パルセン・ルクセントの日記
アルゼン・ルクセントを目の前にして、少しは冷静になれた。
「手紙の内容は、本当なのか」
「本当だ、アルア教団の追放と君の名前で昔の事を思い出した。父が死ぬ前に言った言葉に、アルア教団には気をつけろと言っていた。それで父が書いていた日記を見ると、ダルタ・ローランドの襲撃事件が書かれていた」
「それが、その日記か」
「そうだ、読むといい」
私は受け取り、読んだ。
【パルセン・ルクセントの日記】
7月14日
商談の為、馬車で出かけた時に。フードをかぶった10人の集団が話し込んでいた。
わたしは不思議に思い見ていたら、風が舞い2人のフードがはずれ顔を見てしまった。
1人は、顔半分が青いアザの男。
もう1人が、アルア教団の教皇アシム・シーランの片腕サラン・バージル。
それは間違いなく、切れ長の目で無表情な顔が印象的でわたしの記憶に残っている。
そして、サラン・バージルと目が合った。急ぎ身を引き隠れたがあの目は忘れられない。
教団とこことは離れすぎて、何故いるのか不可解に思った。
そんな事があったので、商談も上手くいかなかった。
7月15日
衛兵より、襲撃事件があったと知らされてた。
ダルタ・ローランドが襲われたので、わたしも現場に向かった。
現場には死体があり、襲撃者の死体を見ていくと青いアザの男がいた。
ダルタ・ローランドは無事で、騒ぎを大きくしたくないと言われたので。
内々に処理をしたが、わたしは恐かった。
わたしは、どうすればいいのか迷っている。
7月16日
再度商談の為、馬車で出かけたがどうも視線を感じてしまう。
商談は上手くいき、前金も受け取り馬車に乗り込む時にわたしは見てしまった。
サラン・バージルがわたしを隠れて見ていた。
わたしは急ぎ帰るようせき立てた、帰っても恐かった。
ダルタ・ローランドに相談しようと思う。
「あとは無いのか」
「次の日に心臓発作で死んだ。わたしもこれを見て殺されたと思ったよ」
「この日記、私に預けてくれないか」
「わたしの手に負えない事は分かっている、どうか真実を調べてくれ」
「分かった、アルア教団は強敵だ。数ヶ月で真実は分からないが絶対に暴いてみせる」
「絶対に頼む、父の無念を晴らしてくれ」
叔父上にパルセン・ルクセントの日記を見せた。
真剣な表情で読み終えて「そんな事があったのか、わしは全然知らなかった」
叔父上はナルタに日記を渡すと、ナルタは悔しそうな表情で読んでいる。
「ミランダに教えるのか」
「いえ、まだまだ不十分です。今はそっとしてやりたいです」
「そうだな、あまりにもこくな話になりそうだ。それでどうするのだ」
「本格的に調べようと思います」
「調べるのは良いが、悟られてはいかん。わたしの襲撃事件で分かっていると思うが、アルア教団には気を付けるように」
「それに付いては気を付けます」
ダルを諜報部隊の隊長に任命した。
タタルが副隊長で、今後忙しくなる部隊である。
新たに諜報部隊に、諜報に有利なスキルと魔法持ちが入隊している。
そして諜報員は、魔術のテレポート・ブレット・ゾウハを習得している。
そこで、王都・アルア教団・ダーラン領の3つを本格的に調べる事になった。
調べてすぐある事が分かった。大商団カラーズとシャドウから一定の金額がアルア教団へ流れていた。
それが止まりアルア教団は、強引に金を集めだしている。
それにより、他領では不満が溜まっている。
人づてに聞いた話では、小さな村でアルア教団と対立が起きて1夜でその村が無くなった。
そうまでして集めた金は、ダーラン領のミザルへ流れ。姉の第2夫人アザルへ流れている。
その金で、王都内の内政を支配しているようだ。
ミーラス王国の、全体の財政も良いとは言えない。
1年以内に何かが起こりそうな、私は不測の事態に備えて考えようと思う。
そして新たな工場が建てられた、この工場は機械工場。
遺跡で見つかった、機械の複雑な部分を取りのぞいた機械。
それを使って新たな部品を、作り出している。
ほぼ手作りだった、飛行船や走行車も生産数が上がってきている。
それは、魔具の生産にも広がっている。
その多くがアルポカ連合国と魔族の国へと流れて、ローランド辺境伯領は好景気になっている。
それでも注文は、1年先まで埋まっている。
他領は不景気で、その影響で人の流出が始まり。
その行き先がローランド辺境伯領であった。砦では鑑定指輪を使い、怪しい者が入らないよう必死になっている。
それにともない砦付近に、大きな街が出来上がり。
第1砦はサンクール街。第2砦はグレー街の2つの街が誕生した。
そして砦とローランド城の間の宿場が、大きくなりミレー街も誕生した。
港町バークレイも、アルポカ連合国からの商人が入ってくるようになり。
人口が増え、町から街に変わった。
そして港街バークレイは、少しずつ大きな取引きが中心の貿易港になっていく。
広いスペースが作られ、そこには巨大飛行船がとまれるように、飛行場として整備された。
それが原因で人や荷物がドンドン増えていき、街全体が大きくなっていく。
アルポカ連合国からは魔石を求めて、冒険者がモンスターの森へ行くようになった。
その為、ラクノスの街もにぎわっている。
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