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0079:6階層探索


朝、起きてからキスをするという儀式にエリーもちゃんと参加している。儀式が終われば朝食の時間となる。朝食を食べながら、本日の予定を決める。家族会議みたいなものだ。


「さて、今日はどうしようか? 普通にギルドの依頼を受けるか、ダンジョンの6階層に向かうか、もしくは全然別のことをするか?」


『そうですねぇ、ダンジョン6階層が5階層と同じような場所ならダンジョンでも良いんですけどね、レイさん。』


皆、うんうんと頷いている。そりゃあ、俺もそう思う。5階層と同じなら正直、ダンジョンの中でも町の外でも大差は無い。むしろモンスターの剥ぎ取りが無いだけ、ダンジョンのほうが楽かも知れない。


『そういえば、ご主人様。オークキングから新しくスキルは取得出来なかったんですか?』


「おっと、すっかり忘れていたよ。フッフッフ、聞いてビックリしないでよね?」


『旦那様。勿体ぶらずに、さっさと言って下さいよ。』


マリーナめ、少しは勿体ぶせてくれても良いのに。空気の読めない娘だ。


「なんと、錬金術だ!」


『『え、マジですか? すご~い!』』


「でしょ? 凄いでしょ?」


『レイさん。早速、錬金術を使ってみて下さいよ。』


「よし、待っててね。今、使ってみるから。」


頭の中のスキルリストから、錬金術を選択する。………選択した。


『主様? なんかした?』


錬金術スキルを使うおうとすると、目の前にはスクリーンが表示されて


【レシピを選択して下さい】


となっている。なのでレシピ一覧を見ると空っぽだ。なんだこれ? レシピ一覧の横に


【素材を選択して下さい】


と表示されている。素材一覧を見ると俺のアイテムボックスに入っている物が一覧で表示された。


「これは、自分で色々と試して錬金レシピを増やせってことか・・・」


『『え? そうなの? なにそれ?』』


そんなに都合良く錬金術が使えるわけじゃ無かった。でも、とりあえず試しにアイテムボックスに入れっぱなしだった薬草を出してみる。


『ご主人様、草なんか出してどうするんですか?』


「まぁ、ちょっと見ていてよ。」


テーブルの上に皿を置き、皿の上で薬草を手で握る。再度、錬金術スキルを発動させ、素材に薬草を設定すると、手にした薬草が溶けて水となり、皿に溜まった。その皿の液体を鑑定してみると


〈鑑定〉

ポーション

品質:中


「やっぱりだ。薬草からポーションが出来たよ。品質は中だって。」


『レイさん、凄いですよ。普通、ポーションは薬剤師ギルドからしか買えないんですよ? しかも、低品質でも大銅貨1枚はしますよ。』


『ご主人様、薬剤師ギルドから目を付けられないようにしないと駄目ですね。』


「え? なにそれ? 薬剤師ギルド?」


『薬剤師ギルドは、その名前の通りポーション等を作っているギルドですが、ポーション等の作り方は薬剤師ギルドの秘伝扱いです。』


「秘伝だから、俺がポーションを作れると知られると薬剤師ギルドから目を付けられるわけか。」


『はい。なので、あまりにもやり過ぎると目を付けられる可能性はありますよ。だって、低品質でも大銅貨1枚ですよ?』


とりあえず、錬金術に関しては自分達が使う分くらいにして、レシピは徐々に増やしていくことにしよう。ちなみにポーションを作成したらレシピに【ポーション 中】が登録されていた。


朝食後、中級者用ダンジョン6階層に向かうことにした。ポータル使用料を支払い6階層へきた。


5階層は森をベースにしていたが、6階層は草原をベースにしているようだ。常に風が吹いており、草原が風で揺れている。


「良い景色だね。」


『『はい。ダンジョンの中だってことを忘れそうですね。』』


少し景色を眺めていると、馬の群れが近づいて来るのが分かった。巨大で真っ黒な馬だ。


〈鑑定〉

デビルホース x3

スキル:俊足


デビルホース x3

スキル:無し


「デビルホースだって。初めて見るスキルを持っているね。まずは俺とサーラの魔法で先制攻撃をするね。」


アイリーンとエリーが盾を持ってデビルホースと対峙している間に俺とサーラは魔法の準備をする。


サーラの準備が完了したようで、アイリーンとエリーに指示をする。


「アイリーン、エリー、横に避けて。」


指示と同時に2人が横に飛び、そこに出来た隙間から魔法を放った。スキル無しのデビルホースは呆気なく魔法で倒れたが、スキル持ちはダメージを受けつつも魔法攻撃に耐えたようだ。


「さすがにスキル持ちは違うね。」


『レイくん、モンスターに感心してる場合じゃ無いでしょ?』


そりゃそうだ。神刀ミロを片手に持ち俺も前線に加わった。アイリーンとエリーがデビルホースの前蹴りを盾でブロックする。デビルホースの前脚を真上から受け止めている。


『お、重い・・・ご主人様、早く・・・』

『レイくん、早くなんとして・・・』


マリーナがアイリーンとエリーの間からデビルホースの首に目掛けて槍を繰り出す。剣では届きにくい距離だったが槍なら届いた。


『ふっふ~ん、どうですかぁ? 旦那様。』


「あ~凄いねぇ。ただ、まだモンスターが残っているからね。」


『ねぇ、ちょっと、私の扱いが軽く無いですか?』


「後で褒めてあげるから、今はモンスターを倒そうよ。」


デビルホースは前脚で俺達を踏み潰そうとしてくるが、さすがに踏み潰されることもなく、前脚をかわしては斬るを繰り返した。


数十分後、ようやく全てのデビルホースを倒した。そして、いつものスキル取得スクリーンが現れた。


【俊足】スキルを取得しますか?

[はい] [いいえ]


当然、[はい]を選択した。スキル欄に【俊足】が加わり、ステータスを確認してみたところ、予想通りステータスアップしていたが、器用が+10しか上がらなかった。


「ちょっとステータスアップが少なかったよ。残念だな。」


『ご主人様、それは贅沢ですよ。普通はステータスが10も上がれば十分ですよ。』


「そういうもんなのかな?」


『そういうもんですよ。』


とりあえず、残り2つの俊足スキルはアイリーンとエリーに付与した。


「マリーナ達にも付与したいから、もう少しデビルホースを探そうか。レジーナ、探せる?」


『任せて、主様。余裕だから。』


レジーナが次々とデビルホースの群れを探し当ててはデビルホースを倒していった。2回ほどデビルホースの群れを倒したところで全員に俊足スキルが付与出来た。


デビルホース狩りが落ち着いたところで昼食とすることになった。昼食持にエリーから


『そういえば、マリーナってレイくんに対してかなり砕けた話し方をしているけど、最初っから? あ、悪い意味で聞いている訳じゃ無いからね。』


「あ~、最初は猫を被っていたよ。今の感じは最近からじゃないかな?」


『そりゃあ、最初は猫も被るよ。だって旦那様がどんな人か分からなかったからね。でも、ほら、旦那ってこんな感じだから、砕けた話し方のほうが良いんじゃないかな~って。』


「まぁ、俺もあまり気を使わられるのは好きじゃないしね。だから気にしてないよ。」


もちろん、ある程度は、である。


『じゃあ、私もそうするね。』


昼食が終わり6階層の探索を続ける。デビルホース以外で遭遇したモンスターといえば、グラスウルフだけだった。グラスウルフはスキル無ししかいなかったのは残念だった。


探索をしているうちに7階層への下り階段を発見した。7階層のポータルをギルドカードに登録して、本日は戻ることにした。


本日の6階層の成果は


デビルホース x16

グラスウルフ x12


極上馬肉 x7

狼の毛皮 x5


だった。ギルドに行き、買い取りをしてもらったところ、合計で大銀貨5枚、銀貨3枚、大銅貨8枚だった。もちろん、馬肉は売っていない。


ギルドから馬車広場への帰り道、雑貨屋の前を通った時にあるものが目に入った。本当にたまたま目に入ったのだが。


「あれって蒸し器じゃないか。」

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