エルフの森
村長と元気になったカレンに見送られエルフの森へ出発した。
「ダンタ、エルフ達との付き合いは長いのか」
「小さい時からの付き合いですから20年以上ですね」
「エルフはどんな亜人なんだ」
「少し気難しいところがあります。根は優しいのがエルフです」
「ならドワーフと仲が悪いのは、何故なんだ」
「さあ、分かりません。昔は仲良くしていたと祖父から聞いてます」
「そうなのか」
「あれです、あの巨木の枝に住んでます」
森の中にひときは大きな木が1本突き出していた。
「ほうー凄い木だ。こんなにでかいと頂上からの眺めも凄そうだ」
「あの木には上がれません・・・神聖な木だそうです。巨木の手前の広場でいつも取引をしてます」
「ほう、上れないのか残念だ」
広場にたどり着いた。
「あの小屋で取引と寝泊りをしてます。わたし達用の小屋です」
しばらく小屋に入り休憩する事にした。
ダルタは小屋を出たり入ったりしている。何かありそうだ。
「ダルタ、何かあったか」
「いつもは広場に来るとエルフは待っているのですがやけに遅いと思ったので心配しています。何か悪い事があったのかも知れません」
「そうか、いつもと違うのだな」
「はい、あ!きました」
エルフの男女だろう若くキレイな顔をしている。
ダルタはその男女に駆け寄り話し込んでいる。
ダルタが手招きして呼んでいて近づく。
「例のモンスターが関係しているかも知れません」
「それはどう言う意味だ」
「でかいブラックウルフがエルフの里を襲ったそうです。祈りをささげていた女王に、傷を負わせて今も巨木の上に潜んでるそうです。女王は謎の病気にかり寝込んでいるそうです」
「それは、もしかして毒だと言いたいのか」
「はい、わたしはそう思います」
「ブラックウルフの眼が、負傷してないか聞いてくれ」
「負傷していると言ってます」
「例の薬で治るかもしれないが毒消しの草がないと作れない。薬草があるところに生えているから案内を頼んでくれ」
「薬草のあるところへ案内すると言ってます」
魔の森より高品質だぞ。これならいい毒消しが作れそうだ。
こっちにも使えそうな草が多く生えているぞ。ついでにもらっれおこう。
あ!これなんか甘い実がなる草だ。
残念な事に草自体が甘いから実がなる前に食われてるぞ。
見渡す限り・・・この草しか生えてない。
これも土と一緒に持って帰ろう。
「必要以上にあれもこれも取ってもいいのか」
「取ってもいいそうです」
新しい草も発見して、夢中に草取りをしてしまう。
「領主さま、ソロソロ薬を作らないと」
「ああ、分かったよ作るから待っててくれ」
毒消しの草を浮かべて、粉々にして搾り出し回転して分離して出来上がった。
小瓶に注ぎ込んでエルフに渡す。エルフは呪文を唱えて消えてしまった。
「あれは、魔法か」
「精霊術と言うそうです。精霊と言葉を交わして使うそうですが・・・わたしには、原理も精霊も見たことがありません」
「エルフの神秘をかいま見た気分だな」
護衛官の1人に毒消しの小瓶を渡し、ドワーフの里へ届けるように指示した。
護衛官は駆け出し、ドワーフの里の方へ向かって行った。
1時間近く待って居るとエルフが現れた。
「女王がよくなったそうです。精霊のお告げで、女王への対面が許されたようです。行くのは領主様だけなのでどうしますか・・・手荒な事はないと思いますが」
護衛官「駄目です、もしもの事があればどうするのですか」
「ここはエルフを信じて行こう」
エルフは私の手を取り呪文を唱えた。
一瞬だがめまいが・・・辺りの風景が一変していた。
ここが木の上なのか・・・あ、私の頭上に白い球が浮かんでいる。
この球が私を引き寄せたのか・・・
あ!あっちこっちに大きな球が浮いているぞ。お多分あれが住居なのだろう。
しかし、周りの視線が気になる。
エルフたちが私を見ている。
そして私はある物を発見した。巨木の枝先に実る丸い果実。
それは鑑定で分かった事だがスキルオーブであった。
古代にあったスキルオーブの正体が果実だった。
鑑定していくと剣・槍・剛腕・素早いなど技系と身体系のスキルがあった。
もっと鑑定しようとしていると、さっきのエルフが分からない言葉で呼んでいるようだ。
ついて行くと巨大な白い球の前にエルフが手をかざす。
小さな穴が開きそして大きくなりエルフは入っていった。
私も続いて入ると1段高いところに座る少女と3人のエルフがいた。
1人のエルフが少女にお辞儀をしてから喋り出した。
「その者が女王を治した者か」
「×××」
「そうか、ならばその者の望む物を言うが良い」
私はしばらく考えて言った。
「この木の果実が欲しいです」
エルフは女王になにやら話して、こちらを向いた。
「分かった、果実を3つ授けよう。しかし取った果実の効果は10分で消えてしまうぞ。気をつけて選ぶように」
「ありがとうございます」
先ほどのエルフにうながされ退出した。そして果実が実るところへ案内された。
初めて高い所に立っているのだと気付いた。下に広がる景色に圧倒される。
気を取り直して果実を鑑定する。
私は剣術の中で1番高レベルのⅧを取りかぶり付き食べた。
次は剛腕Ⅶを取り食べた。次は素早さⅧを取り食べた。
名:カルエル
歳:15
HP180
MP1500
スキル
鑑定X:通常の鑑定の上位スキル
剣Ⅷ:剣の熟練度が増して様々な技をくり出す
剛腕Ⅶ:力が強くなる
素早いⅧ:素早い動きができ、危険を感じた時に凄い動きができる
魔法
魔法X:全魔法使用上位魔法
スキルのせいでHP20から180に上がっていた。
訓練や経験を積めばもっと上がるだろう。私は少しワクワクしてきた。
エルフは私が3つを食べた事を確認して、また手を取り呪文を唱えた。
そして私はあの広場に戻ってきた。護衛達は駆け寄り喜んでいる。
「領主さま、彼らは感謝しているようです。薬草と今日採取した草も今後の取引で用意すると言ってます」
「そうか、それは良かった」
「それと、毒消し薬を取引にくわえて欲しいと言ってます」
「渡しそびれたが、この毒消し薬3本を渡しておこう」
エルフはお辞儀して受取った。そして呪文を唱え消えた。
「ダルタはエルフ語をいかに習ったのだ」
「エルフの森には小さな時から来ていました。知らないうちに話せるようになりました。エルフ語を話せるのは、親父と叔父と私だけです」
「そうか今後ローランド辺境伯領の為に頼むぞ」
「はい、分かりました」
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