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トンネル




宿で机にむかって今までのことを書いていると、ギルド職員が紙の伝言表を持って来た。


「城経由の港町バークレイからの伝言だと聞いてます」


伝言表には、魔道船が新たな大陸を見つけて帰ってきたと書かれている。

上陸して街で多分、偉い人と思われる人と交渉を試みたらしい。


鑑定指輪だけでは、交渉は上手くいかなかった。

言葉が通じない国との貿易交渉で、最初の難問であった。


「すぐに城への伝言だ。貿易学校のマリとバンバに護衛を付けてバークレイへ連れて来るように伝えてくれ」


「分かりました」


ギルド職員は、急いで出て行った。


「それでは私達もバークレイへ行くか、全員に通達して準備に取り掛かってくれ」


兵士達がいそがしく旅じたくをしている。


この街からバークレイへ行くには。一度ローランド城へ行かないと行けない。

港町バークレイとラクノスの街は、地図で見れば距離的に近い。

山が間にあって交通の邪魔をしている。


試しにこの山に穴を掘り、バークレイの道を作れたらと考える。

私には、魔法があるのだから。




山のふもとに到着。私は風魔法のフライを使って空中に浮かぶ。


「領主さま!何処へ行かれるのですか・・・」


「山向こうまで見てくるから待っててくれ」


下では兵士が騒いでいる。


「領主さまが飛んでるぞ・・・」


「俺も飛んでみたいな・・・」




そして高度を上げて山を越えて遠くにバークレイが見える位置と方向を確認。

兵士が待つ地上に降り立つ。


「何をするのですか・・・それだけでも教えてください」


「ここに大きな穴を掘って、バークレイへ行く道を作ろうと思う。反対意見でもあるか・・・」


「いえ、御座いませんが何年掛かるか分からない事業になり領地経営が破綻する恐れが・・・このような事業は、見た事も聞いた事もありません」


「隊長の言う事も一理ある。しかし、私の魔法に掛かれば朝飯前な仕事に変わりない。心配しないで見ててくれ」


早速、穴を掘る。


「あんなに簡単に穴が開いたぞ」


「俺にも魔法があれば・・・」



掘り進み掘った土や石を穴の周りに押し付けて、土魔法で固めていく。

これで落盤事故はないだろう。鑑定結果でも半端ない強度を示している。


大航海に必要な魔道方向指示で方向を確認して、更に掘り進める。

恐いように順調に進み半日で山を抜けた。

前方には森が続き、後ろには10メートル幅のトンネルがあった。


「オーイ、来てもいいぞ!」


ゾロゾロと出てくる兵士も驚きで、声もはっせない。


風魔法の風の刃で伐採してゆく。ある程度、伐採してから土魔法で切り株を浮かしてまう。

浮かした切り株は、邪魔なので無魔法で粉砕して森に放置。

後は土魔法で道を作れば完璧だ。


「あれ!もうこんな時間か・・・」


「領主さまを何度も呼んだのに、気付く気配もなく昼食を取ったことをお詫びします」


そうなのだ・・・日が暮れかかっている。


「私が夢中でしたことだ。気にしなくていい」



野宿の準備をするために、大きめの広場を作り土魔法で簡単な家を建てる。

土と石で出来た建築物は、兵士からの評判もいい。


何故だかここの土には、ガラスに必要な物が色々と揃っていた。

荷馬車にあった1つの成分を混ぜ込みながら空中で板ガラスの製造までやってのける。


そのガラスで窓ガラスとして使用。

残った大量のガラス板は、港町バークレイへ持って行けばいいだろう。





後に、この広場が街へと発展するとは、誰も予想だにしなかった。

ガラス製造の街として反映を極める。


クリスタルガラス(鉛ガラス)の製造で、高級食器や装飾品に使うようになった。

クリスタルガラスは、屈折率が大きい。

なのでガラス表面にカットの切れ込みを入れて、キラキラと光らせて金持ちが喜ぶ物を作り上げた。


そのカットするのも魔道回転砥石(といし)が活躍。


中には表面に色ガラスを使い様々な模様が切り込まれた。



籠目(かごめ)模様

菊籠目模様

ななこ模様

菊つなぎ模様

くもの巣模様

亀甲模様




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