Mr.ウルヴァリンの夢とドッペルゲンガー
本編の後日談です。
「突然だがサイクロップス君。ドッペルゲンガーに会ったことがあるかね?」
新生キングスカンパニーから帰る途中のダニーにMr.ウルヴァリンが話し掛けてきた。突然の事にダニーは怪訝な表情を浮かべる。
「何だい、いきなり」
「いやいや、よく聞くだろ?この世界には自分とよく似た人間が三人はいるって。もしかしたら私にも何処かによく似た者がいるんじゃないかって、そう思ったまでだ」
「…なあ、Mr.ウルヴァリン。色々と突っ込みたいところが山ほどあるんだが…」
「?どうしたんだい?」
Mr.ウルヴァリンがダニーの言葉に首を傾げた。ダニーは溜め息を付いてMr.ウルヴァリンをチラリと見る。
「そもそもあんたはAIだろ。それに今の体は義体だし、何よりあんたのような黒猫なんてこの世に五万といるだろ。ドッペルゲンガーもクソもあるかい」
ダニーが吐き捨てるようにいうと、Mr.ウルヴァリンは口をむぅと尖らせて不機嫌な表情を浮かべた。
「いいじゃないか。ロマンだよ、サイクロップス君。世の中には我々の知らないことが沢山ある。もしかしたら君と同じような人間だっているかもしれないじゃないか」
「いや、今の俺と同じ人間なんて居てもらっても気持ち悪いぞ…」
「ロマンがないなー、サイクロップス君は。少しは心に余裕と楽しみを持ちたまえ。サラ・コナーだってその方がいいっていうだろ?」
Mr.ウルヴァリンがフゥーと深呼吸する。ダニーは頭を掻くとしゃがんでMr.ウルヴァリンに目線を合わせた。
「悪かったな、ロマンのない男で」
「まあまあロマンのことはさておきだ。私が何でこんな話をしたかというと最近奇妙な夢を見たからだよ」
「夢…?AIが夢を見るのか?」
「細かいことはいいよ。その夢が中々面白くてね。近々正夢になりそうな気がするんだ」
「…そうか、それは良かったな」
ダニーの冷めた視線にMr.ウルヴァリンがまたむぅと拗ねる。ダニーは立ち上がるとジェットパックを起動させた。
「俺はそろそろ帰るぞ。ナターシャとハリーが待ってるからな。詳しい話はまた明日だ、Mr.ウルヴァリン」
「うーん…もう少し話したかったけどな。割りと鮮明な夢だったんだ」
「ま、後でメッセージでもいいから送信してくれ」
ダニーの言葉にMr.ウルヴァリンは顔をパアッと輝かせた。ダニーは再び溜め息を付くと、「じゃあな」といってジェットパックで空高く舞い上がった。
「サイクロップス君!必ず後でメッセージを送るよ!」
その夜、言葉通りMr.ウルヴァリンはダニーへ大量のメッセージを送った。ダニーがその内容に辟易したのも、そしてMr.ウルヴァリンの夢が真になったのもまた別の話だ。
今日がスーパー猫の日だったのを思い出して慌てて書きました。
何とか間に合って良かったです…




