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タミアン領




タミアン領の闇夜にまぎれて領主が住む屋敷に来ていた。

警戒心がないのか庭の見回りもない。


ダルが指差す先がアルセン・タミアンが住む部屋らしい。


「2階の階段を右に突き当たった部屋がアルセンの寝室です。奥方は王都の親族に訪問していると聞いてます。帰って来るのは3日後です」


「ここは、まるで警戒してないようだが」


「ダルタ・ローランドさまが長い間の数々の嫌がらせに耐え、抗議文のみの訴えだけに終始したせでしょう。なんの警戒もしてません」


「それでは・・・やるとするか・・・」


「本当に1人でやるのですか・・・わたしも手伝います」


「ここは、1人の方がばれないからいいよ・・・ここで待ってくれ」


私は一瞬で消えて、アルセンの寝室に立っている。

瞬間移動魔法でレアな魔法だ。


「ああ、よく寝てるな・・・」


魔法を発動して更なる深い睡眠へと落とし込む。

これで多少の刺激でも起きないだろう。


無魔法で持ち上げて一瞬で移動する。



私とアルセンを見て「アルセンに間違い御座いません」


「そうか・・・ゆくぞ」


アルセンを浮遊さてたまま移動する。





光を灯しして墓石が並ぶ中を歩いている。


「わたしに、こんなことをして・・・たたで済むと思っているのか・・・」


「つべこべ言うな!お前の親友というべきミラスの墓へ案内すればいいだけだ」


しばらく歩き続けて「ここがそうだ・・・」


ダルが名を確認。



私は土魔法と無魔法を同時に発動させる。

土が盛り上がり石棺(せっかん)がドシャッと浮かび上がり、地面へゆっくりと置く。


もう長い年月を経っているのに、壊れたヶ所もなくしっかりした石棺だ。

3人の兵士がフタを開ける。


「なんでだ・・・9年も経っているのに、死んだままの状態なんて」


開けて見てビックリだ。

鑑定で毒殺の痕跡(こんせき)が分かると思っていたが・・・


「なぜだか分からないのか・・・毒を少しづつ飲まされて毒殺された結果だ」


「嘘だ!ミラスは病気で死んだんだ!」


「アルア教団のキール・アルマが毒殺したと自白したぞ」


「アルア教団・・・それにキール・アルマが・・・」


「アルア教団は神の使いでなく、悪魔の使いだ。アルア教団に逆らう者は容赦なく殺す事も(いと)わない教団だ」



アルセン・タミアンは、こちら側に落ちた。


アルア教団が、秘密裏にケアの実を販売していた事を教えてやった。

それに裏社会のつながりや、殺しを行なっていた事実を証人や証拠を突き付けてやる。


アルセン・タミアンも、薄々感じていたようで観念してうな垂れている。


そして側近の裏切りも知らされアルセンは、ダルの計画に乗った。




第1砦から兵隊がタミアン領に入り。


アルア教団を強襲(きょうしゅう)した、暗殺団の抵抗も連射衝撃銃で終わらせることに成功。

主だった者は睡眠弾で眠らせて逮捕。

教団の奥深い建屋には、誘拐された者6人が捕らわれていた。

そして、今までの悪事の証拠が多く見つけられる。


城にも乗り込み、裏切り者の側近や隊長が逮捕。

裏金と証拠も見つかり、アルセン・タミアンの前でその事実をさらけだす。

ようやく側近と隊長は、その事実を認めた。


「よくも・・・わたしを騙したな」


側近と隊長は、裏金と証拠の話だけ認めてから黙ったままだ。

アルセン・タミアンは握った手をふるわせながら宣言する。


「その者を民衆の前で処刑しろ。罪状は反乱罪」


罪の中で一番重い罪であった。



民衆の前で今までの悪事が読み上げられる。

2人は、民衆の見てる中で火あぶり刑に処刑された。



民衆の前で暴れるアルア教団の3人は、縛ったままの状態で連れ出される。

そしてその民衆に向かって、アルア教団の悪事が告知された。


「お前らは、神の天罰がくだるだろう。アルアの神よ奴らに天罰がくだりますように」


民衆からもその3人に向かって暴言がとびかい、石が投げつけられる。

それでも汚く(ののし)る3人であった。


絞首刑にされる瞬間には、ようやく静かになった。

一気にロープが引張られる。ジタバタするが静かになった。



この公開裁判と刑が執行させる計画をしたのはダルであった。



タミアン領の民は悪い夢をみたように、新たな始まりが開けた瞬間でもあった。




ローランド辺境伯領から、大量の穀物が送られる。

ケアの実の中毒者を治すために農耕神ルラから治療師が訪れた。

それと元鑑定師の薬師が村々を回り治療を進める。



しかし治療は思うように進まなかった。中毒性がネックになり患者は禁断症状がでていた。


薬師はアルト商業自治国のアルアルの実の粉末が特効薬である事を見つけ出した。


それは暴れまくる患者をやわらげるために飲ませたケアの実の粉末が、間違えてアルアルの実の粉末を飲ませた結果であった。

患者は大人しくなりすやすやと眠りについた。


それ以降は、ケアの実の匂いや見ただけで拒否反応をしめした。

完全に完治したのだ。これは奇跡でもあった。


街や村々は活気を取り戻して、農耕神ルラの神父の祈りが田園を復活させた。

タミアン領にも未来が開かれようとしている。




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