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0072:偵察をしてみた


ちゃんと見張りの役割を終えて、馬車の中に戻って寝ているとギルド職員と思われる男性が部屋の扉をノックしてきた。


『そろそろ、オークの巣の近くに到着しますので準備をお願いします。』


ようやく、目的地に着いたようだ。アイリーン達も起きたようだが少し眠そうだ。すまないな、変な見張り順にしてしまって。


暫くすると馬車が停止したので、部屋を出て馬車の外に出ると300人程の冒険者達が同じように外に出ている。


馬車で寝ていたので、ここが何処なのか、さっぱりと分からない。分かっているのは、今は森の中にいるということだけだ。


すると、副ギルド長のゴメスが仕切り始めた。


『よし、ここをオーク討伐の拠点とする。全員に伝えておくが、ここから北の方向に向かうとオークの巣がある。間違っても北には近づくなよ。』


こちらが風下のようだな。さすがにその辺は抜かりはないか。するとゴメスから


『各パーティーのリーダーと、ソロで参加している冒険者はこちらに集まってくれ。』


ゴメスの周りに7~80人くらいの冒険者が集まった。結構な冒険者の数だな。


『先程も言ったように、ここから北にオークの巣があるわけだが、今現在、どれくらいのオークがいるのか? 上位種がいるのかどうかを確認したい。偵察に行けるメンバーはいないか?』


………

………


誰も手を上げないな。仕方が無いな。


「俺と俺のパーティーメンバーで偵察に向かうよ。」


『ほう、やれるのか? 大丈夫なのか?』


「俺には気配探知スキルがあるし、もう1人のメンバーは狼人属で気配探知能力はかなりあると思う。なのでオークに見つからないように巣の近くまで行けるかと思う。」


『なるほどな。だが念のために気配探知の実力を確認させてもらっても良いか?』


「別に構わないですけど、どうやって確認しますか?」


レジーナを呼んで、俺とレジーナは目隠しをされた。確認方法は後方にいる人の人数を当てるというものだった。シンプルではあるが分かりやすい確認方法だ。


結果は、俺は300m、レジーナは500mくらいなら確実に探知出来ることを証明した。レジーナには気配探知スキルは無いはずなのに負けた・・・


『あの狼人属の女、凄いな。』

『あぁ、あんなに離れているのに動きまで把握出来ていたしな。』


くっ、俺も300mまでならレジーナと同じことが出来るのだが。


『旦那様、残念でしたね。ちょっとレジーナが凄すぎでしたね。』

『レイさん、レイさんも凄いですよ。』


今回は慰めないで欲しい。余計に敗北感が・・・

敗北感に酔いしれているとゴメスが近寄って来た。


『2人とも大したものだな。これなら安心して偵察を任せられるな。よろしく頼むぞ。』


「………これから偵察に行ってきますね。」


『ご主人様、レジーナ、気を付けてくださいね。』


俺とレジーナの2人で北の方向に向かった。レジーナを先頭に進んでいく。森の中を進んでみて分かったことだが、街道からはそれほど離れていなかった。


「しかし、歩きにくい森だね。」


『ほとんど、人が入っていない証拠ですね。』


ゆっくりと森の中を進んでいくと、レジーナが


『主様、この先にオークが2匹います。どうしましょうか?』


倒して進むのか、避けて進むのか、どちらにするのか? ということだよな。避けて進むと後で背後を取られる可能性が残る。なら倒すべきだよな。


「2人でオーク2匹を倒せるかな?」


『奇襲をかければ大丈夫かと。ただし、逃げられると非常に不味くなります。』


逃げられると仲間に知らされてしまうリスクがあるということか。ただ、背後に敵を残してはおきたくないな。


「よし、倒そう。絶対に逃がしては駄目だからね。多少の怪我は気にしないように。すぐに治すから。」


『了解しました。』


ゆっくりと、オークがいる方向に進んでいく。出来る限りの大きめの木に身を隠すようにしながら進むとオークがいた。


オークはまだこちらに気付いていない。50mくらいの距離まで近づいたところでオーク達に襲いかかった。50mくらいなら3秒くらいで到達出来る。前世ならオリンピックで世界新記録を出して金メダルが確実に取れるな。


オークは元々動きが遅いモンスターなので3秒ではこちらに対応が出来ず。まず1匹目の首を跳ねた。次の2匹目に視線を向けるとレジーナが倒していた。


オークの死体をアイテムボックスにしまい、先に進んでいく。オーク討伐拠点から2Kmくらい進んだところでオークの巣を発見した。


「これは・・・ちょっとした村だね。」


『オークが家を作るなんて驚きです。』


もちろん、普通に人が住むような家では無く、昔ネットで見た原始時代の家という感じではあるが家であることには違い無い。そして、そんな原始時代のような家が数多くある。


家の数としては、およそ100。1つの家にはオークが2~3匹は入りそうだ。なのでオークは200~300匹程度はいるはず。


家の外に出ているオークを見ると、鎧を着たオーク、弓を持ったオーク、杖を持ったオーク等がいる。鎧、弓、杖持ちは全部で20匹程度か。


〈鑑定〉

オークジェネラル

スキル:剣術、攻撃支援


オークアーチェリー

スキル:弓術


オークメイジ

スキル:火魔法


全部を鑑定したわけでは無いがやはり上位種のようだな。


「う~ん、ボスらしきオークが見つからないね。オークジェネラルがボスなのかな?」


『あの村の中心にある少し大きめの家にいるんじゃないでしょうか?』


「かも知れないね。ただ、これ以上ここにいても仕方が無いね。そろそろ拠点に戻るか。」


『そうですね。ここいらが潮時ですね。』


来た道を戻り、拠点に戻って来た。早速ゴメスに結果を報告にし行くと、他のパーティーのリーダー達もいた。


俺達が偵察で見たことをそのまま伝えたところ、冒険者達が


『思った通りよりもオークの数が多いな。』

『鎧や弓や杖って上位種じゃないのか?』

『俺達だけで倒せるのか?』


オークの数が想定よりも多くてビビっているのかな? すると、ゴメスが


『落ち着け! 元々、オークは100匹以上だと言ってあったはずだ! それでも、こっちには300人の冒険者がいるんだぞ。』


確かに100匹以上とは言っていたが、2~3倍では結構違うと思うが。


『しかし、副ギルド長、上位種の数もそれなりに多いし・・・』


『まぁ、待て。作戦を考える。そのためには戦力を把握したい。魔法使いがいるパーティーは魔法使いの人数を教えてくれ。』


魔法使いがいるパーティー自体、数が少ない。なので、魔法使いがいても1名だ。俺の番になった。


「俺達のパーティーは魔法使いが2名だ。」


『おぉ、マジか?』、『凄いな。』等の声が聞こえた。ゴメスが


『分かった。ありがとう。作成を考えるから1時間後に再度集まってくれ。』


とりあえず、休憩時間となった。馬車に戻ろうとしたところ、ゴメスから感謝の言葉が。


『偵察の件、ご苦労だったな。助かったぞ。』


役に立っているようなので、ちょっとだけ嬉しく感じた。

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