0063:盗賊は面倒臭い
遺跡の中で一晩を過ごした。馬車の中があまりにも快適なため、ここが遺跡の中であること忘れてしまっていた。アイリーン達もぐっすりと寝ている。相変わらずエロい寝姿だな。胸がポロンと出ているよ。
「このまま見ていたいけど、ずっと見ているとまた朝からハッスルしちゃいそうだよな。残念だけど、そろそろ起こすか。お~い、みんな起きろ~。」
『『う~ん、、、』』
「おはよう。みんな、起きた?」
『おはようございます、ご主人様。』
『おはよー、旦那様。』
『主様、おはよう。』
『レイさん、おはようございます。』
次々と朝のキスをしてきた。完全に習慣化されたようだな。とりあえず、朝食をアイテムボックスから取り出した。
「そういえば、盗賊って見なかったね。」
『旦那様、盗賊って、何でしたっけ?』
『主様、何で盗賊を探してるの?』
ここに何しに来たのか忘れてしまったようだ。それだけ馬車を発見したことが印象的なんだろう。
「ほら、ハビの村の村長に頼まれていたでしょ? ここが怪しいからって調査しに来たんだし。」
『あぁ、そういえば、そうでしたね。忘れてました。』
『確かに。』
「まぁ元々はこの遺跡の調査が依頼だったから、これで依頼自体は完了だけどね。」
朝食が終わり出発の準備を始めた。準備といっても着替えて終わりだけど。
「じゃあ、一旦馬車から降りたら馬車はアイテムボックスに入れておくからね。」
馬車から降りて、馬車をアイテムボックスにしまった。そして遺跡の階段を登って行く。1階にたどり着いたところで、レジーナが上を見ている。
『主様、上の階に人の気配がしますね。』
「あ、本当だ。俺の気配探知でも分かるね。冒険者かな? それとも盗賊かな?」
『う~ん、さすがに気配だけではそこまでは分からないですね。』
さすがのレジーナでも気配だけでは盗賊なのか、冒険者なのかを判断するのは出来無いらしい。当たり前だけど、ちょっと期待していたので残念だ。
「そりゃ、そうだよね。さて、どうしようか? 気配の数からすると、人数は7~8人くらいだよね。倒せない数では無い気もするけど。」
『とりあえず、ゆっくりと近づいて確認してから決めましょうか、ご主人様。』
50m四方の大きくない遺跡のため、上に登るための階段は直ぐに見つかった。念のため、気配探知を使い、見張りがいないか確認してみたが、見張りはいなかった。
「見張りをおかないって馬鹿なのか? それとも盗賊ではない?」
『主様、盗賊じゃなくても見張りは置くものですよ。』
「やっぱり、そうだよね。ということは、馬鹿の可能性が高いのかな。とりあえず、ゆっくりと階段を登るか。」
ゆっくり、ゆっくりと階段を登っていく。気配探知で人がいる方向は分かっている。ただし細かい位置は把握出来ないけど。
『主様、どうやら、あの馬鹿な連中は寝ているようですね。寝息が聞こえてきます。』
「まさか、全員寝ているのか? 見張りは?」
『寝息の数からすると8人いますね。見張りはいないようです。』
レジーナ、凄すぎじゃないか? 寝息なんて聞こえてこないよ。しかし、こいつらは本当に馬鹿なんだろうな。見張りを立てないなんて。
「分かった。ゆっくりと近づいてロープで縛り上げるか。じゃあ、手分けしてやるか。」
『『分かりました。』』
1人ずつ、猿轡をして両手をロープで縛り上げていく。さすがに途中で何人か起きたが、その度にマリーナの槍で頭を叩かれて気絶していく。結構、容赦ない音がしたが気のせいだと思うことにした。
全員をロープで縛り上げた後に何人かの猿轡を外した。一応全員に鑑定をしてみたが全員がヒューマンで、スキル無しが5人で、スキル持ちがいても持っているスキルはショボかった。
「ちょっと聞きたいんだけど、お前達は盗賊で合ってるかな?」
『『・・・・・・』』
「分かり易いね。沈黙は肯定だよね。」
『そうですね。馬鹿ですよね、ご主人様。』
「とりあえず、村まで連れていくか。」
『ご主人様、良いんですか?』
「あぁ、こいつらの処分は村に任せよう。」
狡い気がするが、あまり人殺しはしたくない。もちろん、降りかかる火の粉は全力で払い除けるつもりだが・・・その時に人を殺せるのかな?
『レイさん、何か考え事ですか? あまり深く考えては駄目ですよ。』
「俺って、そんなにバレバレ?」
『『はい。バレバレです。』』
「まぁ、とりあえず、こいつらを村まで連れて行こうか。」
盗賊らしき男達8人を村まで連れてきた。村の門番が声を掛けてきた。
『あれ? 昨日、遺跡まで調査に向かった冒険者達じゃないか。後ろにいるのはひょっとしたら盗賊か?』
「多分ね。全然喋ってくれないから、縛って連れてきたよ。」
『問答無用だな。まぁ、いいけどな。』
村の門を通り抜け、村長の家に向かった。途中、村の人達からの視線を集めてしまった。村長の家に着き、村長の経緯を説明した。
『なるほど、そういうことでしたか。しかし、困りましたな。この村には隷属魔法なんて使える者はおりませんので奴隷にすることも出来ませんな。』
さて、どうしようかと考えていると村の若者が村長に話しかけた。
『村長、そういえば、昨日、奴隷商人が村の宿屋に泊まっているぞ。あの奴隷商人に話してみてはどうかな?』
『よし、ならば、直ぐに宿屋に人をやって奴隷商人に来てくれるようにお願いしてくれ。』
ということで、村の若者が宿屋に向かい、奴隷商人を連れてきた。村長が奴隷商人に事情を説明している。どうやら奴隷商人は奴隷を運び終わった後のようで、新規に奴隷を購入することには問題無さそうだ。
「俺達、まだ此処にいる必要があるのかな?」
『ご主人様、何を言ってるんですか? 当事者じゃないですか?』
村長と奴隷商人との話はまだ続いている。どうやら商談中のようだ。もう俺は当事者じゃないんじゃない? と思い始めたところで商談が完了したようだ。ちなみに商談には一切絡んでいない。
『冒険者様、奴隷商人との話し合いの結果、奴隷商人に4人を引き渡しし、4人を村付きの奴隷とし、冒険者様には銀貨4枚をお渡しするという事で如何でしょう?』
何故そうなったか分からんけど、元々盗賊を村に押し付けるつもりだったから異存はない。むしろ無料でも良いところなので銀貨4枚貰えるなら異存は無い。
「全然、問題無いですよ。むしろ助かったくらいですよ。」
3者がwin-winのような結果になった。しかし、盗賊を生け捕りにすると意外に面倒臭いな。
「じゃあ、俺達はこのままダンジョン都市に戻りますね。」
村長が盗賊を退治してくれたお礼にもう一泊してはどうかと提案してくれたが、今は馬車をちゃんと動かしてみたいので丁寧に断った。
村を出て、少し歩いたところで周囲に人がいないことを確認してからアイテムボックスから馬車を出した。
御者は順番にすることになった。この馬車なら御者の腕は必要無いので、皆が御者をやってみたいとのことだった。
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