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キングブレイカー  作者: 43番
第三章 彼女と彼女の仇と彼女の仇の影
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その5

 ナターシャの背後から近づいてくる轟音に忍者たちも気づいたらしく、音の方向を見据えて一斉に刀を抜いた。ナターシャも頭だけを振り向かせて、注意深く音の先を睨み付けた。すると暗闇の先にある小さな灯りが、徐々に大きくなってくるのが分かった。



「あの音は、何だ?ロケット?ミサイル?」


「敵襲か?新手の兵器か?」


「この女の仲間か?バカな!」



 忍者たちが音の正体を推測して口々に呟く。しかし、轟音の正体はそのいずれでもなかった。



 ……………………



「Mr.ウルヴァリン!随分潜っているようだが、どこまで行けばいいんだ!?」


「サイクロップス君、頼む!もっと先に進んでくれ!」


「燃料もそんなにないんだぞ!帰りのことも考えてくれよ!」


「サイクロップス君!あの先に光が見える。そこまで行ってみてくれ!」



 ダニーの肩に乗ったMr.ウルヴァリンが振り落とされないように掴まりながら、ダニーの視線の先にある光を指した。ダニーは半信半疑ながらジェットパックを飛ばし続ける。あの光の先に何があるかは分からないが、少なくともMr.ウルヴァリンの目的がそこにあるのだろう。


 光が徐々に大きくなっていく。光は一つから三つに分かれ、その正体が巨大なサーチライトであることが分かった。サーチライトの下には幾つかの影が浮かび上がっているのが見える。どうやら何人いや何十人かが集まっているらしい。更によく見ると一人に対して何十人も影が取り囲んでいるようだ。



「何やらお取り込み中のようだな!」


「うむ……やはり私の懸念通りか…サイクロップス君、そろそろ速度を落として着陸態勢に入ってくれ!」


「あの中に飛び込むのか!?」


「ああ、あそこで間違いない!!」


「分かった!しっかり掴まっているんだぞ、Mr.ウルヴァリン!」



 ダニーはMr.ウルヴァリンに確認を取り、徐々にジェットパックの速度を落とした。サーチライトの下に見える影の正体がハッキリと浮かんでくる。

 どうも膝をついた丸腰の女を黒い影もとい先に撃退した忍者と同じ容姿の集団が取り囲んでいた。忍者たちはこちらを見据えて一斉に武器を構えて迎撃態勢を取っている。



「気が変わった。どうやらこのスピードのまま突っ込むのが吉だな!」


「えっ!?大丈夫かね、サイクロップス君!?激突するぞ?」


「相手方はやる気満々みたいだからな。それならこちらも挨拶代わりと行かせてもらう!」



 ダニーは再び速度を速めると勢いを落とさずに忍者たちの中に突っ込んだ。激突の衝撃で忍者たちは一斉に吹き飛ばされた。忍者たちはダニーがまさか速度を落とすことなく突っ込むとは思っていなかったらしく、動揺の余り迎撃が上手くいかなかったようだった。大型のサーチライトの前に大量の粉塵が舞い上がる。


 一方のナターシャは身を屈めていた為、何とか吹き飛ばされるのだけは免れた。粉塵もやり過ごそうとしたが、一部吸い込んでしまった為か咳が止まらない。それでも冷静に忍者たちに激突したものの正体を観察した。


 ナターシャが粉塵の晴れた先に見たのは…金髪に目元にバイザーを着けた黒の光沢が目立つ男とその肩に乗った黒猫…。



「サラ・コナー!」



 肩に乗った黒猫ことMr.ウルヴァリンがナターシャに向かって叫んだ。

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