閑話 インズ国
ノース国との戦争で敗退したインズ国。
多くの兵を失いまた多額の慰謝料請求で国税を圧迫している。
それに加えて、一部地域で不作、疫病が発生し内政の維持に精一杯である。
「陛下、旧アルタの民に不穏な動きが。 不作による反乱かと」という伝令。
「オズベルトに挽回の機会を含めて鎮圧と国庫から救援物資を運ばせろ。 なるべく民を傷つけぬようにな。」
「はい、かしこまりました。」
「陛下、ここ15年豊潤だったのが、徐々に不作が目立ってます。 天候不良の影響かもしれませんが」という宰相。
「ああ、まさかな。。」
「陛下?」
そんな国王の姿に、不思議に思う宰相である。
「オスカーとダラス騎士団長に、兵増力と強化の指示を。」という国王。
「何故ですか?」
「先の敗退で、多くの兵を失った。 また何かの際に動けないと困るからな。」
「陛下、聡明なご判断です」という宰相だ。
さっきの間はなんだったのかと思うが、聡明な判断をする国王にただ単に勘違いかと思うのであった。
◇◇◇
その日の夜、王宮から少し離れた場所にある地下深くの薄暗い場所には悪魔像が祀られている。
そこに国王の姿があり「まさかな」と像に明かりを向ける。
すると、所どことに亀裂がある。
「まさか、生きてるのか!」とうい怒号が地下深くの薄暗い場所に響きわたるのだった。