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気の強い女




執務室でカリカリと書き込んでいると、ノックの音がした。


「入れ」


ナルタが「失礼します。面会を求めている者が来ました。あの大商団ミラ・カラーズの娘と言う者です」


「それは、本物か」


「面識がありませんが、嘘は言ってないと思います」


「とりあえず、会って見よう」


「かしこまりました」



入ってきたのが派手な色合いの服を着た女性だった。


「わたしがナデア・カラーズよ、早速ですが黄土病の薬を買わせて欲しい。金ならいくらでもだすからいい話でしょ」


「急に来て、そのものいいは承知しかねますね。私はローランド辺境伯です。帰ってもらおう」


「ちょっと待って、わたしには大商団カラーズがいるのよ。きっと後悔する事になるわよ」


「何故後悔するのですか、今はカラーズとは取引はしてないが・・・もしかして君は知らないのか・・・10年前、君のカラーズは、ローランド辺境伯領からの穀物代金を支払っていない。そんな商団を信用する事さえ無理だ」


「え!嘘、わたしは聞いてないけど」


「嘘と言うより、自分自身で調べれば分かる事だ。さあ帰ってくれたまえ」


「ちょっと待って、わたしの兄が黄土病なの絶対薬が必要なの」


私は彼女を鑑定した。


名:ナデア


歳:20


HP50


MP500


スキル 

大商人:商いの才覚の上位スキルで商人の王道をゆく、儲けに対して凄い才覚がある。


魔法

黒魔法:影に身を隠したり、黒球を発射できる


「君は家族からハズレと(ののし)られていないかい」


「何故その事を知っているの」


「私が鑑定で見たからだよ」


「それがどうだというの、あなたも鑑定スキルで追放されて身でしょう。わたしの身にもなってちょうだい。だまだ商売人としては未熟だけど、そんなわたしにも兄だけが優しかった」


「しかし君には、商人に必要な商いの才覚より上位スキルの大商人を取得している」


「わたしにスキルがあったの・・・信じられない」



「君も薄々分かっていたはずだ。大商人のスキルがそれを知らせているはずだよ。何故ハズレが10年前から出現したのか、またレアスキルやレア魔法が出ないのかもなんとなく分かっていた。導かれる答えは、鑑定水晶が低級魔具でレア鑑定ができない。そして、その原因を作ったのは、ミザル・ダーラン。そして姉の第2夫人アザル。それに加担したのがアルア教団と大商団カラーズである事。その者達がこの国を駄目にしている。私がここに来て短い期間だが、調べて多くの事が分かった。」


「それでも・・・」


「10年前と今の王国では、民の暮らしが悪くなる一方だと感じないのか、感じないのなら商人失格だよ。国力も(いちじる)しく低下している現状を見てないのかい。君はこの事がよい事だと思うか、君の大商人に聞いている」


「わたしも何か違う感じがしていても、わたしには力がないのよ」


「それなら私が協力しよう。しかし、君は鬼にならないといけない」


「それは、どう言う事なの」


「親と家族を敵にまわす事だから」


「兄もですか」


「それなら兄を味方に引き入れるといい。君も分かかっているはずだ。このまま行けば大商団カラーズが潰れる運命だ。もう1年前から国内に盗賊が増え続けている事が国民の不満の表れだ。その盗賊が(しいた)げられた国民の成れの果てだと思わないのか」


「分かったわよ。だけど、兄だけは助けて」


「薬が必要なのは、分かるが「はい」とは言えないな。何故なら患者の食事内容を知らないと、薬の調合ができない。君も分かってるはずだ。君の兄の偏った食事を・・・その内容を調べてしらせるように、これを君に貸そう」


「これは何?」


「これは【通信話具】だよ。ここに魔石を置くと、どんなに遠くてもここと話ができる。今やってみたまえ」


私が魔石を置き「何か話しなさい」と言う。


「誰かいますか」


「はい、わたしはローランド城の通信係のサントです。誰ですか、聞いた事がない声ですね。何か御用ですか」


「嘘、石がしゃべってる」


「それがこの魔道具の能力だから驚く事もないよ。この魔道具の事は、絶対秘密だ。分かったら持って帰りたまえ」


「分かったわ。兄の食事内容を調べてしらせる。わたしなりに国内の事を調べて返事をさせてもらうわ」


彼女は振向き早足で帰っていった。


ナルタ「あれは、なんだったのでしょう」


「さあね、気の強い女である事は分かる」




「帆船が帰ってきた件はどうなんだ」


「はい、とても良い貿易ができたそうです。サンプルの薬草の薬と毒消し薬が好評で大量の注文が入ったそうです。何でも南国の黒色病に毒消し薬が効くそうです」


「聞いた事のない病気だな、その黒色病も毒に関係あるかもしれないな~」


「はい、わたしもそう思います。それと衝撃砲なる武器が船員達から凄い評価です。海のモンスターを衝撃砲で退治したそうで、船長も大変喜んでます」


「ほうモンスターを退治したのか・・・どんな風に退治したのかしりたいな」


「後で聞いておきます」


「次の段階に行っていない武器なのに、それ程の力があるとは」


「次の段階とは何でしょう」


「爆発する物を衝撃砲で飛ばす事だよ。長距離を飛ばせるよう改造中だ」


「なんだか恐い話です」


「そうだな、攻城戦で活躍してくれる武器になる予定だ。城壁や門もこれで破壊して一気に突入など考えている。それか城内に持ち込んで重要な施設に設置する。そして時間が経過すると勝手に爆発する仕掛けにする。さぞ驚くだろう」


「それはもっと恐い話です・・・」




「先程ラクノスから連絡がありました。赤いスライムを発見したそうです。それで10倍剣を貸して欲しいと」


「そうか、赤いスライムか・・・分かった予備の3本を送るように」


「早速、送ります」




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