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0057:初めての野営


前日に初級者用ダンジョンをクリアし、今日はギルドの依頼を受けに行く予定だ。アイリーン達を起こすと、アイリーン達が順番にキスをしてきた。


『『おはよう…ございます………』』


全員、まだ眠そうだな。昨日の夜は少し頑張り過ぎたようだ。眠い目を擦りながらホテルの朝食を食べギルドに向かった。


ギルドに着くと昨日の受付嬢がいるのを見つけたので話かけた。


「あの~、昨日の依頼の件ですが。」


『あ、レイさん。おはようございます。依頼の件ですね。では早速、依頼の内容を説明しますね。ハビという村まで魔石の運搬をお願いします。魔石はこちらの箱になります。期限は5日間となりますので注意して下さいね。もし期限を超えてしまうと依頼失敗となりますので。あと報酬は大銀貨2枚となります。』


「えっと、ハビに着いたから誰に箱を渡せばいいの?」


『ハビの村長にお渡しください。その際にこちらの依頼受付書もお渡してサインを貰って来て下さい。』


「受付書なんてものもあるんだ。」


『はい。ひょっとしたら、村の入り口でチェックされるかも知れませんが、その時には依頼受付書を見せれば大丈夫なはずです。ところで、レイさん達は徒歩で行きますか? それとも馬車をレンタルしますか?』


「馬車ってレンタル出来るんですか?」


『はい。ギルドでも馬車のレンタルは出来ますよ。レンタル料は1日銀貨1枚です。』


「まぁ、今回は徒歩で行ってみようと思います。」


魔石が入った箱をアイテムボックスに入れて、ハビの村まで道順を聞いてギルドを出た。


『レイさん、馬車をレンタルしなくて良かったんですか?』


「1度、野営をやってみたくてね。全員で5人もいるから野営時の見張りは1人あたり、2~3時間で大丈夫だよね?」


『そうですね、それくらいで大丈夫ですよ。』


きっと強制的に野営をしないといけなくなる時が来ると思うので早めに慣れておくのも大事だよな。


城門を出る前に雑貨屋で時計を買った。といっても砂時計だが、これで1時間がちゃんと分かるとのことだ。ついでに旅に役立ちそうな物もいくつか購入した。


そして、城門を出て街道沿いを歩いていく。たまに馬車とすれ違ったり、歩いている冒険者達とすれ違ったりした。


すれ違った冒険者達とは挨拶程度に軽く会話もした。彼らは草原で採集出来る薬草を集めていたらしい。ポーションの原料である薬草は常に需要があるとのことだ。


しばらく歩いていると昼食の時間帯になり、アイテムボックスから串肉を取り出した。休憩がてら串肉を頬張る。


「何も襲って来ないね。ゴブリンとか襲って来ると思っていたんだけどね。」


『レイさん、街道沿いではそんなにモンスターに襲わられることは無いですよ。モンスターも人を警戒しているんですよ。』


なるほどね。確かにモンスターを見つけたら倒そうとするもんね。昼食も終わり、また歩き始めた。見事なくらい何も起きず、ひたすら街道沿いを歩いていく。たまに草原の中を群れで駆け抜ける野生の馬を見たくらいだ。


「せめてラージラビットでもいてくれたら暇潰しに狩りでも出来るんだけどね。」


『主様、ラージラビットはいませんが、他の動物ならいるようですよ。』


「え、マジで? どこにいるの?」


『あそこの少し背が高い草むらの中にいますよ。』


俺も気配探知スキルを持っているので確認してみると、確かに反応している。気配探知に関してはレジーナに頼りきりになっていた。ちょっと反省しないといけないな。気配を探ると2mくらいの猪がおり、鑑定してみる。


〈鑑定〉

ビッグボア

スキル:なし


「あれがビッグボアか。名前の通りデカイな。サーラの弓矢で倒せそう?」


『う~ん、やってみないと分からないですけど、やってみますね。』


サーラが弓を引き、矢を放つと矢は見事にビッグボアの眉間に刺さった。一撃でビッグボアを倒した。


「おぉ、さすがだね。」


『ありがとうございます。でもまぐれですよ。』


『主様、このビッグボアは美味しそうですよ。』


「分かったよ、レジーナ。とりあえず、アイテムボックスの中に入れておくけど、この中で料理が出来る人っているの?」


皆が一斉にサーラを見る。どう考えてもサーラ以外に適任者がいない。


『えっと、私ですか? あんまり得意じゃないですけど・・・』


「えぇ? サーラが駄目なら全滅じゃない。」


『ちょっと、ご主人様? それは言い過ぎですよ? ねぇ、マリーナ、レジーナ。』


『えっと、私は料理のほうは、ちょっとね・・・』

『私は食べるのが専門です。』


元々、マリーナとレジーナには期待していなかったが、その期待通りの答えだった。


「ほら、マリーナとレジーナは無理でしょ。アイリーンはどうなの?」


『え? 私ですか? まぁ、肉を焼くくらいなら・・・』


それは、もはや料理とは言わないだろう。あえて突っ込まないが。


「そのうち、皆で料理の練習をしようか。」


今回は、まだアイテムボックスの中に料理された食事があるから問題は無い。


『『はい。分かりました。』』


ーーーーーーーーーー


そろそろ夕方になりそうだ。野営の準備しないといけないな。アイテムボックスからテント、寝袋、ランタン、テーブル、椅子を取り出した。


マジックテントは魔力を込めると勝手に広がってテントになった。


「すげぇ便利なテントだなぁ。」


マリーナとレジーナはテントの固定作業をしている。アイリーンとサーラはテーブルの準備をしている。


野営の準備が完了したので夕食にする。夕食にはセレシーナの店で買った鍋を出した。


夕食を食べながら、まずは見張りの順番を決めた。サーラ、アイリーン、マリーナ、レジーナ、俺の順番になった。


「そういえば、聞くのを忘れてたんだけど、ここってなんていう国?」


アイリーン達からは、それって今更聞くことか? という視線が。


『レイさん、今いる大陸はキクルス大陸といいます。他に大陸があるかも知れませんが、今のところ、知られているのはキクルス大陸のみです。』


「それって、他の大陸を探しに行っていないということ?」


『はい。そうなりますね。このキクルス大陸には大小20の国があります。そして私達がいる国はキクルス大陸の南東に位置する、ダリス王国になります。』


「へぇ、なるほど。ちなみに、このダリス王国は大きい国なの?」


これは大事だ。小さな国だと、ひょっとしたら大国に飲み込まれてしまうかも知れない。もし、そういう事態が発生した場合、どうなるのかが分からない。


『はい。このダリス王国はキクルス大陸で三本指に入る大国ですよ。』


良かった。いきなり国を出て行くとかにはならなさそうだ。


「ちなみに他の国に行くのは難しかったりする?」


『いえ、冒険者は比較的簡単に国境を越えられますよ。というか、レイさん、他の国に行きたいんですか?』


「そうだねぇ、別の国で暮らしたいというわけじゃないけど、そのうち、別の国を見てみたいとは思っているよ。駄目かな?」


『『いえ。是非、行ってみたいです。』』


全員、問題無かった。良かった。

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