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0031:スタンピードの可能性


サーシャ達と別れて町へ戻る途中だ。


『旦那様、良いものが見れて良かったですねぇ。しっかりと見てましたよね? しかも触ってたし。まさか揉んでませんよね?』


「マ、マリーナ、見たくて見たんじゃないよ。あれは治療だから・・・だから当然揉むわけないじゃないか。」


『でも、主様、じっと見てましたよね。じ~っと。』


「え、いや、そりゃ、男だし・・・いきなり目の前に胸が現れたら見ちゃうよ・・・」


『ご主人様は目の前に胸があったら、じっと見るんですね?』


駄目だ。言い訳してもひたすら劣勢になるだけだ。ここは素直に


「ごめん、今後は気を付けます・・・」


『今回は治療目的だったので仕方無いので、大目に見ますけど次回は気を付けてくださいね。』


何とかお許しを貰えた。良かった。

けど、本当に治療したんだけどな・・・


町へ帰る途中に日課となっているラージラビット狩りも忘れずにやった。

ラージラビット狩りが終わって城門に入ろうとすると入り口に行列が出来ている。ざっと300人くらいは並んでいる。行列の一番後ろに並んでいる冒険者らしき男に聞いてみた。


「すみません、普段はこんなに行列なんか出来ないのに、なんで今日はこんなに行列が出来てるんですか?」


『あぁ、何でも隣の村がモンスターの群れに襲われたらしくてな。それで、隣の村人が逃げてきたらしいんだ。』


なるほど、隣村とはいえ、犯罪者が入り込む可能性があるからノーチェックで町に入れるわけにはいかないよな。なので、入り口チェックで時間が掛かっているようだ。


多少時間が掛かるだろうが待つしか無いのでアイリーン達と会話をしながら待つことにした。


「隣村がモンスターに襲われたということは、スタンピードが発生したということ?」


『その可能性はありますね、ご主人様。そうすると、この町までモンスターが押し寄せてくる可能性もありますね。』


「もし、モンスターが押し寄せて来たら、皆で戦うのか? それとも逃げるのか?」


『基本的には戦いますね。その時にはギルドから緊急依頼が発動されるかと思いますが。』


「それって強制参加なのかな?」


『もちろん、ランクが低い冒険者は参加出来ませんが強制参加になる可能性が高いと思いますよ。』


等、色々と話している間にやっと俺達の順番になった。しかし、門番から


『おや、レイ達か。レイ達ならそのまま入ってくれ。時間が無いから今回は特別だ。』


行列に並んだのにノーチェックで町に入れた。なんだかなぁ、という気分だ。まぁ、とりあえず、ギルドに行って買い取りをしてもらおう。


ギルドの中に入り、受付カウンターを見るといつもの受付嬢がいた。


「すみません、買い取りをお願いします。」


『あ、レイさん。分かりました。こちらへどうぞ。』


受付カウンターの奥に行き、ゴブリン達の魔石と討伐証明部位、ゴブリン達の武器、ラージラビットをアイテムボックスから取り出した。


受付嬢が1つの魔石を見てワナワナしている。あれはゴブリンジェネラルの魔石だ。しまった、ゴブリンジェネラルは確かランクDのモンスターって言っていたな。


アイリーン達に何とかしてもらおうと姿を探すがいない。気配探知を発動するとなんとギルドの外にいやがった。マジか、逃げたな。


『………………レイさん? レイさんとはじっくりとお話をしたほうが良いですかね? ちょっとカウンターの奥に行きますか? それともギルドの裏がいいですか?』


カウンター奥はまだしも、ギルドの裏はお話する場所なのか? ひょっとしたら、この受付嬢はヤンキーなのかも知れない。


「あ、い、いえ。そんな滅相も無いです。ほ、ほら、俺って、今は4人パーティーだし。無茶はして無いですよ。本当に。」


こっちの世界の女性は綺麗な人が多いが、同じくらい怖い人も多い気がする。それとも女性って皆、こんな感じなのか?


『………………本当に無茶していないですか?』


「もちろんです。本当に無茶なんかしていないですよ。」


『………分かりました。でも、本当に無茶はしないで下さいね。特に冒険者に成りたての人は無茶しがちです。そして、無茶した結果として死んでしまうか、大怪我して冒険者を引退する人が多いんです。レイさんにはそうなって欲しくないんです。』


本当に心配してくれているようだ。正直ありがたいね。今後はあまり心配かけないように心掛けよう。出来る範囲でだけど。


「はい。もちろん、理解しています。」


『分かりました。レイさんを信用しますね。では査定をしますのでカウンター横で待っていて下さい。』


カウンター横に行くとアイリーン達がいた。


「お前達、ちょっと狡いな・・・まぁ、いいけど。」


『ご主人様、すみません・・・』

『旦那様、ごめんなさい・・・』

『主様、悪かったです・・・』


すると、受付嬢からお呼びが掛かった。


『査定が完了しました。金貨1枚、大銀貨3枚、銀貨1枚となります。よろしいでしょうか?』


「おぉ、凄いな。これが金貨かぁ。金貨なんて初めて見たよ。」


大銀貨は10枚以上持っているが金貨では持っていなかった。初めての金貨にちょっとドキドキするな。


『レイさん、さっき言ったことを忘れては駄目ですよ?』


「あ、はい。大丈夫ですよ。無茶はしませんから。あ、そういえば、隣村がモンスターの群れに襲われたのは本当なんですか?」


ちょっと話題を反らすことにした。もちろんスタンピードにも興味があるんだけどね。


『あぁ、もうレイさんの耳にも話が伝わっているんですね。どうやら本当のことのようです。なので暫くはあまり遠出はしないほうがいいですよ。』


「ひょっとしたら緊急依頼が出たりします?」


『隣村を襲ったモンスター達がこっちに向かってきたら緊急依頼が発動されることになると思いますよ。って、ひょっとして、レイさん受ける気ですか?』


「う~ん、分からないですね。でも出来れば受けてみたいですね。そのほうがギルドとしては嬉しいんですよね?」


『そうですね。ギルドとしては有り難いですね。でも無理はしないで下さいね。』


「それはもちろんです。」


ここは真面目に無理するつもりは無い。

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