0049:ポータルって凄い
ダンジョンの中を進んでいる。洞窟の中を進んでいるが湿度が高くジメジメしている。入り口から既に10分くらい歩いたが、ひたすら一本道だ。モンスターもいない。
「分かれ道も無ければ、モンスターも出てこないね。」
『主様、この先にモンスターがいるようですよ。』
「お、やっとモンスターが出てきたか。」
洞窟の通路を進んでいくと半径20mくらいの空洞があり、空洞の中央にモンスターがいる。明らかにゴブリンだよな。ひょっとしたら、ダンジョン産のゴブリンは特殊かも知れないと念のため鑑定をしてみる。
〈鑑定〉
ゴブリン x3
スキル:剣術
ゴブリン x4
スキル:短刀術
ゴブリン x5
スキル:棒術
「あれ? 普通のゴブリンじゃん。なにこれ?」
『………ご主人様? もしかしてダンジョンだから特殊なゴブリンが出てくるとでも思いましたか?』
「………え、違うの?」
『………そんなことがあるわけ無いでしょ。ゴブリンは所詮ゴブリンですよ。』
言われてみれば、その通りだよな。俺って恥ずかしいな。ダンジョンに何を期待してたんだろう。
『旦那様、さっさとゴブリンを倒しますよ。』
『主様、ボケッとしてないで行きますよ。』
マリーナとレジーナに急かされてゴブリン達を倒しに行く。アイリーンを先頭に、左右にはマリーナとレジーナを配置してゴブリン達に突撃する。ゴブリン相手に魔法を使う必要すらなく蹴散らして戦闘が終了した。
倒れたゴブリン達はポンっと体が消えて魔石とドロップアイテムだけを残して消えた。
「実際、音が出てるわけじゃないけど、ポンっと音が聞こえるような消え方だね。」
『ふふ、そうですね。レイさん。』
魔石は12個、ドロップアイテムは6個獲得した。ドロップアイテムはゴブリンダガーだ。
「このゴブリンダガーって売れるのかな?」
皆が、さぁ? という表情だ。名前からして強そうな武器には思えない。ただ万が一ということもあるので鑑定してみたがステータスアップは何も付与されていなかった。残念ながら名前通りの弱い武器のようだ。
まぁ、アイテムボックスに入れておけば嵩張らないのでゴブリンダガーも持って帰ることにした。売れなければ捨てるだけだし。
………この手の物ってゴミとして捨てられるのかな? まぁ後で考えよう。
「さて、先に進もうか。」
空洞を抜けると、また一本道が続いていく。すると、また先程と同じような空洞になった。空洞の中央には、またまたゴブリン達がいた。
〈鑑定〉
ゴブリン x5
スキル:剣術
ゴブリンメイジ x3
スキル:火魔法
「うん、普通のゴブリンとゴブリンメイジだよ。」
皆の表情も、『うん、分かってるよ』という表情だ。今度はサーラに風魔法を使ってもらった。サーラの風魔法でゴブリンメイジが切り刻まれて、今度は俺が1人で突っ込みゴブリン5匹を神刀ミロで斬り飛ばした。
魔石8個、ドロップアイテムはゴブリンダガーとゴブリンの杖が1つずつ獲得した。ゴブリンの杖は当然、弱い武器だ。ゴブリンの杖もアイテムボックスに入れておく。
「ひょっとしたら、1階層はずっと一本道なのかな?」
『その可能性はありますね、ご主人様。』
「まぁ、一本道なのは良いとして、出てくるモンスターがゴブリン系だけの可能性もあるね。1階層だし。」
『主様、それはつまらないですね。もしそうなら、さっさと下の階層に行きましょう。』
「まぁ、下の階層に行くためには先に進まないとね。」
一本道をひたすら進み、空洞ではゴブリン達を倒していく。7個目の空洞のゴブリン達を倒すと奥に下り階段が見えた。やっと2階層へ行ける。
1階層での成果は
ゴブリン x31
ゴブリンメイジ x12
ゴブリンソルジャー x8
ボブゴブリン x2
ゴブリンダガー x16
ゴブリンの杖 x6
ゴブリンの剣 x3
が結果だ。引き続き、2階層へ向かうために階段を降りていく。階段を降りるとポータルがあった。
アイテムボックスからギルドカードを取り出してポータルにかざすとギルドカードが淡く輝いた。スクリーンが表示され中身を確認すると、1階層、2階層とポータル情報が追加されている。
「このポータルって、良くできてるな。」
『そうですね。レイさん、このまま先に進みます? それとも今日は一旦戻りますか?』
「感覚的には、まだ昼過ぎくらいだと思うから3階層到達までは進めようか?」
『分かりました。昼食後に探索を再開させましょうか。』
アイテムボックスから昼食用として串肉を出した。今後もダンジョンで昼食を取ることを考えたら、こういった簡単に食べられるものを大量に購入しておいたほうが良いかも知れないな。
昼食も終わり2階層の探索を開始した。今度こそはダンジョンを攻略しているんだという雰囲気を味わいたい。
………
………
また、一本道が続いている。
「また、一本道が続いるね。ひょっとしたら、2階層も一本道のままなのかな?」
『レイさん、良いじゃないですか。楽にダンジョンが攻略出来るなら、それに越したことは無いですよ。』
「そうなんだけどね・・・」
歩いていると、1階層と同じような空洞があった。当然、空洞の中央にはモンスターがいる。
「今度はコボルトか。念のため鑑定。」
〈鑑定〉
コボルト x3
スキル:剣術
コボルトソルジャー x3
スキル:回避
「やっぱり、普通のコボルトだね。まぁ、ソルジャーが回避スキルを持っているのが嬉しいことかな。」
『なら、コボルトソルジャーは旦那様にお任せしますね。』
『じゃあ、コボルト3匹は私がもらいますね、主様。』
ということで、俺とレジーナの2人でコボルト達に突っ込んだ。コボルト達も突っ込んで来たのが2人ということで余裕と思ったのか、こっちに向かって来る。
コボルト達の初撃を余裕で回避し、そのまま神刀ミロでコボルトソルジャーの首を次々と斬り飛ばした。レジーナもコボルトの首の斬り飛ばしていた。
『さすが、旦那様。コボルトくらいは余裕ですね。』
「まぁ、コボルトくらいならね。」
魔石6個、ドロップアイテムはコボルトの短剣が2本だった。とりあえず、アイテムボックスに入れておく。初心者ダンジョンだからかな、ドロップアイテムがショボイな。
今のところ、2階層も一本道のままだ。なので何も迷わずに前進するのみだ。ひたすら前進して空洞でコボルト系を倒すを6回繰り返して、ようやく3階層への階段を見つけた。
2階層での成果は
コボルト x28
コボルトソルジャー x11
コボルトリーダー x5
コボルトの短剣 x5
コボルトの長剣 x3
コボルトの盾 x2
が結果だ。とりあえず、3階層へ降りてポータルにギルドカードをかざした。これで3階層まではいつでも来れるようになった。
「よし、今日はここまでにして戻ろうか。」
ポータルのスクリーンを表示させ、1階層を選択すると、一瞬、目の前が暗くなり気付いたら1階層のポータルにいた。
「凄い! 本当に一瞬で移動出来たな。」
事前に説明を受けていたが、実際に体験すると凄さが実感できる。
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