新たな植物
「あれは、シャボの木だ!」
植物調査で最初に発見したのは、シャボの木。
このシャボの木からは、小動物を引き寄せるいい匂いがしている。
ギルドマスターに言わせると、シャボの実をくわえて飛び去ったガヤ鳥を見た事があるらしい。
その後、ガヤ鳥を発見。惨たらしい死骸のかたわらには、シャボの食いかけを発見。
シャボの実が毒だと思ったギルドマスターは、冒険者たちにシャボの実を決して食べるなと通達したらしい。
その後の冒険者の目撃情報で、ガヤ鳥はシャボの実を食べる直前からおかしかったと証言。
「ガウガウ、ガー」と鳴きながら自分自身の羽をくちばしで抜いていたらしい。
最後には、シャボの実を突っついて急に倒れた・・・
なにやら黒い霧が発生したので冒険者は、ヤバイと思い逃げ去ったと報告。
数日後に調査した時には、ガヤ鳥の死骸近くで1メートルに成長したシャボの木があった。
そして、シャボの木の6メートル四方の木や草が枯れ果てている風景が・・・
どうも成長過程でシャボの木から、発散される毒霧が他の植物を枯らしていたらしい。
そのせいでシャボの木しか育たない異常な光景をかもしだしている。
私は、鑑定を発動。
成る程、シャボの実にはモルヒネが多く含まれているのか・・・
実に力が加わるとモルヒネが分泌される。
このモルヒネが脳内に作用して、痛みをなくして歓楽を与えているらしいぞ。
歓楽にいたたまれなくなってガヤ鳥は、実をくわえたまま飛び立つ。
歓楽がピークに達しガヤ鳥は、狂気にかられ実を食べる。その結果、種の周りの毒で死に至らしめる。
そして、シャボを育てる栄養を確保する仕組みらしい。
なんと恐ろしい植物だ。
しかし、モルヒネを適量で使えば痛み止めの薬にもなりそうだ。
「あそこの赤い実は、美味しそうだな」
「取っても食えるかな・・・領主さま、あれは食べられますか・・・」」
「ダメだ!食べたら死ぬぞ!それは、コーカルだ」
取ろうとした手が止まった。
赤い実が麻酔効果があって、中身をかがすだけで眠ってしまう。
そして、かがし過ぎても心臓が止まって死んでしまう。
だから食べるのは、もってのほかだ。
ああ、これも医療に使えそうだぞ。
「あ!あれは、シナイだ」
「こんな巨大草は、はじめてだ」
「俺より身長が高いぞ」
シナイは、2メートルまで育つ植物。中には3メートルのものも・・・
特に目立つのは、3メートルまで広がる葉だ。なので傘の代わりに使うことができる。
シナイの茎をスパッと切ると、液があふれだす。
この液は、衣服を洗う時に使うと汚れがよく落ちて使い勝手がいい。
特にいいのは、洗った後にいい香りがする事だ。
これは、いい商品になりそうだぞ。
「あ!雨が降ってきたぞ」
私の予想だと、にわか雨に違いない。
私は、葉を傘代わりにしているのに、兵士は裸になってシナイの液で頭や体を洗い出した。
「領主さまが言ってたとおりに汚れが落ちるぞ」
「これりゃ良いぞ。いい香りがするし汚れが嘘のように落ちるぞ」
「なんだか肌がつるつるするぞ」
「本当だ!」
「お前!汚いぞ。黒く流れるのは何だ!」
「頭は1ヶ月も洗ってないから」
「だからか香水がプンプン匂ってたのか・・・」
「あれ!雨が止んだぞ」
まだまだ泡だらけな体で途方にくれる兵士たち。
「仕方ない奴らだ。アルト、荷物を」
「はい、もって来ました」
荷物から水ロッドを取り出す。
「アルト、これで放水してやれ・・・」
「水をかけるから順番に並んでくれ」
かけられる水で泡を必死に洗い流す兵士。
そして、今日の成果も色々あった。
モンスターが嫌う臭いを発する草を発見。
タントル草は、獣系モンスターが嫌う臭い発する。
ルルヤ草は、虫系が嫌う。
シアシ草は爬虫類系が嫌う。
これらを乾燥させて粉末にし固めて、ちびちび燃やせばモンスター除けが完成。
冒険者に人気の商品になるだろう。




