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0198:未踏破ダンジョン3日目


そう言えば、オークの睾丸をアイテムボックスから取り出した時、受付嬢の顔が凄く赤くなっていた。多分、あれが普通なんだろうな。ダンジョン都市のギルドの受付嬢が特殊だったんだろう。


何故かそんな事を考えている。正座をしている最中であるが。


『ご主人様、もう少し自重して下さいね。』

『旦那様は猿ですね。』


やっぱり昨日も頑張り過ぎてしまったようだ。少しセーブしたはずなんだが。自重しろと言われてしまった。今の俺にはかなり難しい話だが頑張らないといけない。


それはそうと今日もダンジョンに行かないといけない。朝食後にダンジョンまでの通り道で食事買い込んでいく。行き先がダンジョンじゃなければピクニックだね。


ダンジョンに到着すると、早速行列に並んだが今日は若干冒険者達の数が少ないように感じるな。


「今日は人数が少ないけど他のパーティーは休みかな?」


『だと思いますよ、レイさん。』


すぐに行列の先頭になると、受付のオッサンが声をかけてきた。


『よう、レイ。今日もダンジョンに潜るのか。あまり無理はするなよ。他のパーティーも今日は休みのようだしな。』


「はい。分かっていますよ。」


分かっていますよ、と言いつつもあまり休暇に関しては考えていなかったな。適度に休暇を取らないと以前のようにストレスが溜まったら大変なことになるな。


6階層へ移動してきたが、6階層もまだ洞窟風のままだが、真っ直ぐな道の先に扉が見える。


「あれって中ボス部屋かな?」


『『そのようですね。』』


扉の前まで進み、扉を開けようとするが扉はびくともしない。


『どうやら、まだ中で戦闘中のようですね。レイさん。』


「まぁ仕方が無いね。待つしか無いよね。あ、そうだ。明日は休暇にしようと思うんだけど何かしたいことはあるかな?」


『え? 御館様、明日は休暇にするんですか? じゃあ服とか下着とか買いに行きましょうよ。』


『そうね。私とエメリアの服とか下着は数が少ないしね。ちょうどいいんじゃないかしら。どう? レイ。』


「分かったよ。じゃあ明日は服とか下着の買い物に行くとしようか。」


等と会話をしていると目の前の扉が突然開いた。どうやら前の戦闘が終了したようだ。冒険者達が勝ったのか負けたのか分からないが。


扉が開いているので中の様子が分かる。部屋の中央にモンスターが一匹だけいる。フォルムは見たことがあるが身体が一回り小さいな。そして自身と同じくらい大きさの斧を持っている。


〈鑑定〉

レッドミノタウロス

スキル:身体強化、豪腕


「レッドミノタウロスだって。見た目の通り、赤いミノタウロスだね。」


『レイさん、レッドミノタウロスはランクBモンスターです。油断しては駄目ですよ。』


「まだ低階層なのに、もうランクBモンスターが中ボスで出てくるのか。」


『ウボォォォ』


レッドミノタウロスは雄叫びを上げると猛然と俺達に向かって突進してきた。


「は、早いな!」


レッドミノタウロスはあっという間に俺達との距離を詰めて来て、持っていた斧を横に凪ぎ払おうとしてきた。


ガァァン


アイリーンが盾で斧を受け止めた。


『ウボォォ、ヴォォォォ!』


まるで渾身の一撃が受け止められたのが気に食わなかったように斧の連続攻撃をし始めた。


レッドミノタウロスはガンガンとアイリーンの盾に斧を振り下ろしていくがアイリーンは微動だにしない。しかし、それがレッドミノタウロスの怒りを倍増させている。


レッドミノタウロスは怒りに我を忘れている状態になっている。俺はレッドミノタウロスの後ろに回り込み背後からレッドミノタウロスの首を撥ね飛ばした。


レッドミノタウロスの死体は魔石とドロップアイテムを残して消えた。ドロップアイテムは赤いミノタウロスの角だった。


「アイリーン、怪我は無い?」


『全然大丈夫ですよ、ご主人様。それにしてもステータスアップした結果もですが、新しい武器と防具がここまで凄いとは思いませんでした。』


確かにね。ランクBモンスターを単独で圧倒出来るとは思ってもみなかった。


『じゃあ、じゃんじゃん先に進もうか、旦那様。』


レッドミノタウロスがいた場所の後ろに下り階段が出てきた。下り階段を降りていくと7階層の入口が見えてきた。仮のポータルを設置したが周りを見てみるとあることに気付いた。


「仮のポータルの数が少ないね。」


仮のポータルの数を数えてみると12本しか無い。


『まだ調査が開始されたばかりだから仕方が無いわよ、レイ。』


確かにそんなものかもね。そして7階層はお待ちかねの草原が目の前に広がっている。そして草原の奥にはいくつかの森が見える。


風が吹くとまるで草原が海のさざ波のようになる。凄く綺麗な光景だ。ここがダンジョンでなければここで過ごしたいくらいだ。


ずっとこの光景を眺めていたいがそういうわけにはいかない。


「レジーナ、モンスターの気配はあるかな?」


『主様、あっちの方からモンスターの匂いが漂ってきます。』


気配じゃなく匂いって・・・


レジーナが指し示す森に向かうことにした。草原を歩いている途中でモンスターに襲わられることもなく森に到着した。


森に到着したが森の中に入ることを躊躇してしまう。


"ブーン"、"ブン"、"プーン"


様々な羽音が聞こえてくる。明らかに虫系の羽音だろう。


「………虫か、虫系モンスターは面倒なんだよねぇ。」


『とは言っても先に進んでみない分からないしね。行くしか無いんじゃない? 旦那様。』


「確かにマリーナの言う通りだね。行ってみるしか無いね。」


森の中に入っていくと、巨大なトンボ、蜂、蝿が飛び交っている。マリーナとエメリアが槍を上に向けて振り回しているためか虫達は襲ってくることは無かった。


さらに森の奥に進んで行くといつの間にか虫の気配が無くなった。


「さっきまで飛んでいた虫がいなくなったようだね。ただ、俺の気配探知はまだ何かを探知したままなんだけど。」


『主様、何かに囲まれているようです。』


「皆、注意して!」


………

………


確かに周囲には何かがいるのだが、今のところは襲ってくる様子が感じられない。


「………やりにくいな。さっさと襲って来てくれたほうが楽なんだけどな。」


敵の攻撃を待つこと10分程が経過した。


「このままじっと待ってても仕方が無いね。周囲を警戒しながら進むよ。木には近寄らないようにね。」


『レイさん、何で木に近づいては駄目なんですか?』


「この森で擬態するなら木に擬態するのが一番かなって。でも、さっきから探っていても見つからないんだけどね。」


『『ねぇ、擬態って何?』』


どうやら擬態という言葉を知らないらしい。擬態についてアイリーン達に説明した。


『へぇ、レイって意外に物知りなのね。』


意外には余計だよ。とりあえず、ゆっくりと先に進み始めた。すると、いつの間にか気配が消えたようだ。


「やっぱり擬態している奴には近づかなければ大丈夫なようだね。」


引き続き、周囲を警戒しながら先に進むと下り階段が見つかった。


「6階層、7階層を歩いて倒したのはレッドミノタウロスの1匹だけかぁ。」


『まぁそういうこともありますよ、レイさん。』


ラッキーだったと思うようにするか。実際にラッキーなんだろうしね。


8階層への階段を下り、8階層の入口に仮のポータルを設置してそのままダンジョンの入口まで戻ってきた。


さすがに今日は魔石が1つにドロップアイテムが1つなので恥ずかしいからギルドには寄らずに馬車に戻ることにした。


まぁこういう日もあるよな・・・と思うことにした。明後日から頑張ろう。

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