魔の森Ⅲ
誰だ・・・乱暴に体を揺す奴は「おい、起きろ」
「あ!アーベンか、そうか私の番か」起き上がり辺りを見る。
皆ぐっすりと寝ている。
アーベンは私が使っていた毛布を引っ剥がしてくるまり、もう寝息をたてている。
あんな特技があるのか・・・
私はこの機会に探索魔法をダンジョンでも広範囲に使えるよう工夫する事にした。
探索の魔法が通路で乱反射するのが一番の原因。
そこで糸を這わせるイメージで、やってみると案外上手くいっている。
しかし、わかれ道で糸がごちゃごちゃになり、分かり難くい状態だ。
糸を開放して消してしまう。あ!なんかヒントが・・・
再度、探索の糸を這わせながら自由に操れるように神経を尖らせる。
あ、そうか・・・そうなっている訳だ。
わかれ道で探索の糸を枝分かれするように、もう1本の探索糸を生やす。
あ、上手くいったぞ。
もっと情報が知りたいのなら糸を増やせばいい。
何か感じた所で糸を数本増やす。
あ、糸の上に足が触れた。その瞬間に鑑定を意識する。
魚人
歳:67
HP200
MP50
スキル
毒:体の一部から毒をだす
魔法 水魔法
見えなくても鑑定ができるぞ。
たしか相手に触る事で操れる操作魔法があった。
戦いの場で触る事がないから試せなかったが、今がチャンスだ。
糸に念じて流し操作魔法を発動。
魚人の足裏を糸が進入。その途端に魚人のコントロールを奪い取った。
あ!これは、魚人から見た光景なのか・・・
なんと魚人の1体が私に話しかける。
『やはく行け』
え!言葉が分かるのか・・・
私は魚人の手を操って相手のしゃべる口に向かって、思いっきりぶち込んでやる。
口の中で嫌な感触が伝わってきた。
魚人1体は、足元に転がっている状態だ。
ピックンッと動く。
とっさに思いっきり踏んづける。ビシャーと頭が飛び散った。
げ!惨いありさまになっている。
今度は、コントロールしている魚人の口を大きく開けさせる。
そして右手で口の中に爪を向けみる。
そして伸びろと命令。凄い勢いで爪が伸びた。
そこで、コントロールを失った。
魚人が死んだ瞬間だ。
魚人をコントロールした事で、鱗が丈夫で爪が伸びる事まで知ることが出来た。
こんな使い方も出来るのか・・・
もっと探索の糸を這わせる。
同じ方法で1体、2体目、3体目を殺す。
あ、気付かれた。
急に後ろから、たこ殴りしてきたぞ。
なんとかチラッと見た。魚人が2体だ。
水球を発動して、無理やり1体の口に中に放った。
又も頭が破裂。
もう1体が後ろから首に腕を巻きつけて、「ボキッ」と変な音をさせる。
そこで魚人の意識が途切れた。
途切れた瞬間に糸も崩壊して消えている。
再度、探索の糸を這わせる。
あ、今度がスルスルスルと這うスピードが速い。
奴の足に到着。
まんまと操る事が出来たぞ。
今度は油断しない。
魚人を見つけても、先に探索の糸をもっと這わせて安全確保を優先。
そして操作魔法で魚人を上手く操って襲わせるだけだ。
おっと、魚人を発見。
充分に安全確保して、奴も操ってみる。
お、成功だぞ。
もう2体なら無双だ。
安全確保してから、4体居た魚人を水球で口に命中させて仕留める。
『こっちだ!そこは危ないぞ』
呼び寄せた魚人を後ろから首に腕を回して「ボキッ」とひねる。
あ、向こうは上手くいかなかった。
1体は後ろで羽交い絞めにして、もう1体で口を掴んでグググッと裂いた。
ひどい顔で見てるよ。
今度は、切れ味抜群の剣2つを出す。
探索の糸に持たせてみた。
あ、持ってるよ。
探索の糸で剣を運ばせる。上手く手渡した。
ちなみに、探索の糸で剣を振り回すことは無理だった。
剣を持った魚人は、本当の意味で無双してた。
もう見つけては、斬り。
襲って来ても、ピシャピシャと返り討ちにしてやる。
斬られたことも分かってないだろう。
ああ、階段が見えている。
その階段前には10体の魚人が待構えている。
それでも突っ込んだ。
姿勢を低くして下から斬りあげる。
軽くジュンプした状態で上段から振り下ろす。
2体はリンクしたように同じ動きで4体を倒した。
今度は袈裟斬りにして、進み左逆袈裟斬りにする。
最後は横一文字斬りで倒す。
本当の最後は、自身の腹を突き刺して自害させる。
魚人が消えた後は、剣を回収。
同時に魔石も回収済みだ。
そろそろ探索の糸を消そう。
アーベン「おい!立ったまま寝るな。朝飯が始まるぞ」
え!もう、そんな時間なのか・・・
振向くと皆は、テキパキと朝の食事の用意をしているところだった。
食事が終わり、攻略がはじまった。
アーベン「おかしい・・・魔物がいないぞ」
ミランダ「本当にいませんね」
アーベン「そうだな、少し変だ。・・・気味が悪い程に」
マリ「階段があります」
▼袈裟斬り
坊さんがする肩に掛ける袈裟をなぞるように斜めに斬る事。
刀を右上に高く構えた状態で、正面を向いている敵の左肩から右腰骨辺りまでを斜めに振り下ろす。
▼左逆袈裟斬り
「袈裟斬り」の上下左右を反転させて斬る。
左下から右上へと振り上げる。
▼横一文字斬り
一文字斬りは敵の首、もしくは胴体を狙って、刀を漢字の「一」の文字のように右から左へ水平に振り抜く。
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