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0172:ダルハイムに到着


ダンジョン都市から出発して5日目にしてダルハイムの近くまで到着した。遠目から見てもダルハイムが巨大な都市だということが分かるくらいデカい。しかも城壁も頑丈そうだ。


「あんな頑丈そうな都市が落ちることなんてあるんですか? とてもじゃないけど、落ちる気がしないんですけど。」


『そんなことは無いぞ、レイよ。城が落ちる時なんて、意外にあっさりと落ちるもんだぞ。内通者の出現や、兵糧攻めとかな。』


そう言われるとそうかも知れないな。とりあえず、エメリアがいない城門を目指している。なのでアグラーかダニエルのどちらかが攻めている城門になる。


ダルハイムは国境側に当たる北側には城門が無く、南門、西門、東門の3つの城門があり、斥候の情報によるとエメリアは東門を担当しているようだ。


『よし、まずは西門を目指すぞ。』


エドワード公爵の指揮のもと、西門を目指している。幸いのことに敵本陣も東門側にあるらしいので、西門側の敵を素早く蹴散らせばエメリアの救援も本陣からの救援も無いはずだ。


西門に近づくと兵士の叫び声らしき音が聞こえてくる。ちょうど戦闘中のようで、背後が隙だらけだ。


『よし、まずは敵兵を背後から蹴散らして城内に入るぞ。全員、遅れるなよ!』


エドワード公爵の号令のもと、敵兵の背後から襲いかかる。突然の背後からの急襲で敵兵は統制が乱れている。今のところ、俺達は公爵の護衛に付いているため、何もしていない。


『開門! 救援に来たぞ。我はエドワード公爵だ。すぐに開門せよ!』


公爵の言葉に城門が開かれていく。開かれた城門を通り、易々と城内に入ることが出来た。城内に入ると兵士達から歓声が上がった。


歓声から上げている兵士達の中から1人の兵士がこちらに近づいてきた。


『お待ちしておりました。救援に駆けつけて頂き、誠にありがとうございます。エドワード公爵閣下。』


『うむ。それでは、早速だが戦況を聞きたいのだが、このダルハイムを治めているダート伯爵はどうしたのだ?』


兵士が俯きながら告げた。


『………ダート伯爵様は名誉ある戦死をされました。』


『………そうか。残念だが仕方ないな。では今から、このダルハイムは俺の指揮下に入ってもらうぞ。早速だが、主だったもの達を呼んできて欲しい。』


『は! 早速、このダルハイムの主だったもの達を呼んで参ります。』


と言い残して兵士は走って行った。暫くして各城門の守備隊長達が集まった。集まった守備隊長達に対してエドワード公爵が話を始めた。


『ダート伯爵が戦死してしまったため、今後は、俺の指揮下に入ってもらうぞ。早速だが、戦況を知りたい。各自、報告してくれ。』


各城門の守備隊長達がそれぞれの状況を説明している。エドワード公爵は守備隊長達の話を聞き入っている。守備隊長達の話を一通り聞き終わった。


『うむ、分かった。皆、よくここまで持ち堪えてくれたな。礼を言うぞ。では、これから作戦を伝えるぞ。』


エドワード公爵の作戦は各城門に攻撃してきている敵兵力の個別撃破だ。ただし、エメリアの部隊には決して手を出さない。


『そうしたら、城内の住民や兵士達に食糧を配ってやってくれ。おそらく最近は食事の量が少なかっただろうからな。あの10台の馬車にはたっぷりと食糧が積んであるからな。』


ダンジョン都市を出発するときに誰も乗っていない馬車があったようだったが、食糧が積んであったのか。3つある全ての城門が敵に攻められていたら食糧は運び込めていないはずだ。だから食糧も運んで来たわけか。


でも、いくら空間拡張した馬車に満載したとしても10台の馬車分の食糧はそれほど多くないだろう。となると、この戦いは短期決戦にしなければならないことには変わらないな。


『ライザー、アレックス、ソリアーノ、レイ、作戦会議をするから、こちらに来い。』


エドワード公爵に付いて行き、公爵の馬車に乗り込んだ。


『さてと。お前達だけに言うが、この戦いは早々にけりを着けなければならない。』


「そんなに食糧が少ないんですか?」


『ほう? 良く気が付いたな。その通りだ。実は残り2週間分の食糧しかないようだ。』


『え、本当ですか? 2週間か。結構ヤバいですね。そうすると、早速明日から個別に仕掛けるんですよね?』


血気盛んなアレックスが明日から戦おうと言っている。すると、エドワード公爵もそれに賛同している。


『もちろん、そのつもりだ。こちらには時間に制限があるからな。時間は有効に使いたい。』


『公爵様。俺達全員で敵部隊を叩くで良いのですか?』


ライザーが作戦の詳細を確認すると、エドワード公爵が答えた。


『あぁ、そのつもりだ。お前達の負担が大きくなってしまうが。』


作戦の詳細としては、エドワード公爵が引き連れて来た兵士と俺達冒険者達、500人で敵部隊2000人を相手にする。その間、このダルハイムの兵士達は他の城門に集まり敵兵力が救援に向かわないように牽制する。


『こちらの500人で2000人の相手か。中々厳しい戦いですね。』


ソリアーノは慎重な男だ。厳しい戦いだと理解している。まぁ、普通の脳ミソなら当たり前の話なんだけどね。


『ソリアーノよ、要は1人で4人倒せば良いんだよ。深く考えるなよ。』


いやいや、それじゃ相討ちじゃん。もう少し考えようよ。こんな身近に普通の脳ミソを持っていない男がいた。


………しまった。アレックスは脳筋だったよな。


『………俺と姉上とレイの3人で先陣を切らせてくれませんか? この3人の魔法なら先制攻撃で大分敵兵を削れると思いますよ。』


え? 何を言っているの? もう1人の脳筋であるライザーはイザベラが近くにいないと勝手なことに言い始める。


「え、ちょっ、ちょっと待ってよ。」


『『確かにそうだな。』』


公爵もアレックスもソリアーノも同意の相槌をする。当事者の俺は反対なんだけど、話だけは進んでいく。


『確かに現時点では、これ以上の良策は無さそうだな。他に策が無ければ、これで決定とするぞ?』


「いやいや、あるでしょう? まだ何も考えていないだけですって。絶対にもっと良い策がありますって。」


『『了解しました。』』


おい! 勝手に了解するな! 少しはこっちの話を聞いてくれ。


「ちょっ、ちょっと、俺の話を聞いてよ。」


『ライザー、レイよ。明日は頼むぞ!』


エドワード公爵がライザーと俺の肩にポンと手を置いた。作戦が決定してしまった瞬間だ。


『ライザー、レイ。頑張れよな。』

『レイ君、期待しているよ。』


なんだろうな、この脱力感は・・・

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