表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キングブレイカー  作者: 43番
第三章 彼女と彼女の仇と彼女の仇の影
33/97

その1

 キングスカンパニーは老舗の大企業ながら私設の軍隊を保有している。その規模は小国の軍隊を優に上回り、一企業でありながら国と戦争ができるといわれている。


 特にCEOのフランク・フリーマンのお気に入りといわれるのが先にナターシャらと交戦した忍者部隊である。忍者部隊は「主」であるサザンカを頂点としており、少数精鋭揃いである。忍者部隊のメンバーはいずれも黒のタイツスーツに漆黒の頭部のプロテクターで容姿が統一されている。メンバーは皆、日本刀を得物としている。


 メンバーはいずれも腕前は非常に立つのだが、性格の脆さといった内面に問題を抱えている者も多い。メンバーはサイボーグや義体の類いではなく、生身の人間であることをモットーとしており誇りとしている。


 彼等にとって「主」であるサザンカへの忠誠は絶対であり、忍者部隊の名に泥を塗るような行為を取ったものは即座に粛清される。

 しかしながらメンバーはサザンカ自らの手で処刑を受けることを最高の栄誉としており、メンバーの狂信染みた一面が見受けられる。


 忍者部隊はキングスカンパニーの他の私設軍隊とは異なり、以前からフリーランスの傭兵部隊として破壊工作や要人暗殺などを請け負っていた。

 キングスカンパニーの傘下に収まったのはここ数年のことであり、CEOであるフランクと「主」であるサザンカとの「親密な関係」から現在の状況に至っている。


 サザンカが今回のキングスカンパニーの地下研究施設の視察にフランクらと訪れたのは警護兼愛人という立場もあった。故に「客人」の前では清楚で可憐な大和撫子を演じている。しかし、



「ブラッディ・レインめ……この私に楯突くとは相変わらず愚かな奴だ…クククククク…」



 そう言いきると氷のような冷酷な笑みを浮かべ、自身の部下にナターシャの捜索を命じた。忍者たちはその笑みに震えながらも敬礼で応え、方々に散ってゆく。



「「主」、ドローンの搬入口で「ブラッディ・レイン」と交戦したメンバーが壊滅したそうです。既にこの施設内に潜入した模様です」


「よろしい。それならばむしろ好都合だ」



 サザンカは背中に挿した日本刀を抜いて振り上げた。先程の不気味な笑みがより一層際だっている。



「搬入口から侵入したとなれば、奴はトラック専用の地下通路にいるはずだ。急ぎ全員集合の上、通路を封鎖せよ!」



 サザンカは部下の忍者たちに頭部のプロテクターに内蔵された無線で命令を出した。



 ……………………



 所変わって地下研究施設から先んじて脱出したMr.ウルヴァリンは少し前に搬入口に潜入するためにナターシャが爆破して半壊したトラックヤードの前に出た。



「何だこりゃ?ひどい有り様だな、戦争でもあったのか?」



 Mr.ウルヴァリンは地上の惨状に呆れつつ、此方へ向かっているダニーに分かるようにレーダーに信号を送った。すると、



「おい、Mr.ウルヴァリン!さっき確認した座標からかなりズレているみたいだぞ。本当に此処でいいのか?」


「さすがレスポンスが早いね、サイクロップス君。大丈夫、どうやら地下研究施設の別の出入口の方に着いたようだ。此処で回収をよろしく頼む」


「了解!」



 ダニーからの無線を受け安堵したMr.ウルヴァリンだったが、出入口の周囲を見渡すと顔つきが強張った。爆破された壁の周りに自身に襲い掛かってきた忍者と同じ容姿をした人間が複数倒れていたからである。



「これは一体?!」



 Mr.ウルヴァリンは慎重に近づいて様子を見たが、いずれも日本刀のようなもので斬られるか刺されて事切れていた。周りに広がった血飛沫がより生々しさを際立たせている。



「……誰か私と入れ違いで地下研究施設に潜入したのか?」



 Mr.ウルヴァリンは爆破でポッカリ開いたドローンの搬入口に目を向けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ