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0306:魔族も討伐完了


ズルイーガーを倒したのでアイリーン達の手伝いに向かった。あまり苦戦はしていなさそうではあったが。


「何か手伝ったほうがいい?」


『あ、それじゃあワイバーン1匹、引き取ってもらえますか? ご主人様。』


「了解!」


アイリーンが引き取ってくれと言っているワイバーンと向き合うとワイバーンは俺に対して威嚇してきた。


『キシャァァァ!』


仲間が殺されて怒っているのか、ズルイーガーが倒されて怒っているのか不明だが明らかに怒っているように見えるな。


逃げてくれるなら放置するところだけどワイバーンは逃げずに俺に襲いかかってきた。


しかし何も考えずに闇雲に襲いかかってきているような感じだ。


「………なんか我を忘れているような感じがするね。」


『レイさん、テイムされていたモンスターはテイムしていた主人が倒されると暫くは自我が失くなるそうですよ。』


なるほどね。確かにそんな感じだよな。


「まぁ倒すことには変わりはないか。」


がむしゃらに噛み付いてこようとしてくるワイバーンに対して回避しつつ神刀でワイバーンの首に斬り付けていく。


ワイバーンは首を斬り付けられても単調な攻撃をひたすら繰り返すだけだ。首元の傷がどんどん増えてかなりの出血量になっている。


大量に出血しているせいか徐々にワイバーンの動きが鈍くなってきた。


「そろそろかな?」


動きが鈍くなってもワイバーンは噛みつこうとすることを止め無い。もはや首を斬り落としてくれと言わんばかりの動きだ。


ワイバーンが噛みつこうと首を伸ばしてきたところをかわして下から神刀を突き上げた。


『ガアァァァ・・・』


ワイバーンを1匹仕留めたところでアイリーン達のほうを確認するとアイリーン達もワイバーンを倒したようだった。


「そっちは怪我していない?」


『もちろん、大丈夫ですよ。旦那様。』


全員、怪我はしていないようだ。全員の無事が確認出来たので倒したワイバーンをアイテムボックスにしまい、ズルイーガーのほうに向かうとまだ生きていた。どうやら魔族はかなり丈夫なようだ。


『くっ、き、貴様ら、俺をこんな目に遭わせて覚悟は出来ているんだろうな?』


「そうは言っても襲ってきたのはそっちからだしねぇ・・・」


『ふ、ふざけるな! 貴様らが俺様のワイバーンを殺したのが原因だろうが!』


「でも、そのワイバーンが迷惑を掛けていたから討伐依頼が出された訳だしね。」


さてと、この魔族をどうするか?


「ねぇ、サーラ。この魔族をギルドに引き渡したら買い取りしてもらえると思う?」


『………さすがにギルドでも魔族の買い取りはしていないと思いますよ、レイさん。』


サーラから呆れ顔で返答されてしまった。まぁ普通に考えたらそうだよな。そうするとズルイーガーの扱いは面倒だな。


「こいつをこのまま此処に放置したらどうなるかな?」


『普通に考えれば餓死するか、モンスターの餌になるかですよね。レイくん。』


『もしくは他の魔族の仲間が助けに来るか、といったところかしらね、レイ。』


まぁ、順当に言えばそんなところだろう。


「一番困るのが他の魔族の仲間が助けることかな。そうなると間違いなく俺達のことが魔族にバレるからね。」


『主様。ここでこの魔族を殺す?』


レジーナが武器を取り出した。


『ちょっ、ちょっと待て。貴様ら、この俺様を殺す気なのか? こ、後悔することになるぞ?』


どう後悔するのか分からないがこの期に及んでまだそんな事を言えることが凄いな。


「そう言えば、さっきは魔王とか、魔族4将軍とか言っていたよね? その辺の情報を話してくれる? そうしたら命だけは助けるから。」


『ふ、ふざけるなよ? 俺様が仲間を売るような男に見えるのか?』


見えるから提案しているんだけどな・・・さすがにストレートに言うとだんまりになってしまう可能性があるかな。


「それなら、用無しだから殺しても問題無いよね。」


ズルイーガーの顔面に神刀の先を突き付けた。


『ま、待ってくれ! わ、分かった。何でも話すから命だけは助けてくれ!』


ズルイーガーはあっさりと降参した。これで魔族の情報が得られるな。


と、その時だ。ズルイーガーの首が身体から切断された。地面には巨大な斧が突き刺さっている。ズルイーガーの首を跳ねた斧が飛んできた方向を見ると別の魔族が空を飛んでいた。


ズルイーガーが絶命したのを確認して満足したのかもう1人の魔族はそのまま飛竜の谷の奥に飛び去っていった。


助けに来たが助けられないと見たのか、単純に口封じしに来たのかは分からないがズルイーガーはあっさりと仲間に殺されてしまった。


「しまったな。気配探知はしておくべきだったな・・・貴重な情報源だったのに。」


とはいえ、殺されてしまったものは仕方が無いな。魔族の存在だけはエドワード公爵に報告しておいたほうがいいな。


『ご主人様、いつまでもここにいて仕方が無いですからサビラハンに戻りますか?』


「そうだね。依頼達成の報告はしないといけないからね。皆、魔族のことは一旦内緒でお願いするね。」


サビラハンに戻る砂上船の中でミラージュを聞いてみた。


「ミラージュは魔王とか魔族4将軍のことを知っているの?」


『………なのね? レイちゃん、500年前の話なのよ? 私が直接知っているわけ無いでしょ?』


「え、いやいや、そんなつもりで聞いたんじゃないよ・・・」


『私が知っているのは・・・』


ミラージュが話してくれたのは、過去に魔族が突然人間達を襲ってきたのが500年前のことで、その時は多くの勇者や各国が魔族と戦争になったこと。


そして、多くの勇者や各国の兵士の犠牲を払って魔王と側近で魔族4将軍を倒したはずとのことだ。


「でも、ズルイーガーは魔王はもう少しで復活するって話だし、魔族4将軍も生きているような話し方だったよね。」


『でも500年も前の話だと、どこかで話がねじ曲がってもおかしくは無いですよ、レイさん。』


確かにそうかも知れないな。仮に魔族4将軍とやら生き残っていたとすると500歳以上だよな。


「そういえば、魔族の寿命ってどれくらいなの?」


『一説には千年から二千年くらいと言われていますよ。ただ実際のところは不明ですね。』


なるほど。だとすると500年前の戦争で生き残っていれば今も生存している可能性は十分にあるな。


「とりあえず、冒険者である俺達には荷が重すぎる問題だよね。これは公爵に預けてしまおうか。」


………

………


飛竜の谷から3日間かけてゆっくりしながらサビラハンに戻ってきた。ギルドに向かい受付嬢に指名依頼の完了を報告した。


『ありがとうございます、レイさん。それで何匹くらいのワイバーンを倒したんですか?』


「え~と、全部で30匹以上はいるかな。」


『は? えっと、30匹以上ですか? ワイバーンを・・・ですよね?』


「そりゃ、ワイバーンが討伐対象だからね。それにワイバーンの数が多いから依頼になっていた訳ですよね?」


『それは・・・そうなんですけど。とりあえず、こちらの小屋まで来て下さい。』


受付嬢に連れられてカウンター奥の部屋まで行き、そこで討伐したワイバーンをアイテムボックスから取り出した。


討伐したワイバーンは全部で35匹いた。


『た、確かにワイバーンが30匹以上ですね。それにしても、こんなに短時間でワイバーンを30匹以上も討伐出来るなんて・・・』


あれ? 移動はゆっくりしたはずなんだけどな。まだ早かったのか・・・


『とりあえず査定するのに今日1日もらえますか? さすがに数が多いので。』


特に急いでいるわけでも無い。


「分かりました。大丈夫ですよ。では明日、また来ますね。」


受付嬢に挨拶をしてギルドをあとにした。


『旦那様、この後はどうするつもりですか?』


「今日はもう何もすることが無いからゆっくりとしようか。」


『やったぁー、それじゃあ果物とか買いに行きましょうよ。ねぇ?』


実はサビラの国に来てから皆がはまっている物がある。それが砂漠で採れる果物だ。この国で採れる果物が特に甘いのだ。


確か、野菜や果物は過酷な環境下だと次世代ために栄養を種に回すと聞いたことがある。きっとそれと同じなんだろうな。


「そうだね、じゃあ、野菜や果物を買いに行こうか。」


『え? 野菜は無くても良いんですけど・・・』


いや、ちゃんと野菜も食べないと栄養バランスが良くないよね?


栄養バランスが悪くなると大きくならないぞ。何処がとは言わないけどさ・・・

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