0087:メンバー追加した
棺の中にいた真っ裸の紫髪の美女を鑑定してみたところ
〈鑑定〉
ホムンクルス
スキル:???
「ホムンクルスって、鑑定で出てきたよ。」
『ご主人様、ホムンクルスって何ですか?』
「多分だけど、錬金術で作られた人工生命じゃないかな?」
『………はい。半分正解です。』
「え? じゃあ、残りの半分は?」
『………私は、元々はヒューマンでしたが、「カズト ヤマダ」様に改造してもらったんです。』
「改造?」
『………はい。元々、私は死の病に侵されていましたが、「ヤマダ カズト」様に龍の魔石を埋め込んでもらい、龍の力で死の病を抑え込んでいるんです。ただ、龍の魔石が身体に馴染むためには膨大な時間を必要としましたので冬眠状態になったのです。』
人間の身体に魔石を埋め込むなんて全く想像も出来ないな。しかも、その結果で数千年も寝たままだったのか。
「うん? 今、「ヤマダ カズト」って言ったよね?」
『………はい。確かに言いましたが?』
「確か、俺達が使っている馬車の作成者も「ヤマダ カズト」だったな。ヤマダさんって凄い人なんだな。」
『ところで、貴方からは「ヤマダ カズト」様と同じ雰囲気がしますが、ひょっとして、貴方はニホンジンですか?』
「え? そうだけど、でも雰囲気でそんなことまで分かるんだ?」
会話の途中で、マリーナが
『あの~、会話の途中で悪いんだけど、貴女、丸裸だし、そろそろ何か着たほうが良くない?』
『………そうね、でも、今は何も着るものは無いし。』
『いや~、そうじゃなくて恥ずかしく無いの? 色んな部分が丸見えだし・・・』
『………いえ、あまり。』
『レイさん、ちょっと後ろ向いてて下さい。あと、私の服と下着を出してもらえますか?』
残念ながら目の保養タイムが終わってしまった。紫髪の美女はサーラの服を着たようだ。
『レイさん、もう大丈夫ですよ。』
サーラの服が良く似合っている。
「そうだ。名前を聞いていなかったね。」
『私の名前は、ジャンヌと言います。』
「ありがとう。俺の名前はレイ。」
『私はアイリーンよ。』
『マリーナよ。』
『レジーナです。』
『私の名前は、サーラよ。』
『エリーと言います。』
とりあえず、お互いに自己紹介は終わったがこれからどうしようか?
「ジャンヌさんは、これからどうするの?」
『………どうするとは?』
「いや、どこかに身寄りがあったり、行く宛てがあったりするの?」
『………そんなものは無いです。』
そりゃあ、そうだよな。あるはずが無いよね。
となると・・・アイリーン達のほうを、チラッと見ると
『はぁ・・・いいですよ、ご主人様。このままジャンヌを放っておけるわけ無いですからね。』
『………いいの?』
「あぁ、大丈夫だよ。アイリーン達も了解してくれたようだし。」
『旦那様、良かったですね。またハーレムメンバーが増えましたよ。』
「いや、ちょっと待て。違うでしょ?」
『………ハーレム? 入れてもらってもいいの?』
『『え、ジャンヌ、本気?』』
『………うん、駄目ですか?』
え? マジなの? ハーレムの意味分かっているのか?
『………あと、それ。みんなの手の甲の紋章って奴隷紋だよね? 私もそれが欲しいです。』
えっと、ジャンヌは色々と滅茶苦茶だ。本当に大丈夫なのかな?
「ちょっと待って、ジャンヌ。ハーレムの意味は分かっている? 奴隷の意味は分かっている? 本当にいいの?」
『………うん、分かっている。私の時代にもハーレムも奴隷制度もあったので理解している。特に問題無いです。』
数千年前からハーレムも奴隷制度もあったのか。まぁ、当たり前にあったんだろうなという気がするな。
「分かったよ。とりあえず、一旦ダンジョン都市に戻ろうか。」
『………分かりました、レイ様。』
「え、なに? レイ様? 突然、どうしたの?」
『………はい。皆様、呼び方を使い分けしているようなので。』
「………分かった、それでいいよ。とりあえず、さっさとダンジョン都市に戻ろうか。やることは色々とあるしね。」
ーーーーーーーーーー
とりあえず、ダンジョン都市に戻ってきた。まずは、奴隷商にジャンヌの奴隷契約を済ませた。
『………奴隷紋、格好いい。』
ジャンヌが奴隷紋をうっとりとしながら見つめて呟いた。まぁ、本人が気に入ったようなので深く考えるのはやめた。次にギルドに向かい、ジャンヌの冒険者登録とパーティー登録だ。
ギルドに到着し受付嬢のところに向かうと
『あれ? レイさん、またハーレムメンバーが増えたの?』
受付嬢までマリーナと同じことを言ってきた。
「ハーレムメンバーじゃなくて、パーティーメンバーね。それで、新しいメンバーのジャンヌの冒険者登録とパーティー登録をお願いしますね。」
受付嬢がジャンヌの冒険者登録をしようとしたところで、ジャンヌがホムンクルスであることを思い返した。ヤバい、ジャンヌがホムンクルスであることがバレるかも? とドキドキしていたら、あっさりと冒険者登録が完了した。 受付嬢がジャンヌをジロジロ見ながら
『こんなに綺麗なヒューマンの女性もいるんですね。まるでエルフみたいですよね。』
え? ヒューマン? どういうことだ? と考えていると、ジャンヌが小声で
『………レイ様、私の種族は元はヒューマンですから。鑑定スキルでも無い限り、ホムンクルスとは分かりませんよ。』
「え、何で?」
『………隠蔽スキルですよ。パーティー登録したから私のステータスが見れると思いますよ。』
アイテムボックスにストックしてあったスキルをジャンヌに付与してからステータスを確認したところ愕然とした。
名前:ジャンヌ(主人レイ)
種族:ヒューマン(ホムンクルス)
年齢:4985
筋力:72(+20)
体力:69(+20)
魔力:75
器用:61(+10)
スキル:
【雷魔法Lv23】【大剣術Lv20】【弓術Lv18】
【豪腕】【剛健】【俊足】【毒耐性】
「何これ? チート過ぎないか?」
『………龍の魔石の恩恵ですよ。レイ様から貰ったスキルでさらにステータスアップしましたけど。』
「いやいや、このステータスなら素手でもモンスターと戦えそうだよ。」
俺とジャンヌがこそこそと話をしていると、受付嬢が
『あの~? レイさん? 何か問題でもありましたか?』
「あ、いや。こっちの話だから。あと古城の調査だけど、古城の屋上にハーピーの巣がいくつかあったよ。多分だけど商隊が襲わられるのはハーピーが原因だったんじゃないかな?」
『なるほど。確かに古城の屋上にハーピーの巣があれば、その可能性は高いですね。ありがとうございます。早速、討伐依頼を出しますね。』
「え? もう討伐して来ましたよ?」
『え? もうですか? 失礼ですが、討伐証明部位はお持ちですか?』
「俺のアイテムボックスに入っていますよ。どこで出せば良いですか?」
受付嬢に受付カウンターの奥に案内され、アイテムボックスから58匹分のハーピーの討伐証明部位と魔石、そしてハーピーの羽毛を取り出した。
『こんなにハーピーがいたんですね。そりゃあ、襲われもしますよね。あ、これ全部買い取りしますか?』
「あ、そうだね。よろしくお願いします。」
買い取り査定が終わり、古城の調査依頼も完了報告した。合計の報酬は大金貨1枚、金貨2枚、大銀貨5枚となった。
「さてと、最後はジャンヌの武器を買いに行こうか。ジャンヌはどんな武器を使いたい?」




