歴史博物館 後編
聖剣の話から、サウス帝国の発展の話になった。
「サウス帝国になってからの発展といえば、迷い人ジョン様の登場でしょうか。
製鉄技術の伝授は、魔鉱石が枯渇した当時一般的な兵が使用する武器が無くなるという時にこの技術の登場には画期的でした。 鋳型もでき量産も可能になり、生活用品へ流用されていきます。 あと、魔銃もこの時設計開発されました。
あと馬車にスプリングが付いて揺れが少なくなったのもジョン様の技術伝授のお陰です。 ジョン様は、交通の発展を目指しており、魔道車、魔道バス、魔道列車、魔道バイクの設計を残しておりますが、設計が複雑で、タイヤの原料となるゴムの樹脂が見つかっていないというのもあります。 そのため、今は魔道列車の開発に長年技術者が注力しています。」
「以前マーガレットが手紙に書いてあった、多くの人や物資を運べる箱のような運搬が可能ってやつですか？」
「ええ、それが実現すれば、町から町の移動、国の移動時間が画期的にあがります。 これが、模型です」
「あら私の想像とは違いますが実現すればどれほど短縮するんでしょうか？」
「動力源の開発次第ですが3割～7割ほど時間短縮すると言われてます。」
「まぁ、凄いわ、ねぇノアールにヴォル」
「うん、迷い人ってすごいなって思うよ。 ノース国も迷い人レンジ様の農地改革は聞いておどろいたし。」
「俺も聞いた時は感動したっす。」
「お二人ともノース国へ行ったことがあるんですね。」
「俺は、旅でどうしても温泉いきたくてな、ヴォルは元ノース国だからな」
「そうですか。 羨ましい限りです。 サウス帝国からノース国は、まだ国交が特別な時しか許されていないので、行けないので。」
「そうですね。 サウス帝国とイースト王国も、特別な時のみですから。」
「今は休戦ですが、なかなかわだかまりは解けないものです。 リラ王女様とセオドリック殿下の婚約で、友好国になるみたいなので期待です。」
「なんのわだかまりがあったんだ？」
「ノアールもヴォルもまだ学んでないわね。魔境への入口の覇権争いが50年前ぐらいまであったのよ。
イースト王国は今はイーストエンドから魔境へ入る決まりになっているけど、イーストサウスエッジっていう町が昔あって、今はサウス帝国領のサウスエッジになっているわ。
サウス帝国はそこから魔境へはいるの。 そこの町を巡って長年戦争していたのよ。 今まだイースト王国の一部はあそこはイースト領だっていう人もいるわ。 丁度国境の町で争いが小規模、大規模でも発生したわ。 サウス帝国としては、そこからしか魔境に入れないから、国同士も争いに疲れてね、平等にって事で、サウス帝国領となったの。 マーガレットがサウス帝国へ嫁ぐのも、ある程度国同士が落ち着いた時に決まってたのよ。」
「へーなるほどな。 じゃぁ、マーガレット様は、サウス帝国に嫁ぐ事が生まれる前から決まってたのか？」
「そう。 っていうより、私も候補だったけわ。 ただ、無理な政略結婚は避けようという話しあいもされてたわ。 悲劇しかおきないじゃない。 サウス帝国の現陛下が、王子で王太子立后前にイースト王国の学園に一時留学にきたのよ。 その時、マーガレットを気に入って、マーガレットも彼に恋しちゃってね、とんとん拍子で決まったのよ。」
「それは、良かったでいいのか？」
「もちろんよ。」
「最後は陛下と王妃の出会いをお伺いすることになりましたが、以上がサウス帝国の歴史博物館の説明です。」と最後を締めくくるルイスだった。
