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0168:特訓と試験


ダンジョン都市に戻ってきた翌日にエドワード公爵の屋敷に向かった。昨日の時点で冒険者ギルドを通してあるから会えるだろう。


『ご主人様、私達も一緒で大丈夫ですか?』


「一応、全員で行くって言ってあるから大丈夫だと思うよ。それにエドワード公爵って暇しているでしょ?」


『………レイ。公爵がそんなに暇しているとは思えないわよ?』


「そうかなぁ? まぁ、大丈夫だよ。きっと。」


エドワード公爵の屋敷に到着すると、当然、門番から声がかかる。名前を名乗ると門番は笑顔になった。


『あぁ、レイか。話は聞いているよ。案内するから付いてきてくれ。そういえば、お前達、武術大会で準優勝したんだってな? しかも、ソロ部門と6人制部門の2部門でだろ? 凄いじゃないか。今は町中でその話題で持ちきりだぞ。』


え? そうなのか。昨日戻ってきた後、ギルドに行った時にジロジロと見られていたのは、そのせいだったのか。


『エドワード公爵様、冒険者レイをお連れしました。』


『うむ、入って良いぞ。』


門番がいつもの豪華な扉をノックし、俺達の来訪を告げると、エドワード公爵の声が返ってきた。門番が扉を開け、部屋の中に入ると机の上に大量の紙の山が見える。以前来たときも大量な紙があったが、目の前の山は以前とは比較にならないな。


『レイ、ちょっと待っててくれ。とりあえず、そこに座っててくれ。』


紙の山で姿が見えないが、エドワード公爵から、座って待ってろとのことなので、ソファを腰を下ろした。ただ、全員は座れないためアイリーン達にソファの後ろに立っている。


『待たせて済まんな。』


ようやく、エドワード公爵が机から立ち上がり、ソファまできた。


『うん? おいおい、なんでイザベラが此処にいるんだ?』


………

………


簡単にイザベラがここにいる経緯をエドワード公爵に説明したところ、エドワード公爵が大声で笑いだした。


『ははは、そうか。"鉄壁の女"もレイの仲間になったか。』


"鉄壁の女"? なにそれ?


『あ、あの、公爵様。その恥ずかしい二つ名で呼ぶのは止めて頂きたいのですが・・・』


『おぉ、そうか。イザベラは二つ名を気に入っていないのか。おっと、そうだ。レイ達に来てもらった理由だが、まずは武術大会の準優勝を誉めておこうと思ってな。本当に良くやってくれたな。何よりも家臣どもの鼻を明かしたのが一番の収穫だよ。』


エドワード公爵が満面の笑みだ。余程嬉しかったんだろうな。


『次に準優勝の賞金だが、ソロ部門分と6人制部門分で、それぞれ白金貨10枚ずつだ。』


突然の臨時収入だ。白金貨20枚ということは、およそ20億円だ。


「マジですか。凄いですね。」


『ちなみだが、優勝すると賞金は白金貨100枚だぞ。』


「ひゃ、ひゃくまい?」


『ははは、それだけ大きいイベントってことだな。あと昨日、ギルドにクランの申請を出していたな?』


「はい、その通りですが、何でそれを知っているんですか?」


『なんだ、知らないのか? クランの申請はギルドを通して貴族の承認が無いと申請出来ないんだぞ。』


え、そうなのか? 知らなかった・・・そうすると、俺の場合はこのダンジョン都市で申請するしかないな。他に貴族の知り合いはいないし。


『まぁ、レイ達なら問題無いと思うが、承認するにあたって条件がある。ランクアップ試験を受けて、全員ランクBになれ。おっと、イザベラは既にランクSだからイザベラ以外の面子が対象だな。』


まぁ、ランクアップ試験はいずれ受けるつもりだったので条件的には全く問題無いな。


「本当にそんな条件で承認してもらえるんでしょうか?」


『あぁ、もちろんだ。承認すると、そのクランの責任者になるが、まぁレイ達なら大丈夫だろうしな。』


あとでイザベラに聞いたところ、クランの責任者にはクランが暴走したときにクランを討伐する責任があるらしい。なので余程の信頼関係が無いと承認はしないとのことだ。


『ランクアップ試験は1週間後にあるから、そこで全員がランクアップ試験に合格してみせろ。』


「分かりました。1週間後のランクアップ試験に全員合格してきます。」


しばらくエドワード公爵と会話をしてエドワード公爵の屋敷をあとにした。



俺達はギルドに行き、ランクアップ試験のことを受付嬢に確認したところ、受付嬢から


『はい。レイさん達がランクアップ試験を受けることはエドワード公爵から伺っていますよ。』


とのことだ。う~む、どうやら俺達は公爵の手の平の上で踊らされている感じがするな。でも悪い方向にでは無く、良い方向のようなので気にしないでおく。


とりあえず、今はランクアップ試験のことを受付嬢から聞くことにした。まずは試験は複数項目があり、全ての項目をクリアする必要がある。ただし、どんな試験項目になるのかは都度変わる。試験官次第とのことだ。


受付嬢から一通りの説明を受け、最後に誓約書にサインをするように言われた。誓約書に記載されている内容を要約すると、死んでも文句を言わないように、ということらしい。


ははは、いかにもこの世界らしいね。でもサインしないと先に進めないのでサインするしかない。誓約書にサインした。


『はい、確認しました。レイさん、皆さん。ランクアップ試験は大変かも知れませんが頑張って下さいね。』


ランクアップ試験の申し込みが完了し、ギルドをあとにした。


「これで、あとは1週間後のランクアップ試験に備えるだけだね。」


『じゃあ、皆で模擬戦をやりつつ、戦力アップに励みますか? 私に任せてもらえれば訓練メニューを考えますわよ。』


イザベラが指南役に名乗り出た。でも、ちょっと待った。イザベラの元パーティーメンバー達であるランクA冒険者達がイザベラのしごきにクレームを入れていたんだよな?


「えっと、ちょっと、まっ、」


『じゃあ、皆をランクBなんて言わずにランクA、いえ、一気にランクSも狙えるくらいまでの訓練メニューを考えますわよ。』


『『え、ランクS? 私達が?』』


『えぇ、ランクSですよ。皆なら十分狙えますわよ。あぁ、レイならランクSSも可能性がありますわね。』


あのライザーと同じランクSSか。確かにたどり着けるものなら、たどり着きたい場所だ。


「分かったよ、イザベラ。特訓メニューのほうは任せたよ。」


『『え、ちょっと待っ、』』

『えぇ、分かりましたわ。では早速、訓練を開始しましょうか。』


ーーーーーーーーーー


頼んだことを毎日後悔するようなイザベラ考案の地獄のような特訓を1週間こなした。死人が出なかったことは幸運だった。


イザベラはさすがにランクS冒険者だった。剣術、槍術、弓術、魔法、どれをとっても一流の腕を持っていた。何よりもスタミナが凄い。


アイリーンとエリーは、1対3での模擬戦を1日5時間、加えて通常の訓練が5時間。


レジーナ、マリーナ、ジャンヌ、メリッサはイザベラとの1対1の 模擬戦を1日1時間、加えて通常の訓練が9時間。


サーラは弓術の訓練が3時間、あとは魔力枯渇するまで魔法の訓練だ。魔力枯渇するまでが前提なので、ある意味一番厳しい。魔力枯渇を経験したことがあるだけに厳しさが分かる。


俺は、イザベラと1対1の模擬戦を1日1時間やった後に上級者用ダンジョンの最下層でモンスターを1日100匹以上狩った。


イザベラ曰く。

『お金も儲かって、訓練も出来て一石二鳥でしょ。』


そりぁあ、そうだけどさぁ・・・


1週間、食う、寝る、訓練するだけ生活をおくった。この1週間、アイリーン達を抱く余力は全く無かった。


『この1週間で皆、かなり強くなりましたね。これならランクアップ試験は大丈夫でしょうね。』


最後に装備を新調しておこうか。そうと決まったら親父さんの店に行こう。


ーーーーーーーーーー


イザベラの言葉通り、ランクアップ試験で余裕で合格した。イザベラの特訓のほうが圧倒的に厳しかった・・・


そして、ランクアップ試験合格と同じタイミングでクラン申請も許可されていた。きっとエドワード公爵がランクアップ試験合格を見越していたからだろうな。


ようやく、イザベラのステータスが確認出来た。確認したところ、やはりステータスはかなり高かった。料理スキルのレベルも高かった。


イザベラは豪腕スキル等を付与したおかげでさらに強くなった。


ーーーーーーーーーー

ステータス


名前:レイ

種族:ハイヒューマン

年齢:15

筋力:82(+78)

体力:83(+78)

魔力:97(+58)

器用:79(+68)

スキル:

【鑑定】【アイテムボックス】【言語解析】【魔法全般】【スキル強奪】【回復(全)Lv42】

【剣豪Lv3】【短刀術Lv32】【回避Lv33】

【火魔法Lv48】【気配探知Lv21】【豪腕】

【マップ】【剛健】【水魔法Lv13】

【攻撃支援】【錬金術】【俊足】【毒耐性】

【毒攻撃】【解毒】【隠密】【誘惑】

【身体強化】【自動回復】【罠探知】

【罠解除】【雷魔法Lv8】【風魔法Lv9】

【麻痺攻撃】【魔法耐性】【勇者】


名前:アイリーン (主人レイ)

種族:ハーフエルフ

年齢:42

筋力:79(+33)

体力:76(+29)

魔力:67(+8)

器用:71(+19)

スキル:

【大盾術Lv29】【剣術Lv28】【豪腕】

【剛健】【俊足】【毒耐性】【隠密】

【解毒】【魔力探知】【罠探知】【罠解除】


名前:マリーナ (主人レイ)

種族:ハーフドワーフ

年齢:24

筋力:73(+33)

体力:70(+29)

魔力:46(+8)

器用:72(+18)

スキル:

【盾術Lv24】【槍術Lv25】【豪腕】

【剛健】【俊足】【毒耐性】【隠密】

【毒攻撃】【魔力探知】【罠探知】

【罠解除】


名前:レジーナ (主人レイ)

種族:狼人属

年齢:21

筋力:71(+31)

体力:68(+29)

魔力:41(+8)

器用:78(+24)

スキル:

【剣術Lv25】【回避Lv26】【豪腕】

【剛健】【俊足】【毒耐性】【隠密】

【毒攻撃】【魔力探知】【罠探知】

【罠解除】


名前:サーラ (主人レイ)

種族:ヒューマン

年齢:23

筋力:59(+29)

体力:61(+29)

魔力:85(+9)

器用:70(+20)

スキル:

【風魔法Lv34】【回復Lv26】【弓術Lv26】

【豪腕】【剛健】【俊足】【毒耐性】

【隠密】【解毒】【攻撃支援】【魔力探知】


名前:エリー (主人レイ)

種族:ヒューマン

年齢:21

筋力:61(+33)

体力:58(+29)

魔力:48(+8)

器用:60(+19)

スキル:

【大盾術Lv19】【剣術Lv18】

【豪腕】【剛健】【俊足】【毒耐性】

【隠密】【解毒】【魔力探知】

【罠探知】【罠解除】


名前:ジャンヌ(主人レイ)

種族:ヒューマン(ホムンクルス)

年齢:4985

筋力:88(+34)

体力:85(+31)

魔力:89(+8)

器用:84(+18)

スキル:

【雷魔法Lv35】【大剣術Lv33】【弓術Lv28】

【豪腕】【剛健】【俊足】【毒耐性】

【隠密】【毒攻撃】【魔力探知】


名前:メリッサ(主人レイ)

種族:ヒューマン

年齢:18

筋力:78(+33)

体力:73(+33)

魔力:77(+8)

器用:82(+18)

スキル:

【氷魔法Lv23】【剣術Lv25】【回復Lv24】

【豪腕】【剛健】【俊足】【毒耐性】

【隠密】【勇者】【料理Lv9】

【アイテムボックス】


名前:イザベラ(主人レイ)

種族:ヒューマン

年齢:34

筋力:91(+33)

体力:95(+33)

魔力:86(+8)

器用:92(+18)

スキル:

【土魔法Lv38】【剣術Lv35】【槍術Lv34】

【弓術Lv32】【豪腕】【剛健】【俊足】

【毒耐性】【隠密】【料理Lv15】

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[気になる点] なぜクラン設立に貴族の承認がいるのはまったくわからない。
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