0083:ダンジョン都市から待避
ボッター屋敷を出てギルドに向かった。一応、事の経緯だけはギルドに報告しておいたほうが良いよな。ギルドに到着し中に入ると受付嬢がいた。
ギルドの受付嬢にボッター屋敷での出来事を伝えた。すると受付嬢から
『レイさん、本当に申し訳ありませんでした。今回のことはギルド長にも報告しておきますね。しかし、ボッター商会がそんなことを言ってくるとは、本当に何を考えているんでしょうか?』
まぁ、相手は豚だからな。何も考えていないと思う。ギルドに報告してもあまり事態が好転するとは思っていないが何かあった場合、フォローくらいはしてくれるだろう。
しかし、結局のところ2日間、何もしていない状態だ。まだ金には余裕はあるがちゃんと金を稼がないとね。
「とりあえず、ギルドにも報告したし、今日はどうしようか?」
『今からダンジョンに行ってもなんですし、とりあえず、依頼ボードだけ見てみますか? レイさん。』
「そうだね。良さげな依頼があれば良いんだけどね。」
ランクC、Dの依頼欄を中心に依頼内容をチェックしていくが、これはという依頼が無いな。
「う~ん、あまり良い依頼は無いねぇ。」
『ご主人様。そんなに毎回、良い依頼があるわけじゃ無いですよ。』
すると、レジーナが1つの依頼書を持ってきた。
『主様、これ面白そうだよ。』
レジーナが持ってきた依頼書の内容を見てみると、このダンジョン都市から馬車で2日ほど離れた場所にある古城の調査依頼だ。
「ふ~ん、古城の調査依頼か。へぇ、近くを通る商隊がたまに襲わられているみたいだね。ちょっと詳細を確認してみたいね。」
依頼書を持って受付嬢のところに向かった。
「すみません、この依頼書の詳細を確認したいんですけど。」
『あぁ、古城の調査依頼ですね。良いですよ、何でも聞いてください。』
受付嬢は簡単に説明してくれた。古城はダンジョン都市が出来る前からあった城で、元々は城を中心に街があったが大量のモンスターに襲撃されて街が壊滅した。しかし、城だけは丈夫なため、まだ古城として現存しているとのことだ。
そして最近、その古城の近くにある街道を通過する商隊が襲わられているとのことだ。なので古城をアジトにしている盗賊がいるのでは? ということで、調査依頼が出されたらしい。
「なるほどね。少しの間、このダンジョン都市から離れるのにちょうど良い依頼かも知れないね。」
しかも期限も無いので、のんびりと依頼をこなせるのも良いところだ。
「この依頼を受けても良いですか?」
『えっと、この依頼を受けてくれるんですか? 正直、旨味は無い依頼ですけど?』
ギルドの受付嬢がそんなことを言っては駄目だろうに・・・嘘でも良いから冒険者のやる気を引き出すようにしないと。
「この依頼の一番の旨味は、しばらくの間でも、この町から違和感なく離れられることかな。」
『あ~、確かにそうですね。分かりました。では、すぐに依頼受付の手続きをしますね。』
無事に古城調査の依頼手続きが完了した。古城までの地図も貰い、ギルドを出た。
「さて、明日出発するか、今日このまま出発するか、どっちにしようか?」
『レイさん、今日このまま出発しましょう。』
サーラはボッター商会がどう出てくるか懸念があると言っている。他のメンバーも同意見のようだ。
「分かった。じゃあ、今日このまま出発するとしようか。」
馬車広場に戻り、馬車に乗るとそのまま城門の外に出た。御者席にはアイリーンとエリーがいる。エリーはまだ馬車を運転したことが無いのでアイリーンから教わっている。まぁ、この馬車はそれほど覚えることが無いんだが。
数時間後、アイリーンとエリーがマリーナと交代して戻ってきた。エリーが少し興奮気味に
『レイくん、この馬車って凄いですね。速いし、操作も簡単だし、揺れないし、何よりも誰でも簡単に操作出来るし、とにかく凄いです!』
「あ、うん、そうだよね・・・」
ダンジョン都市を昼過ぎに出て来たため、すぐに夕方になった。そろそろ夕食の準備をしないとね。
馬車を停止させて、テーブルや椅子をアイテムボックスから取り出した。するとレジーナが
『主様、向こうに野生のシカの群れがいます。狩っておきますか?』
アイテムボックスの中には十分な食料が入っているが、俺のアイテムボックスの中なら腐らないので野生のシカ肉も入れておけるな。
「アイリーン、マリーナ、エリーは夕食の準備をしておいてくれるか? 肉を焼くだけだし。俺達は野生のシカを狩ってくるよ。」
アイテムボックスから、オークの霜降り肉を出した。
「この霜降り肉で頼むよ。」
『『了解しました!』』
俺とレジーナとサーラの3人で野生のシカの群れに向かった。レジーナが野生のシカのいる方向へ案内し、サーラは弓矢を構えたまま続く。
野生のシカは8匹いた。俺が魔法でシカの足を狙い、サーラは弓でシカを攻撃し、レジーナがシカの止めを刺した。結果、全部で3匹のシカを仕留めることが出来た。元々全部仕留めるつもりは無いので、これで十分だ。
レジーナが仕留めたシカを素早く血抜きしていく。血抜きが終わった後、シカを俺のアイテムボックスに入れていく。シカは2mくらいの大きさだ。3匹いれば1週間は持つはずだ。多分だけど。
「さて、アイリーン達のほうは準備出来たかな? まぁ、さすがに肉を焼くだけだしな。」
アイリーン達のところに戻るとちょうど肉が焼けたところで良い匂いがしている。ちょっと不安であったが、大丈夫だったようだ。
『ご主人様、レジーナ、サーラ、ちょうど肉が焼けたところですよ。早速、肉を食べましょうか。』
良かった。さすがに肉を切って焼くだけなら出来るようだ。相変わらず、オークの霜降り肉は旨い。10Kgくらいあったはずの霜降り肉が完食になりそうだ。
「これに胡椒があれば、もっと旨くなりそうなんだけどね。」
『主様、もっと旨くなるの? 胡椒って何?』
「あれ? 胡椒を知らない? ひょっとして調味料って知らない?」
『調味料くらい知っていますよ。塩と砂糖だよね、旦那様。』
「塩と砂糖も調味料だけどね・・・」
マリーナはドヤ顔で言ってきたが、2種類だけなのは、マリーナが料理出来ないから知らないのか、一般的な調味料が2種類なのか分からないな。
確かに、食堂で出てくる料理がスープばかりなのは調味料の種類が少ないからか、もしくは胡椒等の調味料が高級だからなのかも知れない。今度、調味料を探すのも楽しそうだな。
夕食の食べ終わり、ここで夜営にすることになった。夜営といってもバトルホースがいるため見張りは必要無いが。
「さて、風呂に入ってゆっくりしようか?」
もちろんアイリーン達を抱いた。やっぱり冒険はこうあるべきだよね。
この至福の時間は誰にも譲れない。
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