第二話
「こ、こ、は?」
(あぁ、俺は死んだんだったな)
「ん?あれ?僕は死んだんだよね?何で意識あるんだろ?」
「ようやく気がつきましたか」
「っ!?誰!?」
目の前には白色の髪の女性が立っていた。その女性はうっすらと光っており、はっきりとは姿が見えない。
「こんにちは、私は女神レイナーナです。宜しくお願いしますね?鈴野さん」
「女神?」
「はい、女神です」
女神か...確かこの世界には三柱がいるといわれている。
一柱は「戦と知の神」、もう一柱は恐らく目の前にいる者だろう。名前は「魔と創造の女神」。最後の一柱は「慈愛と豊穣の女神」だ。
ちなみに「戦と知の神」は男性。「魔と創造の女神」と「慈愛と豊穣の女神」は女性だ。
「なんで僕をここへ連れてきたんですか?」
「まず第一にあなたにはこの世界で3番目の魔法適性があります」
(3番目なんだ...)
「当然一番は私の息子です。息子は5歳の時にはこの世界の剣豪に勝ち、6歳では父の「戦と知の神」に勝ったのよ!更には9歳で大賢者に勝ち、10歳のころには私に勝ったのですのよ!あの子は戦闘に関しては勝てる者はいないわ!天才よ!でも、道具の方が耐えられないのよねぇ...。そうだわっ!こいつにやらせればいいのだわ!我ながらいい考えだわ!」
「え?」
「ということで神命です。私の力の一部を渡します。その一部の力を使い息子が納得する武器を作りなさい」
「少し待ってく「それでは、しかっり神命を守ってくださいね?」
次の瞬間から手が光始め、僕は意識を失った。
――――――――――
「ここ、は?
僕は周りを見渡してみた。周りには木がたくさん植わっており、鳥の鳴き声が聞こえた。そして太陽みたいなものが45度くらいのところにあった。つまりは森の中だった。
「ん?」
背中に違和感を感じたので見てみると、いつの間にかバックパックを背負っていた。色は茶色で材質はおそらく皮だ。
「あれ?いつの間に...。あの女神さまがくれたのかな?何が入っているのかな...」
バックパックのかぶせ(バックパックの蓋のこと)をけて中を見てみた。中は元の世界で見たようなブラックホールの様に黒い渦があった。
「これ大丈夫かな...。う~ん、怖いなぁ。どうしよう...」
恐らく太陽だと思われるものが真上までくるほど時間がたった頃......
「お腹すいたな...。うん、もう、よし!覚悟は決めた!」
覚悟を決めてバックパックに手を突っ込んだ。すると不思議な感覚があった。まるでゲームのウィンドウのようなものが頭の中に出てきた。それに書かれていたのはこのようなラインナップになっていた。
――――――――――
<ギフト>
・鉄の剣
・鉄の解体ナイフ
・木の杖
・食事セット(時間停止)×30
・寝袋
・外套
<魔と創造の女神レイナーナのギフト>
・創造の書
・ゴーグル
・万能工具
<???のギフト>
・???の卵
――――――――――
「ギフト?贈り物って意味だったはず...。つまり、これを使って神命を果たせっていうことで会っているのかな?この<ギフト>って欄はギフトがもらえる人がみんな貰える物かな?だったら<魔と創造の女神レイナーナのギフト>っていうのは神命を受けたからかな?それよりもこれだよね<???のギフト>...。それに卵って生まれてくるのかなぁ。......うん、今考えても仕方がない。ギフトの中身の確認をするかな」
それから夕陽はまず普通のギフトの方から取り出してみた。取り出すときは頭で取り出すものを考えながらバックパックから手を抜くと取り出せるようだ。
「えっとまずは鉄の剣。よいしょっと。と、やっぱり重いな」
鉄の剣は鞘に入っており抜いてみると見た目はとてもシンプルで実用性重視みたいだ。重さは体感で鞘にはベルトがついていた。
「取り合えずつけておくか。動けるかな?」
地面にバックパックをおいてから鞘にあるベルトをつけて周囲を軽く走ってみたが特に動きを制限されることはなかった。
「よし、次は解体ナイフか」
夕陽は地面に置いたバックパックから解体ナイフを取り出した。
「今思ったけど解体ってどうやるんだ?流石に小説見ていただけじゃわかんないしなぁ...。後回しにするしかないか」
解体ナイフをすぐにバックパックに入れた夕陽は次に木の杖を取り出した。
「う~ん...。うん、結構使えるね。お城で訓練したからなぁ、役立ってよかった。転生してくれたことに関しては嬉しいけどいきなりというか強制だったしなぁ。神様相手だとこれが普通なんだろうな...。小説では神様相手に交渉していたけど普通の人には無理だし......。............よし、グダグダ言ってても変わんないし神命を早めに終わらせれるように頑張るか!」
夕陽は心を切り替えた。バックパックに木の杖をなおして寝袋と外套を取り出した。
「寝袋は普通だな、でも獣に襲われたら危なそうだよね。どこか安全なところを見つけないとな。外套の色は茶色か、目立たないよね」
外套を着てみるとサイズはちょうどよかった。
「よし、次は<魔と創造の女神レイナーナのギフト>か。すごそうだね」
まずは創造の書を取り出してみることにした。
「見た目はいかにも魔法使いの人が持っていそうだな。開いてみるか...あれ?開かない...、なんでだろう?何か条件があるのかな?」
夕陽はそう思い色々試してみたが開かなかったのであきらめてバックパックになおした。
「なんで無理だったんだろう?まあいいや、次はゴーグルか」
バックパックからゴーグルを取り出してみた。見た目はパイロットが着けていそうなゴーグルだった。
「何故ゴーグル?まぁいいや、取り合えず付けてみるか」
目を閉じながらゴーグルを付けて目を開いてみるとゴーグルのレンズの部分に文字が書いてあった。
「なにこれ?えーと、使い方はゴーグルを付けながら物を見て知ろうとすると詳細が出てきます、か。つまりは鑑定のようなものかな。でも物と書いてあるから生きている生物にはできないんだろうな。だったら創造の書も見れるかな?でも、先に予想のつく万能工具を見るか」
ゴーグルを付けたままバックパックから万能工具を取り出した。
「見た目は普通の工具用ハンマーだけど色が何故白銀?イメージ的には黒色だと思うんだけど...。調べてみるか、じっと見つめればいいかな?...出ない。教えろよ!って、これなら出るんかいっ!」
出た結果、分かった名前は神鉄の万能工具だった。使い方は魔力を流しながら望む工具の形を思えば変化するようだ。
「よかった魔力を道具に流す方法を教わっておいて。よし、だったら魔力を流しながら自分の思う形!」
そうすると万能工具は光に包まれた。そのまま形を変えていき、変化が終わると光が収まり出てきたのは...
「ホラーゲームでよく出てくる、その名は!...バール!って何やってるんだろ。まあバールに出来たし良かったな。次は創造の書の使い方だな」