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0051:3階層を進む


昨日は風呂でえらい目にあった。そういう時は何故かいつもよりも早く起きてしまう。すると、アイリーン達も起きてきた。


『ご主人様、おはようございます。』

『旦那様、おはよう。』

『主様、おはよう。』

『レイさん、おはようございます。』


サーラの機嫌が直っているようだった。良かったと、思っていたら


『レイさん、次は無いですからね?』


と釘を刺された・・・


「………はい。承知しております。」


とりあえず、朝食を食べに食堂に向かった。やっぱり不味くはないが美味しいとは言えない食事だった。不味くはないんだよね。


朝食が終わり、今日も初心者用ダンジョンに向かった。今日もダンジョン入り口には行列ができている。


「今日も行列に並ぶのかぁ。」


『まぁ、こればかりは仕方無いですよ、レイさん。』


今日も30分程並んでようやく順番が回って来た。すると入り口のオッサンが


『お、レイじゃないか。今日もダンジョンに潜るのか? 感心だねぇ。』


「えぇ、しっかりと金を稼がないといけないので。」


『誰のせいでしょうね、ご主人様。』


「そ、それは俺のせいだよね。そんなことは分かっているよ。」


『じゃあ、一生懸命頑張って稼ぎましょうね、レイさん。』


『なんだが、レイも大変そうだな・・・普通は羨ましいパーティーのはずなのに羨ましく思えないのが不思議だな・・・』


「まぁ、それなりに・・・」


とりあえず、オッサンに銀貨5枚を渡してポータルを起動させる。するとポータルのスクリーンが現れ、1~3階層が表示された。


「じゃあ、3階層へ行くよ~!」


『『はい。分かりました。』』


スクリーンに表示されている3階層を選択すると目の前が一瞬暗くなり、気付いたら3階層へ移動が完了してた。


「やっぱり、ポータルって凄い便利だよね。」


全員が、『おぉぉ、すご~い!』と感激している。


でも、いつまでも感激していられない。さっさと先に進むことにする。しばらく進むと初めての分かれ道があった。


「さてと、どっちに進むかな?」


どっちに進むか悩んでいるとレジーナが


『主様、右側のほうにはモンスターの気配がありますね。左側はモンスターの気配がしないです。』


「よし、なら右側に行こうか。」


『え? 旦那様、なんで、わざわざモンスターがいる方に行くんですか?』


「ダンジョンコアとしては自分のところに冒険者は来て欲しく無いんだと思うんだよね。」


『確かに、そうかも知れませんね。』


「なら、自分のところに向かうルートにはモンスターを配置して、自分のところに冒険者が来ないようにするんじゃないのかな?」


『おぉ、なるほど。旦那様にしては冴えていますね。』


「おい、俺にしては、は余計だよ。」


『ほら、2人とも行きますよ。マリーナもご主人様をからかわないの。』


『は~い。』


マリーナのやつめ、いつかギャフンと言わせたいな。それはさておき、レジーナの言うとおり右側の通路を進むと空洞があり、空洞の中央にモンスターがいた。


遠目から見てみるとコボルトに似ている気がするがコボルトよりも精悍な顔つきをしている。鑑定をしてみた。


〈鑑定〉

ワーウルフ x3

スキル:剣術


ワーウルフ x4

スキル:回避


「へぇ、あれがワーウルフかぁ。」


『ご主人様、気を付けて下さいね。ワーウルフは結構スピードがありますからね。』


「ありがとう、注意するよ。」


俺のファイヤアローとサーラのウィンドカッカーで先制攻撃をする。俺とサーラの魔法がワーウルフ達に直撃した。


『ギャワン!』『キャイン!』


ワーウルフ5匹が魔法で倒れた。その隙を突くようにアイリーンを中央に、マリーナとレジーナが左右に並んでワーウルフ達に突っ込んだ。


残りのワーウルフ2匹は爪でアイリーンに襲いかかってきたが、アイリーンは盾で完全にブロックしている。ワーウルフは左右にいるマリーナとレジーナに気付かないようで、あっさりとマリーナとレジーナに倒された。


ワーウルフ達の死体が消えて魔石7個とドロップアイテム2つが残った。ドロップアイテムは、狼の毛皮だった。とりあえず、アイテムボックスに入れておく。


「さて、先に進もうか。」


先に進むと何度か分かれ道があったが、その度にレジーナが言うモンスターがいる方向に進んでいく。今のところ、レジーナの探知は外れていない。何気に凄い能力だよな。


「なんだろうね、1階層はゴブリン系、2階層はコボルト系、3階層はワーウルフ系しかいないのかな?」


『まぁ、初心者用ダンジョンですからね。仕方無いですよ、ご主人様。』


「そういえば、初心者用ダンジョンって何階層あるんだろう?」


『初心者用ダンジョンは全部で5階層ですよ、レイさん。』


さすが元受付嬢だ。色々とよく知っているな。


『ちなみに、3階層には中ボスがいたはずですよ。なので、どこかに中ボスの部屋があるはずです。』


「え? 中ボスがいるの?」


『え? いますよ?』


「………それ、早く言ってよ。」


『………えっと、忘れてました。えへ。』


笑顔は物凄く可愛いんだが。


「中ボスって、ボスと言うくらいだから強いんだよね? あと、どんなモンスターなのか知ってる?」


『強さはランクD相当と聞いていますね。ただし、出てくるモンスターはランダムらしいですよ。』


「それって中ボスの部屋に入らないと分からないってこと?」


『はい、そう聞いています。』


「まぁ、ランクD相当なら、何とかなるかな。よし、先に進むか。」


通路、空洞、通路、分かれ道が続いている。


………

………


戦闘、通路を進むことを繰り返していくこと7回。やっと中ボスの部屋らしきものを見つけた。


「扉があるってことは、ここが中ボスの部屋なんだろうね。よし、開けるけど準備はいい?」


アイリーン達が頷いているので、扉を押してみるが開かない。


「あれ?」


押して駄目なら引いてみるが開かない。


「え? なんで開かないの?」


押しても引いても駄目なら横に引いてみるが、やはりスライドドアでは無かった。さすがにこれは違うだろうと思っていたが、やはり違った。


「えぇ、なんで開かないの? もしかして扉を破壊するのか?」


『………主様、何をやっているんですか?』


レジーナから冷たい視線を感じた。でも俺が悪いんじゃないはずだ。


『ご主人様、ひょっとしたら、他の冒険者達がこの中でまだ戦闘しているのかも知れませんね。』


ボス部屋は完全な順番制のようだ。そういうのは最初に教えておいて欲しい。おかげで無駄な恥をかいたよ。


「だとすると、他の冒険者達の戦闘が終わるまで待つしかないのか。仕方無い、しばらく待つとしようか。」


10分くらい経過した。突然、扉が勝手に開いた。ひょっとしたら、普段は扉が開いたままなのかも知れないな。


ちなみに、扉は破壊しては駄目とのことだ。もし、破壊すると扉が復活するまで下の階層に行けなくなるらしい。


「………破壊しなくて良かったよ。」


『レイさん、破壊するって考え方は捨ててくださいね。』

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