
「ベット終了。 オープン、 2と4の偶数」ってディーラー。
「兄貴、当たりっす」ってヴォル。
(当たり前なんだが。。)
≪検知魔法使わずにわかるのか≫
(ああ、先読みみたいなもんだ。 触れて目の数で、サイコロが落ちるときの僅かな音で判断だな。 ある意味、剣技の訓練の一環だ。)
勝負に勝った俺の手元には10枚の金貨。
次のベット。
9か。 ってことで、「数字の9に金貨5枚」っておく。
ヴォルは奇数に金貨5枚だ。
「ベット終了。 オープン 4と5の9」ってディーラー。
ってことで俺の手元には50枚の金貨だ。 2回ほど金貨2枚かけて外しておく。
怪しまれるからな。 最後に10の時に10枚ほど金貨かけた。 合計148枚だ。 まずまずだな。
ちゃっかり俺に便乗したヴォルも稼いだようだ。
「兄貴、なんで数字わかるんすか!」
「ヴォル坊、そこに俺達がノアールの兄貴の剣技が真似できない理由の一つだよ。」っていつの間にか合流したグリ。
「ヴォル坊、スロットで出目を合わせられれば少し成長だ」
「グリさん、意味わかんないっすよ。」
「まぁいいからやってみろ。」って言って、やらせている。
「10回やって、6回っす。」って不貞腐れてるヴォル。
「ヴォル坊、まずまずだ。 俺もまだ10回やって8回までだ。 ノアールの兄貴の目が見えれば、100%なんだなこれが」
「兄貴、なんでっすか?」
「昔いったろ俺の剣技は1対多を得意とするって。 つまりだ、動きながら相手の僅かな次の動きを見極める必要があんだ。 ある意味、先読みするのに、賭博はいい訓練になんだよ。 ついでに、金になるしな。」
「ノアールの兄貴、酒のみながらルーレットいきますか」ってグリの誘いで俺たちはルーレットへ。
ルーレットは、グリにディーラーが最初に置いた数字を聞いて、始めは黒か赤で掛けて、その後数字にかけていった。 わざと外したりもする。 カジノの出た時には、金貨500枚以上稼いだ。 前世は1000枚とか平気で稼いでたから可愛いほうだろ。
ヴォルとグリも300枚ぐらい稼いだようだ。