第三百六十四話 次のアトラクション
「次は体を動かすのがいいわね」
由紀に先導されて歩くと、大きな建物の回りに多くの人が並んでいました。かなり人気のアトラクションのようです。
「あそこよ並びましょう」
列の最後尾に並び、動くのを待ちます。しかし、10分程経っても列は全く動きません。
「全然動かないわね」
「そういうイベントなのよ。動く時はすぐよ」
由紀が言い終わると同時に列が大きく動きました。前に20人以上並んでいたはずなに、すいすい動きます。私達は列の流れに乗って建物の中に入りました。
中は広いホールになっていて、正面に大きなモニターが設えられています。少しすると入ってきた扉が閉まり、ホールは真っ暗になりました。
「本日は『フューチャーウォーズ』にご来場いただき、ありがとうございます。これより説明をさせていただきます」
このアトラクションは、光線銃を使った陣地戦だそうです。当たり判定用のベストを着て単機関銃のような光線銃を持って、敵となったプレイヤーと戦います。
被弾するとベストが振動し、射撃出来なくなります。5発当たると死亡で、本拠地に戻ると10秒後に復活出来ます。敵本拠地に潜入し、ヘッドクオーターというモニュメントを5発撃って破壊すれば勝利となります。
「では2列に並んでこちらに!」
2列になってモニター脇の通路を進むと広い部屋に出ました。左右の壁にはベストがハンガーに掛かっていて、その下にはライフルのような銃が立て掛けてあります。
「左右に別れてベストを装着、銃を持ってください。なお、貴重品はこちらに置いていって下さい!」
案内の女性に従い、皆はベストを着て光線銃を手に取ります。持っていた荷物は光線銃が立て掛けてあった場所に置いて行きます。由紀もベストを着てウェストポーチを外そうとしていました。
「由紀、ウェストポーチは邪魔にならないでしょうし、外す必要ないわよ」
「案内人の指示に従わないのは・・・そうね。着けて行きましょう」
皆が準備を終えたのを見て案内の女性が声をあげます。ウェストポーチのついては何も言われる事はありませんでした。
「右の列はこちらに、左の列はあちらに進んでください!」
言われるままに通路を進むと薄暗い空間に出ました。迷路みたいになっていますが、幅は3人くらいなら並んで歩ける位には広くなっています。
「ここが戦場ってわけね腕がなるわ」
「真上のあれがヘッドクオーターね。」
頭上には大きな蛍光灯を青くしたような光の輪が浮かんでいました。ここが私達の拠点となる場所のようです。




