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転生転移  作者: ミティ
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第八話


「んっ、ふう。良く寝た」


ユーヤは体を伸ばしながらそう言葉をこぼした。


「シラタマもおはよう」


そう言いながらシラタマの頭?を撫でた。


それから木の根元から立ち上がりファルナさんの方へ歩いて行った。


「おはようございます。ファルナさん」

「おはようございますね、ユーヤさん」


朝の挨拶をするとファルナさんが質問してきた。


「ユーヤさんはこの後どうしますか?」

「そうですね、朝ご飯を食べたら移動を始めたいと思います。町の場所って知っていますか?」

「知っていますよ。一番近い町はあちらの方向にありますよ。街道はあちらの方です」


ファルナさんはそう言いながら方向を指し示してくれた。


「ありがとうございます、そちらの方に行ってみますね。それでは、ひとまず失礼します」

「はい、わかりました」


また木の根元に戻り、そこに座って弁当を食べ始めた。


「うーん、内容は違うけど少し飽きてきたな。早く町に行きたいな」


そう言いながら弁当を食べ進めていった。



「ごちそうさまでした。よし!そろそろ行こうかな」


立ち上がりファルナさんの方へ向かった。


「ファルナさん、もうそろそろ行きたいと思います。お世話になりました」

「はい、お元気で。また会える日まで」

「それでは、また」


ユーヤは島から出ようと外側を見た。が、忘れているのだろうか。ここに来た方法を。


「あ...」


そのことに気づき、恥ずかしさを押し殺しながら、ファルナさんの方へ振り返った。


「あの、その、すみませんが送ってくれませんか?」

「ふふふ、いいですよ」


ファルナさんは優しく微笑みながら精霊に指示を出してくれた。


「すみません、ありがとうございます」


恥ずかしさですぐに立ち去りたかったが移動手段がなく、立ち去ることが出来ないユーヤであった。




「それでは、今度こそ行きたいと思います」

「はい、それでは。また会える日を楽しみにしています」


ユーヤは一礼をすると振り返り精霊たちに頼んだ。


そして、風の大精霊ファルナのいる島から立ち去った。




――――――――――




「ありがとう、それじゃあまたね」


対岸に着いたユーヤは精霊にお礼を言った。


「それじゃあ、また二人きりだけどよろしくね。シラタマ」


その言葉に返事するようにシラタマは体を震えさせた。


「えっと、確か街道はあっちだったよな。よし、のんびり行くか」


そうして、ゆっくりと森の中を歩き始めた。


歩き始めて10分ほど歩くとシラタマが腕の中から飛び出した。


「うわっ!どうしたの?」


その行動を疑問に思い、そちらを見る。


「マジックシールド!」


ユーヤは万が一のため、マジックシールドを先に張っておいた。


見えたのは茶色の猪だった。

猪はこちらに気づくと突進してきた。その行動に対しユーヤは...。


「シラタマっ!前はよろしく!」


シラタマに指示を出し、自身は魔法を唱えた。


「アースウォール!」


土で壁を作る魔法を発動した。壁が作られた場所は猪の右前足だった。


「ブモォ!!!」


その壁に足が当たり、猪はシラタマの前まで滑りこけてしまった。

シラタマはすぐに猪の足に絡みつき、動きを封じた。


「ナイス!エアスラッシュ!」


魔法を放つと猪に向かって駆け出す。その途中で剣を引き抜き、丁度猪の脳天に叩き落した。


「ブフッ」


剣はそのまま突き刺さり、猪は死んだ。


「ふう、少しつらいけど大丈夫そうかな」


ユーヤは深呼吸をすると、剣に着いた血を布でふき取った。


「えっと、確か血はふき取っとかないといけなかったはず。他に何かしないといけないことは何かあるかな?これも町に行って聞かないとな」


町に行かないといけないことを再確認したら、猪の死体をバックパックから取り出した拡張の袋に入れた。


「よし、行くか」


拡張の袋をバックパックに入れ、町に向かって歩き始めた。




「そろそろご飯を食べるかな」


今の太陽の位置はちょうど真上まで来ていた。


「あそこ辺りが良いかな」


そこは周りの木よりも大きく目立っている。

その木の根元まで行き、木を背にして座った。そして、弁当を取り出し食べ始めた。


「ん?どうしたの?シラタマ?」


シラタマは食べている時、基本的には足の上に乗り眠っている。

だが、今回は木の上に上っていったのだ。


「わっ、何これ?」


上を見ているとシラタマが落ちてきて、そのまま膝の上に落ちてきた。

その時の落下の衝撃はなく、不思議に思い聞いてみようとしたが、それよりも気になすことができた。

それは、体の中に何かリンゴのようなものが入っていた。


「あ、これくれるの?」


シラタマは体の中にあるリンゴのようなものをユーヤの手のひらに乗せた。


「ゴーグルに通してみるか」


目の上につけていたゴーグルを目に付け、通して見た。




――――――――――


 林檎の実


少し酸味がある。毒は無し。


――――――――――




「そのままリンゴなのか。小説では名前が変わっていることが多かったけどここではそのままなんだ」


鑑定によると毒がないということなので食べてみることにしてみた。


「ん、お、意外とおいしい。少し集めておきたいな」


少しかじってみるとしっかり味がついていて時期的にもあっていた。

なので、集めておくことにした。


「シラタマ、上になっているリンゴを集められる?」


了解、とシラタマは行動で示した。その後、スルスルと気を登っていき、リンゴを落とし始めた。


「おっと、反射神経が試されるな。あと停止の袋も作っておかないとな。足りなそう」


落ちてきたリンゴをそのまま停止の袋に入れていた。だが、拡張の袋ではないので袋に入らなくなった。


「シラタマ!ひとまず降りてきて!」


そう声をかけると上からすぐにシラタマが落ちてきた。


「停止の袋がいっぱいになったからもう一つ作るから少し待ってて」


シラタマを待たせないためにバックパックにある拡張の袋から猪の死体を取り出し、すぐに停止の袋を作った。


「よし、出来た。またよろしく」


シラタマはその言葉を待っていたかのようにすぐに木の上に上っていった。



停止の袋が半分くらい溜まってきたころ、木の上からシラタマがおりてきた。


「ん?どうしたの?」


シラタマは触手を作り、バッテンを作った。


「ん?×?」


分からなかったので上を見てみた。


「あ、なるほど。そういうことか」


上にはもう実が無くなっていたのだ。


「全部取ってくれたんだ。ありがとう」


お礼を言いながらシラタマの頭を撫でた。


そうしていると、突然シラタマがユーヤから離れた。


「どうしたの?」


シラタマの方を見ているとその奥から大きな熊現れた。

そう、シラタマは守るように前に出ていたのだ。


「熊!?」


その熊は三メートルくらいあり、こちらをにらみつけている。


「これは戦うしかないかな。やるよ!シラタマ!」



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