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キングブレイカー  作者: 43番
第一章 ダニーとウロボロスの終末
14/97

その14

「あら、もう行っちゃうの?」



 ミス・ジェーンが扉へと向かうMr.ウルヴァリンに声をかけた。



「ストームはサイクロップス君のことを頼む。善は急げというし、私は今私ができることをやるよ」


(行くって、どこへ行くんだ?)


「決まっているだろ。これからキングスカンパニーに潜入するつもりだ。この猫の体は諜報活動に向いているからね。何かしら手掛かりがあったら証拠を押さえるつもりだ」


「無茶しないでよ。只でさえダニーの治療があるのにあなたのことまでは手が回らないわよ」


「ハッハッハ、ストーム。私を甘く見ないでほしいな。これでも私は百戦錬磨だよ。並みのドローン兵器には遅れはとらないさ」


「一体どこからそんな自信が来るの…」




 ミス・ジェーンは呆れた表情で頭を抱えた。



「手掛かりが掴めたら、また連絡する」


「はあ…程々にしてちょうだい」



 ミス・ジェーンは手をヒラヒラ振ってMr.ウルヴァリンを見送った。Mr.ウルヴァリンは振り返ることなく、意気揚々と扉の向こうへ消えていった。



(ミス・ジェーン…なんかとても頭が重くなってきたんだが…)



 ダニーは急に意識が遠のいていくような感覚に襲われた。



「大丈夫?話をして、少し疲れたみたいね。とにかく今は体を休めてちょうだい。試作の義体ができたら、また来るわ」



 ミス・ジェーンは立ち上がると、手術台の照明を消した。



「おやすみなさい、ダニー」



 そういうと、ミス・ジェーンは扉の向こうへ消えていった。



(これからどうなるんだろう。考えても仕方ない、まずは流れに身を任せるしかない、か…)



 ダニーは薄れ行く意識の中でぼんやりとこれからのことを考えていた。そして、しばしの眠りについた。

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