0193:薬剤師ギルド再び
ドラゴンを解体し、ドラゴン肉パーティーをしてから30日が経過した。特段何事も無く長期休暇を謳歌した。念のためアレストからの刺客が襲ってくるかとも思っていたが平和そのものだった。
することと言えば、食う、寝る、たまに依頼を受ける以外にはイチャイチャタイムしか無かった。
「かえって何も無さ過ぎて、肩透かしをくらったね。」
『ご主人様、何もなければ、それに越したことは無いですよ。』
確かにそうなんだけどね。まぁそんなことよりも、今日は武器屋でドラゴン素材の武器を受け取りに行く予定だ。今からワクワクしてくるな。
『レイさんは本当に武器が好きですね。』
『まぁ、ご主人様は武器マニアですからね。』
失礼な、武器マニアじゃないよ。生き残るためにはより強力な武器が必要なだけだよ・・・もちろん、より格好いい武器が好きなのは否定しないけどね。
30日間が経過しため、予定通り武器屋に向かった。武器屋が近づくにつれてワクワク感が強くなってくる。俺の分は防具だけだが。
「おやっさん、武器は出来た~?」
『うん? 小僧か。おぅ、ちゃんと予定通りに出来ているぞ。会心の出来映えだぞ。』
おやっさんが店の奥から出来たての武器を持ってきた。さすがに人数分なので何回も往復している。
「おぉ、格好いいねぇ。」
『『確かに凄いですねぇ!』』
カウンターに並べられた大量の武器、防具は素人目に見ても素晴らしい出来映えだ。
一通り鑑定してみたが、どれもステータスが2桁アップする逸品ばかりだ。
「おやっさん、ありがとう。凄い出来映えのようだね。」
『おうよ! 何度も言うが会心の出来映えだからな。まぁ素材も最高だったがな。がははは。』
武器作成の代金として、大金貨8枚とドラゴンの鱗1枚を出した。
『うん? 小僧、この鱗はどういうつもりだ?』
おやっさんが少し険しい表情をしている。もちろん、ドラゴンのことに対する口止め料とか言うつもり無い。
「前回、竜素材の武器、防具を買った時に無理を聞いてもらった際の穴埋めですよ。あの時は無茶を言ったんで。」
『おぉ、あの時のか。確かにあの時は目の前が真っ暗になったな。分かった、そういうことなら受け取ろう。』
「何かあったらまた来ますのでよろしくお願いしますね。」
『あぁ、小僧ならいつ来ても構わないぞ。』
「ありがとうございます。」
おやっさんに礼を言って店をあとにした。すると、アイリーン達がみんなして
『『討伐系の依頼を受けましょう。』』
と言ってきた。どうやら新しい武器を試したいようだ。あれだけ興味が無いようなことを言っていたが実は新しい武器が出来るのを楽しみにしていたようだ。
「人のことを武器マニアなんて言っていたくせに、みんなも楽しみにしていたんじゃない。」
『『え? なんのことですか?』』
惚けているな・・・まぁいいけどね。さっさとギルドに行かないと良い依頼が無くなってしまうな。
ギルドに到着し依頼ボード眺め始めた。ざっと依頼ボードに貼り付けられている依頼書を見ていくと討伐系依頼がそれなりに残っていた。
「良かったね。討伐系の依頼が残っているようだね。さてと、どの討伐依頼がいいかな?」
討伐依頼を吟味していると受付嬢から声を掛けられた。
『あの~レイさん、ちょっと良いですか?』
「えっと、ひょっとして嫌な話ですか?」
『え、いえ、嫌な話じゃないですよ・・・多分ですけど。』
いや、その話し方は絶対に嫌な話のはずだ。よし、これはちゃんと断ろう。
「えっと、俺達も忙しいんで。それじゃ。」
依頼ボードから回れ右して、ギルドから立ち去ろうとすると、受付嬢が涙目になりながら
『レイさん、私を見捨てるんですか?』
突然何を言っているんだ、この受付嬢は? 頭がおかしいのでは? と思っていると周囲にいた冒険者達がざわついている。
『なぁ、あれってレイだよな?』
『なんだ? 受付嬢を泣かせているのか?』
『そもそも、あいつには美人の奴隷がたくさんいるじゃないか。なのに受付嬢にまで手をだしているのか?』
『サイッテー! いいなって思っていたのに幻滅よね。』
ちょっ、ちょっと待ってくれ。俺が何をしたって言うんだ? 俺は何もして無いぞ。
「わ、分かった。分かりましたから。とりあえず話を聞くんで、あっちの誤解を解いてきてくれますか?」
『え? あ、ご、ごめんなさい。ちょっと待ってて下さい。今すぐ事情を話してきますから。』
受付嬢は冒険者達が集まっているところまで話始めた。どうやら、ちゃんと誤解を解いているようだ。良かった。ほんとに危ないな。
『彼女、本当に策士だわ~、ねぇ旦那様?』
「え、マジ? あれって演技なの? 本当にそうなの?」
『お待たせしましたぁ。じゃあカウンターまで来て下さい。』
さっきまで涙目だったような気がするんだけど・・・今は完全に笑顔になっている。女性って怖いなぁ。
受付カウンターに行くと、受付嬢は早速要件を伝え始めた。
『実はですね。薬剤師ギルドから、亡きオーウェンさんとの指名依頼を果たせとのクレームが入っておりまして・・・』
「………は? それって既に公爵が依頼成功で収めたはずなんじゃないですか?」
『………はい。そのはずなんですが、薬剤師ギルド側は納得していないようで、レイさんに薬剤師ギルドまで来いと言っているんです。』
薬剤師ギルド側はオーウェンがアレスト側の人間であったことを知らないのかな? そして俺達を殺そうとしたことも。
「もし、薬剤師ギルド側の要望を無視したらどうなりますか?」
『そ、それがですね、薬剤師ギルド側はポーションを冒険者ギルドに納めないと言ってきているんです。』
ポーションは回復スキルを保有しているメンバーがいないパーティーにとっては命綱とも言えるアイテムだ。それを条件にするとはかなり汚いと言える。
「なんか凄くムカつく条件だよね。薬剤師ギルドを潰してもいいのかな?」
『ちょっ、ちょっとレイさん、そんな物騒なことを言わないで下さいよ。そんなことになったら私がギルドマスターから怒られるんですからね。』
怒られるくらいなら問題無いんじゃないかな? 少なくとも俺には影響は無いしね。
『それに薬剤師ギルドが潰れたら結局ポーションを納めてくれる先が無くなるから結局、冒険者達が困りますよ。』
いっそのこと、薬剤師ギルドを潰して俺がポーションを納めるかな? 俺の錬金術ならそこそこの数のポーションを作れるはずだ。
「ちなみに薬剤師ギルドが納めていポーションの数ってどれくらいですか?」
『そうですねぇ、10日で50本くらいですかねぇ。でも、そんなことを聞いてどうするんですか?』
「その程度なら俺が納められるね。分かりました。今から薬剤師ギルドに行って場合によっては薬剤師ギルドを潰してきますね。」
『え? ちょっ、ちょっと待ってください、レイさん。薬剤師ギルドを潰しては駄目ですって。ねぇ、レイさん、聞いていますか?』
俺達は受付嬢の言葉を無視してギルドをあとにして、薬剤師ギルドに向かった。
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現在の装備
レイ
・神刀ミロ
・風龍の服
・風龍のコート
・風龍のズボン
アイリーン
・風龍の盾
・風龍の剣
・風龍の服
・風龍のバトルスカート
マリーナ
・風龍の槍
・風龍の服
・風龍のバトルスカート
レジーナ
・風龍のショートソード x2
・風龍の服
・風龍のバトルスカート
サーラ
・風龍の弓
・風龍の服
・風龍のバトルスカート
エリー
・風龍の盾
・風龍の剣
・風龍の服
・風龍のバトルスカート
ジャンヌ
・風龍の大剣
・風龍の服
・風龍のバトルスカート
メリッサ
・風龍の剣
・風龍の服
・風龍のバトルスカート
イザベラ
・風龍の剣
・風龍の服
・風龍のバトルスカート
エメリア
・風龍の槍
・風龍の服
・風龍のバトルスカート




