船旅
朝早くから道作りが始まった。できるだけ真直ぐな道を作る。
何度も土魔法で道作りをやったので、更なる道の強度を上げていく。
鑑定結果も永遠な道と表示。
順調に道作り進み3時間で港町バークレイまで、道をつなげる事ができた。
私の到着を知った貿易官が「これは領主さま、早いお越しに驚いています。予定では3日後と聞いております」
「ラクノスから直接、道を作りながら港町バークレイまで来たよ」
「道を作ったとは、どうゆうことでしょうか・・・」
「あそこのデカイ山に大穴を開けて、ここまで道をつなげた。できの良い道になっているから、見に行くといい」
「今度、見に行かせてもらいます。ここではなく、貿易会館へ起こし下さい。お茶の用意もしてお待ちしてます」
「そうか」
案内されながら町を見ると、前回より商店の数が増え人の往来も増えている。
「この町も前回より賑わっているな」
「これも領主さまのおかげです。海賊退治には感謝しております」
貿易会館も真新しくなっていた。
「新しく建てたのか」
「前の建物では、手狭になりましたので建てました。今、新しい国と交渉した商人と船長を呼んでます。しばらくお待ち下さい。これが南国のお茶です」
「そうか、変わった色と香りがする」
・・・・
「初めての味で悪くない」
「今後、より多く扱う予定です。よければ城へも送りますが」
「そうだな、そうしてくれ」
その時に商人と船長が入ってきた。
「この者がベルで今回の交渉をした者です」
「それで新しい国について話してくれ」
「はい、新しい国は亜人の国です。それもドワーフやエルフと違う亜人です」
「亜人の種族も多く30以上居ました」
「そんなにも居たのか」
「トカゲの亜人から犬の顔をした亜人と2メートルの身長で豚顔の亜人も居ました。それに話す言葉はやっぱり違う言葉で、交渉も上手くいきません」
「それで何か取引きをしたのか」
「これが取引きで貰った硬貨です」
テーブルに置かれた袋から硬貨を取り出し鑑定をした。
「これはマテリアルで作った硬貨・・・こんな物を持っていると死ぬぞ」
「え!なんですかマテリアルとは」
「古代魔法国で作られた魔剣の材料だ。魔剣を持つ者は強い意思の持ち主でなければならない。何故なら魔剣の負のエネルギーで呪われ死ぬからだ」
「そこまで恐い物なのですか、しかし何故亜人は持っているのですか」
「多分、負のエネルギーに負けない種族なんだろう」
「そうですか納得しました。向こうに人は一人も居ませんでした。交渉時も珍しい眼で見られていたのを覚えています」
「何と交換したのだ」
「交渉相手が怪我をしていたので、薬をかけて治しました。すると薬を取られその袋を渡されました。相手はもっと薬を欲しがりましたが、前の貿易で売り払っていて手持ちに1本しかなかったのです」
「それでどうなったのだ」
「手振りで伝え、今度持って行くと約束をしました」
「そうか、持って行く薬は集まったのか」
「少ししか集まっていません。50本が集まりましたが、相手が指で示したのが100本で後50本足りません」
「隊長、手持ちの薬は何本ある」
「上級回復薬が122本と中級回復薬が340本もあります」
「50本出してくれ」
1本ずつ取り出しテーブルに置いて50本がそろった。
「これで貿易に行けるな、城から人が来たら出向する。例の船は出来ているのか」
貿易官「明日が完成祝いです」
「そうか私がその船で同行するから準備を頼む。商人船が先行して私らが後をついて行こう。通訳する者を連れて行くので交渉も上手くいくはずだ」
「領主さまが行かれるのですか」
「私も向こうで色々調べたいからな」
「わかりました。船長、準備を頼む」
船長と商人はスタスタと部屋から出て行った。
城からマリとバンバが来たのは2日後で、ミランダも一緒に来ていた。
疲れている様子がないので魔道船に乗せた。
船長「帆を張れー、風を吹かせろー、魔道重力も発動」
「面舵いっぱい」
港町バークレイから離れてスピードが増していく。
マリとバンバは船先で、船が作る波をジーと見詰めている。
私にとって始めての船旅だ。
「ミランダ、船旅の経験があるのか」
「経験は3度あります」
「船酔いの経験はあるのか、船長が始めての船旅は船酔いするとおどすのだ」
「船酔いはありません」
「そうか無いのか、ミランダは強いんだな」
「わたしは強くありません」
「ミランダは剣聖だから強い人だと聞いたぞ。それとも戦った事が無いのか」
「戦った事はあります。人を殺した事もあります」
「そうか私はモンスターを殺した。しかし人殺しは違うと言われた。ミランダはやっぱり違うと思うか」
「殺さないと自分が殺されるだけです。只それだけです」
「そうかそれだけか、ありがとう」
海の匂いが心地よかった。
3日目に目標の大陸が遠くから見えてきた。
船酔いも無く順調な船旅だった。マリだけがベットの上に倒れている。
バンバはそっと付き添い、今でも背中をさすっているだろう。
船員があわただしく準備をしている。波音と船員の声が交互に聞こえてくる。
船長は双眼鏡で船先を見詰めている。
双眼鏡は魔具でないが、魔具工場で作っている。
突然船長が怒鳴りだした。
「衝撃砲用意、目標1キロ先」
「目標に狙いが定まれば放ってよし」
しばらくして衝撃砲が放たれた、海面に水しぶきが立った。
そこには大きな海蛇が浮かんでいた。
船員達は海蛇を、引張り上げようとしている。
「それをどうするのだ」
「肉は食べます。皮や骨は売ります」
そして今解体が始まった。
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