0118:上級者用ダンジョン5日目
しっかり休暇を取った翌日は、また上級者用ダンジョンに向った。いつも通り、ダンジョン入り口でオッサンにポータル使用料を支払って8階層へ向かった。
「う~ん、これまた見事なジャングルだね。」
『そうですね。こういうジャングルだとモンスターの接近に注意が必要ですが、まあ、うちにはレジーナがいるから大丈夫だと思いますけど。一応、ご主人様もいますしね。』
俺は一応扱いか、ちょっと寂しいな。確かにレジーナの索敵能力はずば抜けているけど、俺の扱いが酷い気がするな。
「しかし、人が通った跡が全く無いね。」
『外のジャングルなら人が通った跡は多少残るかも知れないですが、ここはダンジョンですからね。人が通った跡は直ぐに修復されちゃんですよ、レイさん。』
ダンジョンに修復能力があるのは聞いていたが、こういったジャングルまでも修復されるのか。さすがダンジョンだな。
「修復されちゃうのは仕方が無いね。周りを注意しながら進むしかないか。レジーナ、頼むね。」
『はい。任せて下さい。』
レジーナを先頭にジャングルの中に入って行くことにした。足下は膝上まで伸びた草、木の枝から垂れ下がった蔦等が非常に邪魔くさい。
「鬱陶しいね、まったく。焼き払いたいくらいだね。」
『ご主人様・・・それは止めて下さい・・・』
冗談で言ったつもりなんですけど。いくら俺でもそんなことはしないよ。
ジャングルを進むこと30分程経ったが一向にモンスターは現れなかったのだが、レジーナが
『主様、どうやらモンスターがこちらに向かって来ているようです。』
遠くから音にする。
バキッ、バキバキ
明らかに木の枝が折れる音がしてくる。こそこそっと襲ってくるわけでも無く、堂々と襲ってくるようだ。
『パオォォォン』
この鳴き声って象か? と考えていると遠くから巨大な生き物が近づいてきた。高さは3mくらいはありそうだ。
〈鑑定〉
ロングノーズ
スキル:豪腕
『レイさん、あれはランクCモンスターのロングノーズですね。かなりの怪力と聞いていますよ。』
うん、正解だね。さすが歩くモンスター図鑑だ。
「皆、踏み潰されないように注意してね。」
踏み潰されないようにと注意した瞬間にロングノーズは長い鼻を使って横殴りしてきた。アイリーン達は盾を斜めに構えて長い鼻を頭上へ受け流した。受け流された鼻は俺達の上を通り抜けた。
しかし受け流された鼻が戻ってくる。今度もアイリーン達の盾で受け流した。アイリーンとエリーが
『『結構、攻撃が重いです。あまり何度も受けられないです。』』
「分かった。次の攻撃で何とかするよ。」
『『お願いしますよ。』』
3回目の鼻による横殴りが来た。アイリーンとエリーが盾で受け流す瞬間、一瞬だが鼻の動き極端に遅くなる。その瞬間に俺が神刀で鼻を切断した。
『パオォ、パオォォォォォォ。』
ロングノーズが鼻を切断された痛みに悲痛な叫び声をあげた。そりゃあ痛いだろうな。
鼻を切断された痛みのためか、怒りのためかは分からないがロングノーズが暴れ始めた。
「この巨体が暴れると手を付けられないね。」
鼻を失ったロングノーズは俺達を踏み潰そうとしてくるが動きが遅いので余裕で回避できるが、反撃までは出来ない。ロングノーズの攻撃を回避しつつ、作戦会議だ。
「さて、どうしようか? このままだと埒があかないよね。1つだけ良い手があるんだけど。」
『レイくん。その良い手って何ですか?』
『旦那様、凄く嫌な予感がするんですけど?』
「マリーナ、きっと正解だ。良い勘をしているね。マリーナを踏み台にして俺がロングノーズの背中に飛び乗り、そのまま倒すよ。」
『ちょっと、なんで私が踏み台になるのが確定なんですか? しかも2度目ですよ。』
「前にもやっているしね。失敗しないためには経験を生かすのは大事なことだよね?」
『う~ん、いまいち納得感は無いですが仕方無いですね。』
本当は心置き無く踏み台に出来そうなのはマリーナだけなんだが、正直に言うと間違い無くマリーナが拗ねるからな。
「じゃあ、マリーナ以外はロングノーズを引き付けておいて。」
『『了解しました。じゃあ、マリーナ、頑張ってね。』』
えっと、主に頑張るのは俺のほうだと思うんだけどな、違うのかな? まぁいいや。
アイリーン達がロングノーズを引き付けている間に、俺とマリーナは少し離れてロングノーズに飛び乗るタイミングを計る。
アイリーン達は近付き過ぎず、離れ過ぎずにロングノーズの注意を引いている。あとはロングノーズが俺とマリーナに背中を見せた時がチャンスだ。すると、そのタイミングがやって来た。ロングノーズが完全にこちらに背を向けている。
「マリーナ、今だ。」
『了解!』
マリーナが先頭になり、ロングノーズに向かって走り始めた。ロングノーズの尻の手前でマリーナが止まり踏み台の体勢になった。俺はマリーナを踏み台にしてロングノーズの背中に飛び乗り、その瞬間に神刀をロングノーズの後頭部に突き刺す。
『パ・・・オォォン・・・』
ズズンと音を立てて、ロングノーズは倒れた。
「倒したようだね。しかし、なんでロングノーズがランクCモンスターなんだろう?」
確かに動きは鈍いが攻撃力は高いし、何よりも巨体のため倒しにくいと思うんだけどな。
『レイさん。モンスターのランクは強さだけでは無いんですよ。ロングノーズの場合は逃げるのは簡単なのでランクCなんですよ。』
「確かに動きは鈍かったね。逃げるのも有りと言えば有りか。」
そういえば、俺達はモンスターと遭遇したら倒すことだけを考えていたな。今後は逃げることも検討したほうが良いかもね。
ロングノーズが魔石とドロップアイテムを残して消えた。あの巨体から残った魔石は小さい。ただし、ドロップアイテムは大きい。象牙だ。
『レイさん、この象牙はかなり立派な象牙ですよ。』
とりあえず、アイテムボックスにしまって先に進むことにした。その後も色んなモンスターを倒しつつ進み、なんとか9階層への階段を発見した。
8階層での成果は
リザードマン x12
リザードマンリーダー x1
ロングノーズ x1
オーク x7
オークメイジ x3
リザードマンの槍 x5
リザードマンの革 x4
象牙 x1
オークの霜降り肉 x3
9階層にたどり着くと目の前には普通の森が広がっている。ジャングルではないのでまったく問題無いね。少なくとも草や蔦を掻き分けて進む必要は無さそうだ。
とりあえず、休憩ついでに昼食を食べてから先に進むとしようか。ポータルから少し離れたところで昼食を取り始めた。
昼食後、森の中を進むと広場がある。そして広場の中央にモンスターが1匹だけいる。そして、そのモンスターの後ろに階段が見える。
〈鑑定〉
トロールジェネラル
スキル:自動回復、豪腕
「トロールジェネラルだね。自動回復ってスキルを持っているから、あまり時間をかけられないね。」
『自動回復ですか、中々厄介なスキルが存在するんですね、レイくん。』
確かに前衛組としては困ったスキルだろうな。モンスターからの攻撃を耐える時間が増えることを意味するからね。
「なら、回復する暇を与えないで倒すしか無いねっと!」
ということで、いきなり全力のファイヤアローを放った。
『だから、なんで貴方は突然そんなことをするんですか! 馬鹿なんですか、ご主人様は!』
文句を言いつつも、俺の魔法に合わせて突撃するアイリーン達。
数10本のファイヤアローがトロールに襲いかかった。放ったファイヤアローは1本も外さすトロールに突き刺さった。
『グォォォ・・・』
ヨロヨロになったトロールジェネラルをアイリーン達がよってたかってボコボコにした。
そして、戦闘終了後、アイリーンとサーラから怒られた。怒られている間に、自動回復スキルを取得した。
『ご主人様、ちゃんと聞いているんですか?』
「あ、はい。ちゃんと聞いてます。」
『レイさん、次からはちゃんと合図をしてからにして下さいよ?』
「はい。分かりました。」
30分くらい怒られて、ようやく階段を降り始めた。10階層に到着した。見事な草原だな。
9階層での成果は
トロールジェネラル x1
ジェネラルの棍棒 x1
トロールの皮 x1
「9階層って中ボス階層だったりした?」
『かも知れませんね。トロールジェネラルはランクCモンスター上位ですしね、レイさん。』
今日はここまでにして戻ろう。ポータルで脱出して、ギルドへ買い取りに向かった。
『レイさん達は相変わらず稼ぎますね。全部で大金貨2枚、金貨2枚、大銀貨6枚です。』
俺もそう思うけど、稼げるうちに稼いでおいたほうが良いよね。
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